見出し画像

時空の歪み?

すっかり忘れていたのに、最近になって何故か思い出した、子どもの頃の不思議な体験。

小学校の1年か2年のときだった気がします。ちょうど自分の子の今の年齢と同じ頃ですね。

朝、学校に向かって歩いていたときの出来事です。
道を挟んで、手前が川で、向こう側が田んぼという場所に、信号もない短い横断歩道がありました。その横断歩道を渡りはじめたときに、不意につまずいてしまいました。

つまずいたその瞬間に、突如スイッチが入ったかのように、時間の流れ方が切り替わり、スローモーション・コマ送り状態が始まったのです。いきなり3倍ぐらい伸びたかのように、極端にゆっくりと流れる時間。本来つまずいたら、もう次の瞬間にはドテッと倒れるなりしているはずのところを、“倒れそう”の段階で1分間近くあったように思いました。
その間に私の頭のなかを駆け巡ったことは・・・

いま車が来てしまったらどうしよう。轢かれてしまうよ、やばいよ。

前のめりに勢いがついているし、傾斜になっている(田んぼ側が少し低い)し、ランドセルの重みにも引っ張られるから、このまま地面に落ちると、ザザーッと前方に滑って擦りむいてしまう。倒れないように体勢を立て直さないと。

このままの体勢でこけたら、どこに怪我をする?あご?ひざ?腕?手の平?顔を擦り剥かないように手を着いたほうがいい?でも手を痛めてしまうかも。

ランドセルは確かしっかり閉めていたはず。留め金が外れて開いたりしないよね?もし開いたら中身が飛び出して散乱して、大変なことになってしまう。

反動で手提げかばんが投げ出されてしまうだろうな。手放さず掴んだままでいられるかな?かばんが後ろに飛んだら、川に落ちてしまうかも?どうしよう。なるべく遠くに飛ばさないように頑張らないと。前の田んぼまでは距離があるから、前に飛んだ場合はだぶん大丈夫だろう。

倒れないように、急いで足を前に出してバランスを取らないと・・・足出せるかな?

・・・と、これだけたくさんのことを一度に考えていました。

ヨロッ…おっとっ…とっ……と……と… ヨロッ……

ドサッと地面に落ちた衝撃、地面に接触した感触とともに、再びもとの時間の流れ方に戻りました。

「なんだ。結局こけちゃったんだ・・・。せっかく時間の猶予があったのに。」と思いました。

この間、現実にはどれぐらいの時間が経過していたのかは、今だに分からないままです。体感的には1分近くあったのでは?という感覚でしたが、常識的に考えて、つまずいてから転ぶまでの時間が、そんなに長いはずがないですよね。

その時は、一緒に登校中だった兄がそばにおり、倒れた時点で初めて「どうしたの?」という兄の声が聞こえてきました。この「どうしたの?」は、「どうして何も無い所でいきなりこけちゃったの?」なのか、「いきなり、とっとっと…て何を一人で踊ってたの?」なのか、どっちの意味なんだろう?兄から見れば、つまずいてこけたという一瞬の出来事に過ぎないのか、それとも、兄から見ても、しばらくあたふたやっている状態だったんだろうか、なんてことを考えながらも、そんなことは何だか口に出せないまま、聞けずにその場が終わってしまいました。

結局ケガはしたのかしなかったのか、小さい擦り傷程度だったか、そこは記憶にありません。でも大したことはなかったはずです。荷物もすべて無事でした。車もその間は1台も来なかったので助かりました。

結局あの出来事は何だったんだろう・・・・・・。
後にも先にもこんなことはなく、この時一回限りの経験です。
同じような経験をされている方いませんか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?