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【両親が学費を払えない】自分で大学の学費を賄うという選択

はじめに

本記事は「両親に学費を払ってもらえないから」という理由で進学を諦めようとしている高校生や中退を検討している大学生、学校に通い続けるために”身体を売る”という選択をしようとしている(している)女子学生など、お金に悩める若者たちに向けて執筆しています。

私は大学4年間+大学院2年間の合計6年間大学に通いましたが、家庭の教育方針で両親に学費を払ってもらえませんでした。なので、大学に入学してからの ”学費” と "生活費" は全て自分で賄う必要がありました。

大学入学時の若干18歳の頃は「死ぬわけではないし、まあなんとかなるでしょ」くらいの気持ちでいましたが、いざ大学生活が始まると学費の大きさや、交際費や通信費、サークルで発生するお金など生活費の大きさに絶望しました。

まずはできるだけ時給の高いアルバイトをできるだけ多く入れてお金を稼ぐという戦略を取っていたのですが、せっかく大学に入学したのに勉強が疎かになったり、サークルやイベントなど学生ならではの活動にもほぼ参加できなかったりして、何のために大学に入ったのか分からなくなりひたすら悩んだものでした。

そんなこんなで、大学入学間もないとある春の日のバイト帰りに早くも”中退”と”休学”の二文字が頭に浮かび、同時に「なぜ進学を諦める人がいるのか」、「なぜ女子学生で身体を売る子が多くいるのか」など、多くのことを理解しました。

自分で学費を払いながらも、大学に行くメリットをしっかりと享受できなければ大学に行く意味がないと悟り、「学費を稼ぐ」と「大学生活を満喫する」を両立させる方法、すなわち”大学時代を生きる術”を本気で考えました。

いきついた結論は若干の不確定要素はあったものの、実にシンプルでした。本記事では、その私の実体験に基づく「いかにして自分で学費を賄いながら大学を卒業したか」についてのお話をしようと思います。

その話に先立って、一番お伝えしたいことを書いておきます。

金銭的理由で進学を諦めようとしている高校生の皆さん、進学を諦めないでください。
金銭的理由で大学に通い続けるために身体を売ろうとしている女子学生の皆さん、他にもきっと術はあります。自分を大切にしてください。
金銭的理由で退学をしようとしている大学生の皆さん、今しかない大学生活を諦めないでください。

本記事が皆さまにとって有益なものになることを願っています。

私がいかにして自分の学費を賄ったか

さて、ここからは私の実体験に基づく具体的な方法論およびその根底にある考え方についてのお話をしていきます。

まず大前提としてあるのは「大学は高等教育機関である」ということです。自分で学費を払うならなおさらしっかりと学んで今後の人生の糧にしたいところです。なので「学びを妥協しない」ということをまず出発点として考えました。

逆に言うと、これができなければ中退するつもりでした。
学びを妥協しないために、まずは「学びながらお金を得る方法はないか」、「学んだ成果でお金を得る方法はないか」を考えました。

学びながらお金を得る

学びながらお金を得る方法については、授業時間は身体も時間も拘束されるので厳しいですが、テスト期間中は勉強時間は必要なので時間はある程度拘束されるものの、身体は拘束されません。私はここに目を付けました。テスト勉強しながらまとまったお金を得る方法として私が選んだのは、 ”治験” でした。

治験は一言で言うとある新薬(や治療法)の開発の実験台になることです。響きが少し怖いですが、健常者が参加する治験は、その薬のテストの最終段階であることが多く、ほぼ安全性が立証されている状態で実施されるものなので、そうそう変なことは起こりません。また、事前説明がしっかりあるので、自分が納得できる安全性の治験にのみ参加することも可能です。

一方で、その報酬はとても高いです。内容にもよりますが、数日でも数万、一、二週間で数十万円、もっと期間が長いものだとさらに大金がもらえる場合もあります。

私は試験テスト期間中に治験に参加し、薬を投与されて血液検査を定期的に受ける間の空き時間(血液検査は何回もあるが一瞬なので、実態としてはほぼ空き時間)に勉強するという方法を取っていました。

治験中は他に誘惑もないので、テスト勉強にはもってこいです。この期間にしっかり授業の内容を頭に入れることができ、かつお金を得るというメカニズムを作り出すことができました。

※当時私も利用していた日本最大手の治験サイトを掲載しておきます

学んだ成果でお金を稼ぐ

さて、テストで高得点をたたき出し学年トップクラスの成績を得ると大学によっては奨学金がもらえます。また、学校とは関係のない第三者機関が成績優秀者対象の奨学金を出しているケースもあります。

この奨学金を本気で狙いに行きます。私の場合は、年に10個くらい申請していました。個人が総なめできないように大学の学事がバランスを取るように調整しますが、それでも場合によっては複数の奨学金をもらえます。

※ちなみに両親に学費を払ってもらえない理由が、「両親の所得が低いから」という理由であれば、申請できる奨学金の数が大幅に増加し、かつ求められる成績の水準がぐっと下がります(成績が高いに越したことはないですが)。中には学費以上の給付額があるものもあるので、要チェックです。
私の場合は、両親の所得はそれなりにあり、家庭の教育方針で学費を払ってもらえなかったので、所得制限のある奨学金は給付対象外でした…。

さらに学業を頑張っていると、理系であれば有名な研究室、文系であれば有名なゼミに入りやすくなります。有名な研究室やゼミの教授は学内外に強力なパイプを持っているケースが多々あるので、学力を活かしながらできるような割のよいアルバイトを紹介してもらえることもあります。

