見出し画像

始まるか? 相場の「逆回転」。ー ”2022年相場の逆” のそのまた逆?

 前稿.「利下げ」期待を完全には排除しなかったパウエル議長。続編。ー "金利は株やFXとは違う"。|損切丸|note で2023年相場は ”2022年相場の逆” で始まった ”いじわる相場” と指摘したが、雰囲気が変ってきた。

 (参考)「2022年に儲かった相場」 ↓

 ①金利:米国債売り
 ②FX:ドル買い、円売り(円安)
 ③株:ナスダック、中国株、韓国株売り
 ④ビットコイン売り
 ⑤商品:WTI買い

 年初の飛び出しとして、いつも3ヶ月ぐらいはウォール街が引っ張るのだが1ヶ月でもう息切れFRBに次いでECB、日銀と「お金」の供給が減る中、相場の持久力は落ちている。まあ「国債無制限買取オペ」で+20兆円強供給されたのは ”おまけ” だったが、それでも限界は見えている。やはり 「銀行」主導型経済の "終わり" - "周回遅れ" の日本はぐるっと回って先頭に?|損切丸|note を感じさせる。

 その中心にあるのは米国債無理矢理創り出した「逆イールド」が早くも瓦解しつつある

 先週末の強い雇用統計がきっかけだったが、そもそもパウエル議長やFRBの言う事に背いてきた反動がモロに出た。大銀行であっても金利市場で中央銀行と喧嘩するのは御法度「利下げ」大合唱は静まり、2023年内は@5%近い政策金利で高止まりの気配に変化。やっとFRBと平仄が合ってきた

 もともとFRBによる「早期利下げ」を前提に動いていた株やFXは見通しの修正を迫られている。

 JGB(日本国債)の「YCC引上げ」をきっかけに売りに動いたドル円など、一時▼3%近く売られていた「ドル安」戦略も風前の灯火好調だった米ナスダックや独DAXも暗雲が立ちこめる。某・Gxxdxxnsxchsがしつこく「お勧め」していた ”原油価格100ドル超え” シナリオもボロボロ

 常に必要な ”ブーム” ”バブル” 2023 ー  見えてきたウォール街の ”狙い” 。|損切丸|note とはいえ、今年は上手くいきそうもない。年初から+40%以上も値上がりしたビットコイン(BTC)などの「暗号資産」もどこまで保つか。「煽るだけ煽って喰いついてきたらズドン!」が常套手段。|損切丸|note ではあるが、やはり市場から「お金」が減る「引締局面」はトレーダーにとっても鬼門。10人のうち8人がやられる相場になる。つまり誰かを潰さなければ生き残れない

 特に「円」については要注意。日銀総裁が誰になるかの ”観測気球” だけでこれだけドル円がブンブン振り回されるようでは先が思いやられる。

 ”4/1から+8%値上げされる佐川急便に続き、ヤマト運輸も4/3から宅急便を+10%改定”

 日本の「インフレ」動向を測る上でこれは決定的なニュース。原材料やエネルギー価格の高騰の影響もあろうが、日本の「インフレ」の正体。|損切丸|note はやはり「人手不足」からくる人件費の上昇労働環境が過酷な事もあり、パートにしても相当時給を上げないと「人」が集められないのが現状。飲食などのサービス業と熾烈な奪い合いになっている。

 「物流コスト」が上がれば広く商品の価格に「上乗せ」になる。輸入品の価格が上がったのも「円安」に加え船賃の高騰が大きく影響している。全ての根源が「人手不足」世界人口(80億人)の17%を占める「ベビーブーマー」(1946~1964生まれ)、特に先進国の中心的働き手だった世代が億単位で一気に現場を退いたことが主因だ。日本に限らず、いかにデジタル技術が進歩しても2、3年で解消できるものではない

 ・パウエル議長「インフレは一時的」(2021年8月)
 ・黒田日銀総裁「日本の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)は来年度にも2%を割り込む可能性が大きい」(2022年9月)

 一介の元・金利トレーダーである「損切丸」でさえ認識している「人口動態」の問題を超の付くエリートの日米・中銀総裁が知らないわけがない。そう考えると  の発言が "欺瞞" に満ちたものに見えてくる。 "欺瞞" というより "都合" だ。両名に通じるのは就任当時の国のトップ(T大統領、A首相)が強烈な人物であり、極めて「政治的」だったこと。

 確かに1年経てば「前年比」で比較する対象の物価指数が高くなり、直近の数字が低く出る可能性が高い。だが逆に言えば、両名ともその点を過剰に意識し過ぎ。その結果がFRBによる+0.75%x4回という「歴史的利上げ」に繋がった。その後の相場は2022年にご覧になった通りだ。

 そして日本は丁度アメリカの1年遅れ「GOTO」方式で「エネルギー補助金」など▼1%程度 "見た目" のCPIの「低め誘導」は可能だが、電力会社も続々「値上げ」申請しているし「物流コスト」上昇等考え合わせるとCPIが+5%に向かう可能性も排除できないその時一体どうするのか。これは次期総裁が誰になるのか、といったような些末な問題ではない

 目先は2/14に発表される米CPIで 米CPIの ”反転リスク” 。ー 令和版 ”ゴルディロックス” 経済の落とし穴。|損切丸|note がないかどうか見極めることになる。2023年は叩き合いの ”Kill Struggle" (殺し合い)を予想していたが、やはりただで済みそうにない。プスプスと焦げる臭いもしてきており、 振り落とされないようにするか、「君子危うきに近寄らず」のイギリス流(都合の悪そうな時はいつもいなかった。苦笑)が無難かもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?