「映え」と「いいね」の数から解放されることにした話。
私はインスタグラムのアカウントを2つ持っている。
1つはカメラマンとしての仕事用のアカウント、もう1つはプライベートの旅や猫を載せるアカウント。
カメラマンとしての仕事(集客)を考えると、このインスタという存在は結構重要である。
なにしろ現代は、カメラマンが死ぬほどいる群雄割拠の時代。
いいカメラで撮れば大体よく撮れる。
業界用語でいうところのレッドオーシャン。
もうレッドオーシャンの中のレッドオーシャン。
海は血で染まり切った超レッドオーシャンである。
そのレッドオーシャンの中で生き抜くためには!
インスタを!育てないと!
…という思いに駆られ、インスタ集客を学ぶスクール的なものにサブスク登録したのは初夏の頃。
「誰に向かって何を届けたいのか考えろ」
「まずはアカウント設計をせよ」
「ストーリーは役に立つことを」
「リール動画は週に3本投稿!」
「パッと見た時のテイストが揃ってないとだめ」
「1秒でも長く滞在してもらう(見てもらう)ために1枚目が大事」
「リール動画!とにかくリール動画!」
みたいな言葉に踊らされてしまい、もう何を投稿したらいいのかが分からなくなってしまった。
それがカメラマンのアカウントだけならまだしも、プライベートのアカウントにまで影響が出てしまった。
それまでは、猫の写真や旅の写真、外で食べた美味しいものの写真や景色などを載せていたのだけど、ちょうどパリ旅の写真が続いた頃。
「これはこのまま旅の投稿を続けた方がいいのか」
「旅の情報が欲しくてフォローした人もいるかもしれないし」
「もう猫の投稿はしない方がいいのかも」
「美味しかったランチは情報として載せてもいいのかな」
「やっぱり何かのノウハウの方がいいのかな」
「文字とか入れる?」
「とりあえずリール動画…」
と悩んでしまった。
そこから「じゃあ旅の写真を」と思うけど、パリから帰って以降は猫さまのお世話でどこも行ってなくて。
「それならレストラン情報でも」と思うも「一眼レフで撮った写真がない!」「せっかくならリール動画が良いのか…」とか考えすぎて投稿できず。
「じゃあノウハウか?」って、もはや何のノウハウ投稿したらいいのよ…ってことで詰んだ。
でもよく考えたら、そのアカウントは別に仕事でもなんでもなく、そもそも、アカウント名にある「priv」はプライベートの略だし、「別にどんな写真を投稿してもいいんじゃないの?」と、やっと気づいたのである。
思い返せば、もともとは遠くに暮らす数人の友達とフォローしあって、近況報告のような目的で使っていたインスタグラム。
それがいつからか「映え」にこだわるようになって、フォロワーさんの数や「いいね」の数、さらにはアクセス数なんかも気になるようになり、気づけば「人に『良い』と思ってもらえるような写真を!投稿を!」がメインになり、さらには「人にもっと!見てもらうには!!」とよく分からないループにはまっていた。
でもよく考えたら、人に「良い」と思ってもらわなくても別にいいんじゃないだろうか。
ただ好きな写真を載せるだけの場所なんだから。
それに「映える写真」って大体みんな同じ雰囲気になりがちだし(最近だと花火の写真がみんな同じ写真だなって思う。あのカラフルでしゃーってやつ…って伝わる?)、そんな「映え写真競争」に参加してそれって楽しいのかな。とか思い始めた。
そんな時にたまたま見かけたのが、このXの投稿。
ああ、ふかわりょうさん。
なんて深いのでしょう。
そうなのよ。
自分がいいと思ったら良いのよ。
見知らぬ誰かのために、写真を撮るとかおかしな話なのよ。
人目を気にしすぎなのよ。
ということで、今後はアクセス数が伸びようが伸びまいが、フォロワーさんが増えようが減ろうがもう気にしない。
大好きな猫たちや美味しいごはん、綺麗だな思った景色、日常にこぼれる「好き」を拾い集めて載せていこうと決めた。
もちろんその中には映える写真もあると思う。(一応カメラマンなので)
でも、いかに映えるか!いいねが欲しい!という気持ちは封印して、もっと写真を撮ったり投稿するのを楽しみたいと思う。
ああ、世の中の流れに翻弄されちゃったなあ。
やれやれだなあ。
ちなみに、仕事用のアカウントはこちら。
こちらはね。
ちゃんと戦略立てないとねって思うんですよ。仕事だし。
「誰に向かって何を届けたいのか考えろ」
「まずはアカウント設計をせよ」
「ストーリーは役に立つことを」
「リール動画は週に3本投稿!」
「パッと見た時のテイストが揃ってないとだめ」
「1秒でも長く滞在してもらう(見てもらう)ために1枚目が大事」
「リール動画!とにかくリール動画!」
ああ…気が遠くなる…(白目)
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