私は理系だったのですが、良い成績を取っていたおかげで良い研究室に入れたので、研究室でメインの研究をする傍ら、企業にお金をもらいながら共同研究をしていました。

学業さえ頑張れば学費は賄える

さて、ここまでの流れは、

テスト期間に治験を当てて猛勉強 → テストで高得点をたたき出し、良い成績を収める → 成績優秀者対象の奨学金を得る and よい研究室/ ゼミ で美味しい思いをする

でした。額としては、私の場合は治験で年間30万円程度、給付型の奨学金で50万円程度、研究で50万円程度のイメージです。この時点で国立だと学費以上の稼ぎ、私立でも学費とほぼ同等の稼ぎになります。

つまり、実は「勉強を死ぬ気で頑張ること」が学費を自分で賄うための一番大きな手段になるのです。

「学費を払った結果学業ができる」という発想でいくとアルバイト地獄に陥ります。そうではなく「学業を頑張った結果学費が払える」という発想に切り替えることこそが重要なのです。

余談ですが、学業を頑張ると、就職の裏口ルートができたりもします。企業側も優秀な学生が欲しいですから、有名な研究室の学生や良い成績を収めている学生をハンティングする機会を虎視眈々とうかがっています。良い就職ができると社会人になってから経済力がつくのでその意味でも勉強を頑張ることはとても大切です。

さて余談はさておき、ここまでで自分で学費を賄いながら大学に通うことの一番の肝は「学業を頑張ること」であることが伝わったかなと思います。最後に私の学生時代の収入の全体像をお見せしようと思います。

学生時代の年収の概要

・治験 @テスト期間     :20-30万円
・成績優秀者対象の奨学金:50万円
・共同研究先からの謝礼 :50万円 ※大学院時代のみ
・アルバイト      :100万円程度 ※週3回程度
・日本学生支援機構奨学金:60万円程度※これは借金
合計 280万円程度
※学部時代は230万円程度でした。
※上記に加えて、大学3年生以降は仮想通貨と株の運用益がありました。

アルバイトについては、家庭教師と私立高校での講師のバイトが固定で、あとは臨機応変に、シーズンにより時給が高騰するバイト(春の引っ越し業者など)やホテルスタッフなどをしていました。

ちなみに学費の観点だけでいうとアルバイトをする必要はなかったのですが、しっかりと学生生活を満喫することを踏まえた生活費を捻出するためにやっていました。この辺りは一般的な大学生と同じだと思います。

自分のお金で大学に行くという選択

ここまで私の実体験をベースに「いかにして自分で学費を賄いながら大学に通うか」についてお話してきました。

大学1、2年生の頃には学費を払ってもらっている人が羨ましく、自分だけなぜこんな辛い思いをしなければならないのかとひたすら悩んだ記憶があります。

ですが、一方で得たものもたくさんあります。
その観点も少しだけお話させてください。

大学での専攻に関する専門性

身銭を切っている分、なんとなく大学に通っている人とは圧倒的に学ぶ覚悟が違ったと思います。学費に対するリターンを専門性という形で得たいので、授業の費用対効果を本気で考え、行動していました。

大抵のことには動じない強靭なメンタル

様々な困難に立ち向かいながら自分で学費・生活費を賄うという実績を年々積み上げていくと、相当な自信がつきます。自己肯定感も上がりますし、人生で何かが起きたときでも「学費を自分で賄ったことに比べたら大したことない」と思えるくらい、その実績が精神的な支柱になります。

お金に関する嗅覚

 支出を小さくして収入を増やす工夫であったり、お得な情報を得るためにアンテナを張ることであったりと、無意識にお金に関する嗅覚が身に付きます。また、私の場合は大学3年くらいからむしろ金銭的余裕が出始めたので早くから投資デビューして、成功も失敗もしながら人より早く投資に関する感覚を身につけられたのも大きかったと思います。

このように、「自分のお金で大学に行くという選択」は苦しいことばかりではなく、その後の人生を長い目で見ればプラスになることもたくさんあります。

私は学生当時こそ両親の「学費を払わない」というぶっ飛んだ教育方針に疑問を感じていましたが、今となっては両親はそういう実体験を通した学びを私にさせたかったのではないかと思うようになり、むしろ感謝しています。

おわりに

今、金銭的な理由で進学や進級を諦めようとしている皆さん、「自分のお金で大学に行くという選択」にチャレンジしてみませんか?

今、金銭的な理由で”身体を売る”ことで進学・進級に必要なお金を賄おうとしている女子学生の皆さん、お金を賄う方法を変えてみませんか?

私の方法はたまたま運がよかっただけで、全部が全部皆さんが実行できるものではないかもしれません。ですが皆さんがどんな状況にあったとしても、切り抜ける方法は必ずあると信じています。

(私もまだ二十代の若造なので偉そうなことは言えませんが、)若いうちの悩みはその後の財産になります。悩んで悩んで、切り抜ける方法を脳がちぎれるまで考えてみてください。その際に、私の実体験が参考になれば幸いです。

悩める若者は、もし本当にどうしようもないと思ったら相談してください。
※Twitterもやっています。プロフのTwitterリンクから飛べます。

仕事がある中での個人での活動のため、捌ききれないことがあるかもしれません(なのでもし返信できなかったらごめんなさい)が、私も同じ経験をしている分、一緒に悩むくらいのことはできるかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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