続・「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い
【スキ御礼】「「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い」
前記事の「「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い」を書いたあと、妻にこの歌は「カナリヤ」も「枇杷の実」も月の色と同じ黄色で揃えられていることを話した。
そしたら妻からは、
「私もそう思っていたわよ。キネズミもそうでしょ。」
と言い返された。
「キネズミ?・・・・・・黄ネズミ!」
どうやら妻は、木ねずみ(リス)のことを、ピカチュウみたいに黄色いネズミと思っていたらしい。*
笑い話で終わったが、後になって、あながち無関係な話でもないと思えてきた。
「ゆりかごのうた」の着想は、マザーグースの原典の挿絵にある「揺り籠」と「木ねずみ(リス)」ではないかということは述べた。
色彩表現を得意とするた白秋は、それを起点に全体の色のテーマを決めたのではないか。
「キネズミ」の「キ」から黄色をテーマにしようとしたのではないかと。
詩では、第1連の「カ(a)ナリヤ」のあと、「枇(i)杷の実」、「木(i)ねずみ」、「黄(i)色い月」まで(i)音が3回つづく。
「木ねずみ」は黄色ではないが、詩の中ではkiの音が、あとの「黄色い月」のkiにつなぐ役割を果たしている。
「木ねずみ」を「黄ねずみ」と思わせるほど巧みに韻と色の構成が仕組まれているのである。
*ピカチュウの原型はネズミではなくリスだという話も聞いた.
☆「ゆりかごのうた」の宇宙アレンジです。大橋ちよ さんの記事・演奏です。ご紹介します。
(岡田 耕)
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