見出し画像

不登校はお金がかかる

こんにちは青楓館高等学院の岡内です。

「教育の無償化」が東京都で独自に執行されたり、兵庫県が国公立の大学の無償化を進めていたり、教育業界は無償化に進む傾向にあります。

個人的にはとても素敵なことだと思う反面。とても怖い一面もある施策だと思っています。なぜなら不十分だからです。

具体的な理由はこの後お話していきますが、結論このような最悪の展開になる可能性があると思います。


 不登校はお金がかかる

 ↓

教育にお金をかけられない層が、
不登校になった我が子の支援に苦しむ

「不登校は悪」だという認識がより進む

僕は(私は)普通じゃないんだ。と
学校に行けないことで自尊心が0になる生徒が増える

若者の自己肯定感の低下
自殺率の向上、無気力の子供の増加など
社会問題が加速する


過度な表現に感じるかもしれませんが、「教育の無償化」を今の不十分なままで出し続けていると、このような事態になると危惧しております。煽りでもなんでもなく、ただただ心配しています。


一人でも多くのご家庭を救えるためにこのnoteを書いております。よろしければこのままご覧ください。


教育の無償化が不十分なわけ


東京都の施策を見ていきます。大前提、素晴らしい施策です。

  • 世帯年収の制限なし

  • 保護者が都内に住んでいることで、都外の私立高校に通っても対象

  • 上限は47万円(平均授業料相当)

この影響で高校に進学することへのハードルが下がったご家庭も多いと思います。「世帯年収の制限なし」が今回出された施策で一番の価値だと個人的には考えております。

ただ、「上限は47万円」に教育関係者としては少し不安を感じます。


基本、年間100万円ほどかかるものだからです。


参照:ベネッセさんの記事

このように授業料は確かに約47万円。でもそれ以外にかかる金額が含まれていないんです…。

例えば

  • 制服代

  • 修学旅行代

  • スタサプなどITツール

どれらも学校によって学費にオンされるかどうか変わりますが、おそらく年間100万円ほどにはなります。(私立の話です)


ちなみに、医学部だと年間300万円。
インターナショナルスクールとかでも年間200万ほどかかります。

(※医学部は大学の話ですね…。混在してすみません)
(※ボーディングスクールでは年間1000万円なんて所も)


他にも、年間100万円を超える学校はたくさんあります。

参照:ベネッセさんの記事

通信制高校の場合でも、大体100万円を超えます。


これ、100万円超えていることを非難したい訳ではなく。いい教育を届けようとしたら、学費が高くなるのは当たり前。47万円の学費で指導が成り立つ学校はほとんどない。ってことを主張したいです。


それに少子化の影響もあり、どの学校も生徒の取り合いに真剣です。


  • うちの学校ではメタバースで授業が受けられるよ〜

  • ネイティブな先生が英語を教えてくれるよ〜

  • 部活が盛んだよ〜


と、特徴を出して生徒集客を図っている訳ですが、これにお金がかからないわけがないんです。


もっというと、「教員の働き方」が社会問題となっている中。


  • 労働時間を減らす = 新しい雇用が必要

  • 人が辞めていく  = 給料を上げ続けないといけない


このように、学校経営側は学費を上げざるを得ない状況なんです。



誤解を恐れず発言させていただくと。学校教育は変わる必要があり、そのために授業料を抑えることを学校経営側は考えづらいのです。だからこそ国からの補助があると家庭を支援できるので東京都の施策は素晴らしい施策です。


ですが、「教育の無償化」という強い表現をしていると、現実とのギャップと、学校現場の疲弊がより進む可能性がある。のではないかと危惧しております。


(偉い人がこれを見たら激怒されそうで、すんごい心配です)
(ちゃんと改善案あるので、最後まで見てほしい…)


さて本題です。


「不登校はお金がかかる」わけ


教育の無償化が進む中、不登校の生徒はその恩恵を受けづらい環境にあると感じております。


現在、一番お金をかけない教育方法は全て国公立への進学です。経済的に苦しいご家庭なら、、

「うちは私立に行かせるお金はないから、公立に行ってね」

そんな会話をしている親子も少なくないと思います。


この会話をする中で、子供はこう思います。


「親にこれ以上負担をかけるわけには行かない」
「なんとか公立に行かなくては…」


素敵な親子のやりとりにも感じますが、もしこのような状況で子供が不登校になったら?


子供 :「親に負担をかけさせてしまった….」

保護者:「この子にあった教育をしてくれる学校へ送り出さなければ」
    (なんとかするしかないけど、経済的にはキツイ…)


保護者も、我が子が幸せになってほしい一心ですから、子供に対して当たることはなくても、経済的にキツくなるのは事実だと思います。つまり、冒頭のような構図になります。


教育にお金をかけられない層が、
不登校になった我が子の支援に苦しむ

「不登校は悪」だという認識がより進む

僕は(私は)普通じゃないんだ。と
学校に行けないことで自尊心が0になる生徒が増える

若者の自己肯定感の低下
自殺率の向上、無気力の子供の増加など
社会問題が加速する


このように「公立だったら(順当にいけば)無料だったのに」と、公立との比較が脳裏に少しでもあると「不登校=悪」が根本から消えることは難しいでしょう。


実際に、私たちのところに相談にきたご家庭でも


「急に娘が不登校になっちゃってね…
まさか、こうなると思っていなくって…」


まるで病気か、なにか、に罹ったかのように…。このように言われるケースがあります。子供に直接的な発言をしていないとしても、心は「不登校=悪」だと思っている。結果、子供が苦しむ構図です。


