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2022年J2第24節水戸ホーリーホック-横浜FC「日常と非日常」

試合から2日経過してしまった。日曜日は試合の翌日で一日ブラブラするだけの時間。最近とは言ってもかなり前からだが、試合の翌日はアクティブレストといって疲労時に軽い負荷をかける方が疲労回復が早いと考えられている。日曜は試合の翌日で遠征に行っていたが、それでも少し体を動かした方がよいのだろう。ということでサボるのが常態化しているという話。

水戸の日常

さて、水戸である。横浜FCが最も対戦しているチームが水戸で、初めての対戦は1999年横浜FCが設立されて、特例措置で参入したJFL時代の対戦にまで遡る。(ちなみに、その試合で水戸のゴールを守っていたのが、本間幸司であり彼はこの日の試合もリザーブに登録されている。なぜ彼が横浜サポーターに人気なのかと言えば、こうした「腐れ縁」が根底にある。)

対戦成績が多いので、この日はもう何度目の水戸なのか忘れてしまった。水戸との対戦は、試合+観光といった感覚よりも、日帰り出張に行く位の感覚になっている。実際、水戸へは神奈川からだと各線使って上野まで向かい、そこから常磐線でほぼ一本。我が家からは片道3時間から4時間コース。特急を使っても、新幹線で名古屋に行くより時間がかかる。高速バスも東京駅~水戸線はあるがなんと事前予約なども出来ず、定員に達すると乗れないため正直使いにくい。泊まる程ではないけど、時間はかかる。
観光名所も弘道館(水戸城)、偕楽園、千波湖はもう行ったし、日立も筑波も笠間も桜川、霞ケ浦も行ったしなぁということで今回は、非日常ではなく日常でいいやと、スタジアム近くの岩盤浴で2時間体を整えることに。

リフレッシュしてスタジアムに歩いて向かう。まさに水戸サポ状態。

スタジアムの日常

アウェイに乗り込んだはいいが岩盤浴で汗を流してスタジアムとどことなくホームゲームの前に遊んでから行くこの微妙な日常感は好きである。
その一方で、スタジアムの中のことは非日常と言われる。普段日常生活でストレスだったり、辛いことがあっても、大声を出してストレス発散したり、選手のプレーを見て唸ったりといった行為は自宅や職場、学校では中々できない体験である。ところが、新型コロナの流行によって観戦スタイルは大きく制限を受けた。声を出しての応援やサポーター同士の身体的接触の禁止や座席も社会的距離の制限を受けた。非日常の世界の中に、日常生活が侵食していった。

非日常のスタジアムの中でも日常がある。この試合は、「声出し応援運営検証対象試合」に指定されており、限られたエリアの中で声を出しての応援が許された試合。無観客からアウェイ側無観客、間隔開けての座席指定となって、コロナの感染状況によって間隔なしのチケッティングも許可され、遂に声出し応援解禁にまで辿りついた。完全に解禁になった訳ではないが、2年ぶりにスタジアムに歓声が戻ってくる。スタジアムの日常が戻ってくる。

いつもの光景でチャントが響く。声出し応援を待ちわびていたサポーターにとって解放感は大きいものがある。2年半ぶりに歌われたチャントを知らないサポーターは初めてのメロディかもしれない。

水戸も気合が入っていて、クラブワールドカップで優勝するための第1歩とまでぶち上げている。現実はJ2で52回目の対戦通算55回目という、J2では日常と呼べる試合ではあった。もう少し言えば、以前のように水戸のゴール裏が流しそうめんしていたら、さらに日常感溢れる試合になっていたと思う。

誤算

ゲーム開始から攻勢に出るのは水戸。仙台戦、新潟戦と首位攻防戦を連勝した後だからこそ、重要になる試合だったが横浜の動きは重く水戸のプレスを受けてはボールを失う展開。
前半21分、水戸・後藤田のクロスに合わせた水戸・木下のヘディングシュートが決まり水戸が先制。前半23分頃まで横浜はシュートゼロで失点する屈辱的な展開だった。

