「僕は間違っていない」を振りかざす人に会って我が身を振り返った話。
一昨日、美容院に行った。
前回、カラーがとても良き感じで、「この人、神」と思った美容師さんのところに、またカラーをしてもらいに行った。
神と思った理由などはこちら↓
美容師さんに「前回めちゃくちゃ好評でした」と伝えると「それはよかったです」と、ほんのり嬉しそうに答えてくれた。
彼は、美容師さんには珍しく口下手なタイプ。
でも個人的に、美容院とかエステでは、必要事項以外あまり話したくないので、彼のような人はとても助かる。
美容院でありがちな
「お仕事帰りですか〜?」
「お休みの日、何やってるんですか〜?」
「最近、僕、よく映画観るんですよ〜」
「うちの妹、今年受験生なんですよ〜」ってやつ、疲れるじゃん。
で。無口な彼に「前回と同じ色で」とお願いした。
ところが、安心してお任せして2時間半後、シャンプー台から帰って鏡を見ると、想像と違う髪色をした私がいた。
オーダーはミルクティー色のはずなのだけど、どう見ても暗い。
なんというか、濃いグレー的な色味になっていた。
思わず「ずいぶん濃い色ですね…」と言うと、美容師さんは即「前回と同じですよ」と答えた。
「そうですか」と答えたものの、多分私の顔が「え?そうか?暗くない?」を語ってしまっていたらしく、美容師さんはさらに続けた。
「ほんとに同じですよ。僕、間違えてないし、嘘ついてないです。騙そうとかしてませんよ」と。
いや、別に「騙してるでしょ!」なんて思ってない。
思ってないんだけどな…。
きっと、薬の配合は前回と同じなんだろう。
でも私の髪の状態なのか、置いた時間の長さなのか、理由は分からないけど、色が入りすぎちゃったんでしょう。多分。
それを正直には言えないだろうから、こういう返答になったのかもしれないけど、そんな言い方しなくてもなぁ。なんて思った。
でも実はその美容師さん、もう一件「そんな言い方しなくても」なことがあった。
それは、雑誌が読めるタブレットのこと。
カラーの待ち時間中に渡されたのだけど、dマガジンにログインしてなくて、全雑誌5ページしか読めない状態だった。
なので、その美容師さんに「申し訳ないのだけど、ログインしてもらっていいですか?読めなくて」とお願いした。
すると彼は「あれ?ほんとですか?ログインしたんだけどな」と言いつつ、ログインしてくれた。
そして、ブローも終わり、最後にタブレットを渡そうとした時のこと。
美容師さんが言った。
「僕、渡す前にちゃんとログインしたんですけどね。ログインのやり方も覚えてるし。毎回確認するんですけどね」と。
ん?なんだ?
この美容師さんは「自分が間違った」と思われるのが、すーごく嫌な子なのか?と思った。
別に私は、雑誌が読めさえすればなんでもよかった。
彼がログインしたと言うならしたんだろうし、何かしらの要因でまたログアウトしちゃったのかもしれないし。
「ログインせずに渡すなんて最低!」とか「普通、ログインしておくでしょ?(苦笑)」とか、あとなんだ?
「使えないタブレット渡すなんて、こいつ使えないなあ」とか?(笑)
そんなことは思ってない。
でも、そんな風に思われるのが嫌なのかなって。思った。
自分は絶対に間違えていない。それを主張したかったんだろうなって。
帰りに、次回の予約の話から、なぜか彼のインスタの話になった。
以前予約する時に、彼のインスタを見ていたのだけど、投稿数がすごく少なかったので「もっと事例があったら、助かるのに」みたいなことを言ったら「僕、写真すぐ消しちゃうんですよ。今の自分はこのスタイルやりたくないなって思ったら、全部消しちゃうんですよね」と彼は言った。
もしかしたら、ちょっと完璧主義なのかもしれない。
もっと楽に生きればいいのに。
でも帰り道に「他人は自分の鏡」という言葉を思い出し、
彼のそういうところが気になるってことは、私にもそういうところがあるということかもしれない…と思った。
確かに自分の「正当性」みたいなのを突き通すところはあるかもしれない。
「私は間違ってない」って、特に家族相手だと言ったりしてる気がする…。
人の振る舞いで気になる部分は、自分の中にあるところ。うむむ。
「私は正しい」を振りかざさないように、気をつけよう。
間違いはちゃんと認めよう。
うん。気をつけよう。
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