不登校になった = 余分にお金がかかる
        = 何でこうなったのだと”何か”を責める

        = 結果、子供が苦しむ


※補足
もちろん、公立の通信制高校も存在しますが、活用している生徒は年々減少傾向にあります。(これが何を意図しているのか、全て憶測になるので直接的な表現は避けます)


公立の通信制高校の生徒数は減少している
参照:文科省のデータ


さらに、不登校の場合

  • フリースクール代(約月2~5万円 ※小学〜中学生が対象)

  • 個別指導塾(月5万〜10万円)

  • 病院の診察

など、全て「任意」ですがお金がかかりやすいのは否めません。


「教育の無償化」という言葉が一人歩きすればするほど、「不登校=悪」の構図が進むようで心配です。


不登校になると人生終わりなのか?


  • 不登校になってしまった…。

  • まさか、我が子が不登校になるなんて…。

このような発言からも読み取れるように、「不登校=悪」という構図はなかなかに根深そうです。


でも、不登校になったら人生終わりなんでしょうか??


声を大にして言いたいのが、【そんなワケがない】ってこと。不登校になったかどうかは、ただの「個性」であり、無限の可能性に溢れていると確信しています。


実際に、元不登校経験者でとんでもない成果をあげた人を何人も知っています。有名どころでいうとCAMPFIREの家入一真さん。29歳の時にジャスダック市場へ最年少で上場した敏腕起業家ですが、ウィキペディアにも不登校だったことが書かれています。

参照:ウィキペディア


僕の教え子にも、いじめを経験した生徒がいます。いじめられていたことで引きこもっていましたが、僕らとの面談を通して、いじめられていた経験を武器に変えられると気付きます。

いじめられていたからこそ、いじめられっ子の気持ちがわかる。「そんな僕だからこそ、スクールカウンセラーになっていじめられっ子に寄り添いたいんだ」と言い、無事AO入試で大学にも合格しました。


他にもたくさんあります。当校の生徒も7割ほどは元不登校経験者ですが、めちゃくちゃ大活躍しています。話し出すと止まらないので、興味ある方はぜひこちらの記事もご覧ください。


実体験として不登校経験者に関わってきたからこそ、不登校になったかどうかは、ただの「個性」であり、無限の可能性に溢れていると確信しています。


悪いのは、「不登校=悪」という世間体です。


さて、ここからがクライマックスです。改善案のご提案をさせていただきます。


余談:
他にも、不登校経験から幸せに暮らしている人も多いと思います。一方、「今」に悩んでいる生徒も多いので、「不登校経験者だけど、自分は(あの人は)すごく楽しそうにしているよ!」と呼びかけしてあげてください。きっと彼らの励みになります。


「不登校=個性」であり…


前置きが大変長くなりましたが、


不登校はお金がかかる。が、「不登校=人生が終わる」訳でない



教育の無償化と言っているけど、完全な無償化ではない

つまり、
教育自体にそもそもお金はかかるもの



不登校だからお金がかかる訳ではない



だから「不登校=悪」という
概念を根本から消そうよ


このことを主張したいです。


国が教育の無償化に進んでいることは素晴らしい。でも「教育の無償化」だけが一人歩きしてしまうと「不登校=悪」が助長されてしまうので、このnoteを書きました。長々とすみません…。


一方、青楓館高等学院は?


当校は株式会社立の通信制サポート校です。そのため、国からの補助だけでは経営が成り立ちません。

その中で、年間の学費を60万円にしています。もちろん安くない金額ですが、この学費で「毎週、教員との1対1の面談」「受験サポート」「その他コンテンツ盛りだくさん」と他校が真似できないレベルの価格で価値提供できていると自負しております。

※年間60万円に加えて、年間25万円ほど通信制高校代金が別途かかります。助成金対象なので、ほぼほぼ支払いは数万円に落ち着きます。


この60万円にしたのには理由があります。経営を行うために必要な最低金額であることは間違いないんですが、それ以上に、【月で均すと5万円】という額が理由です。


月5万円だと、バイトをしたら正直稼げなくない金額です。通信制だからこそ、日中の時間も自由に使いやすいですし、月5万円の価格帯はかなりベストだと思っています。

また、「インターン斡旋」も独自で行っています。月5万円は社会勉強をしながら、稼ぐことが可能です。


さらに、楓杯という成果報告会では「優秀者(×3名)には20万円の留学支援金」が出る仕組みをとっています。初年度からこの金額を渡せたので、来年以降はより支援の金額が増えるようにしていきたいですね。

※パートナー企業様のご支援で成り立っているモデルです。いつも支えてくださりありがとうございます。


このように【頑張れば報われる仕組み】を用意することで、間接的な教育の無償化を内製化しています。


まとめ


当校の話は余談でしたが、教育の無償化が進む中だからこそ「不登校=悪」という概念をなくすための仕組みについてお伝えさせていただきました。


このnoteがきっかけで、一人でも多くのご家庭を救えることを願っております。最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。


▼このnoteを書いた人
青楓館高等学院 代表 岡内大晟

HP   :https://seifukan-gakuin.com/
Twitter :https://twitter.com/okauchi_kyoiku
Instagram:https://www.instagram.com/okauchi_taisei/
















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?