ただ、この直後にあった飲水タイムから横浜に動きが戻る。中盤の和田、ハイネルがボールを持って前を向く機会が増えると形になってきた。
そして前半32分、水戸が低い位置からボールをつなごうとしたところを和田がカットしてそのままドリブルで前線に切れ込む。水戸DFはパスを出すのではとヤマを張っていたが、ドリブルで侵入する和田に意表を衝かれてバランスを崩して転倒。和田は難なくペナルティエリアに入り、水戸GK山口との1対1を制して横浜は同点に追いついた。和田の嬉しい誤算で横浜は前半でゲームを振り出しに戻した。

とりあえず…君は日本一のストライカーになりなさい

小川のゴールが生まれたのは、後半12分。ハイネルに代わって入った齋藤のパスを受けた中村拓のグランダーのパスを押し込んでゴールで1-2と逆転。左右のクロスでゴールを陥れるのは横浜の勝ちパターン。齋藤の意表を衝いた裏へのパスで勝負あった。

試合前に移籍報道が出た小川。最初がガンバ、そして次はベルギーのシント=トロイデン。ガンバは鈴木武蔵の加入でFWの続けての加入はなさそうだが、ベルギーはどうなるかわからない。海外に行きたいと思う選手はいるし、行くなら若い方がよいケースもあるだろう。小川は今年25歳そしてJ2で得点王を独走中である。勢いの良さは感じられるが、ここはJ1ではない。
良い選手はどんどん移籍した方がよいのは自分の考えだが、日本一のストライカーになってからでも遅くないと思う。色んな特徴を持った選手はいるが、センターFWとしてストライカーとして結果は残せているのだろうか。厳しいことを言えば、このゴールの直後に再び訪れたチャンスを決め切れないのでは、まだ日本一のストライカーではないだろう。
選手とすれば旬な時に移籍したいし、クラブとしたら高く売れる時に売れたらいいし、チームとしたらシーズン途中に主力選手が抜けるのは痛いし、サポーターとすれば裏切られた気もしてしまう。移籍はそれぞれの思いが交錯する。それらも含めて昇格争いやリーグ戦は面白いのだけれども。

セイコーマートとフェニックス

水戸は逆転されてから3枚替えで横浜に迫る。秋葉監督が「たった1つだけ俺の決断が遅れた」という様に、後手を踏んでしまった感じがあった。横浜も高橋を入れて守備を固めに入ったが、これは逆に少し早かったのか水戸の勢いを呼び込む形となり守勢に回ってしまった。ただ、守勢になりながらも高橋がセンターバックに入って亀川がサイドに回ると守備の安定感が出た。

横浜は最終的には、山谷と山下の快足の二人を入れてカウンターに割り切った。さらに追加点は奪えないが、水戸との消耗戦を制するところまできた。
後半アディショナルタイム4分、水戸にフリーキックのこぼれ球を押し込まれたかに見えたがオフサイドの判定で肝を冷やした。

試合はそのまま1-2で終了し横浜は首位を守った。勝ち点差1の2位新潟も勝利しており、引き分け以下では首位陥落していた展開。残り18試合常にタイトロープを渡る展開が続くのだろう。

グビグビとガラナを流し込む。茨城はセイコーマートの多い土地柄である。北海道だけだと思ったら大間違い。関東圏では他には埼玉しかなく、レアと言えばレア。むしろ水戸遠征で一番のお土産はセイコーマートで飲み食いしたことかもしれない。

ちなみに、セイコーマートのSECOMAの「O」に描かれている鳥はなーんだ。

セイコーマートも、フェニックスのように時代に合わせて変化しながら、永遠に繁栄はんえいするようにとの願いをこめて、シンボルマークに選びました。

セイコーマートって何?

そうかそうか。フェニックスはここにいたのか。少しずつではあるが、こうした声出し応援のテストを繰り返して、その結果を共有して問題ないことを公表しながらの夏になるのだろう。日常は戻りつつあるけど、まだまだ我慢の時期ともいえる。
首位でもまだまだわからない。今首位にいるだけだ。リーグ戦が終わった時にどうなっているか。J2降格して即J1昇格という非日常的な体験を味わいたいものだ。

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