家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった|ネタバレ感想
本noteは、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(#かぞかぞ)のネタバレを含む読書感想文です。
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』あらすじ
この本は、2023年5月にドラマ化が決定している人気作。
そして著者は、noteやツイッターで人気の岸田奈美さん。
そんな彼女の初の著書が、この『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(通称 #かぞかぞ )です。
ざっくりあらすじを語るなら、以下のような感じ。
こう書いてしまえばそれまでですが、このあらすじ以上にこころが揺さぶられる、なのにスナック感覚でサクッと読めてしまう、そんな本です。
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』感想
この本は、岸田さんと岸田さんの家族に起こった出来事がいくつも書かれています。
そのなかでもわたしが好きな「黄泉の国から戦士たちが帰ってきた」についての感想を書こうと思います。
「黄泉の国から戦士たちが帰ってきた」の感想
このエピソードを要約すると、「高級下着屋さんに行ったら2カップアップした」話です。
もうねー、おもしろいったらない。
冒頭から
という文体からでもわかる、タダモノではない感。
そんな彼女がモテる女にブラデリスニューヨークをすすめられ、3万円分のブラを買ってくる。そんな話。
いやいやいや。
お胸のお肉がお腹と背中に逃げていますっていわれて、集団疎開なんて言葉が浮かぶとか天才でしかない。
ところでこの集団疎開は、同じ女としてめちゃくちゃわかる話でもあった。
歳を重ねるごとにお胸のお肉は重力に逆らえず、それなのに脇やら背中やら二の腕やらはたくましくなっていく。
本来はお胸にいたはずのお肉、お胸にとどまらず逃げていく。
そうか、キミらは疎開しとったんやな……。
この文を読んで、わたしはしみじみとそう思った。
きっと歳を重ねるごとに戦況が悪くなっていってさらに疎開せざるをえないんだな、とわたしは思っている。
なお、おそらくこの戦に勝ち目はない。
それにしても、ブラデリスニューヨークという名は、このモテないわたしでも以前から知っていた。
もちろん、「バージスライン」という用語も履修済みである。
しかし憧れこそあるものの、お店に足を踏み入れたことは一度たりともない。
お高級だから。というのも理由のひとつだが、わたしのようなズボラ女にお高級ブラを取り扱えるわけがないのだ。
つまるところ、下着を手洗いするなんて絶対やれる自信がない。
普段は脱いだ下着をそのまま洗濯機にポイ。
パットがズレてようが、毛玉がついてようが、お構いなしに着てるのに。
そんなわたしがお高級ブラを丁重に扱えるわけがないじゃないか!
……でも待てよ? と、少し考え直すズボラ女。
本書内で、「手のひらにおさまるサイズのものはことごとく紛失」したり、「服を花火のように脱ぎ散らかし」たりすると書かれている岸田さん。
そんな人が愛用しているなら、わたしにもできるのでは?!(めちゃくちゃ失礼)
そうだきっとできる!やればできる子、YDKだ!!
と息巻いて店舗に行くものの、値段を見てやっぱり帰ってくるを1億回繰り返しています。
あー、非課税で5兆円ほしーーーーーーーー
そんな気持ちになった話でした(?)
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の著者情報
作者の岸田奈美さんは、兵庫県出身の作家さん。
自称「100文字で済むことを、2000文字で書く」作家さんです。
デビュー作の本作以降も本を出版されていて、
と、精力的に活動されています。
どれもサクサク読めるから、読書苦手な人にもオススメです。
言葉を選ばずいえば、令和版さくらももこ。
普段は漫画しか読まないけどさくらももこのエッセイはおもしろいよねーって人なら、どれも絶対楽しめます。
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を無料で読む方法
この本、実は、無料で読め……ません!
でも、無料で「聴く」ことはできます。
どういうことかというと、Amazonオーディブルで無料で聞けます。
オーディブルとはAmazonが提供しているサービスで、プロのナレーターや声優が朗読をしてくれる”聴く読書”です。
「通勤中や寝る前に手軽に読書できるのがいい。」
「オーディブルのおかげで苦手な読書が好きになった。」
という声があるとかないとか、あるとか。
無料期間中に退会すれば料金がかからないから、本書を読んでみたいと思ったら試しにどうぞ〜。
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