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10年間の教員人生[退職エントリ]

本日2022年3月11日は教員として教壇にたつ事が最後の日となりました!
ちょうど10年間、工業高校の教員としての職務を終え、達成感でいっぱいです!今教員で転職を考えている方、これから教員を目指したい方にはもちろん、教員という世界に全く無縁な方にも、一人の人間が教育に向き合って学べた事や転職に至った経緯を見て何か感じとってもらえたら幸いです。

教員になった理由

自分は小学校、中学校、高校、大学のどの段階でも非常に出会う人たちに恵まれ、友達はもちろん、教職員や、学校環境でとても楽しく過ごさせていただき、本当に学校生活では恵まれた生活を送らせていただきました。
またそんな体験から物心ついた時から教員になりたいと思っていました。

"こんな楽しい毎日を、お金をもらえて過ごせたら最高じゃん!!"

と思い、小学校では小学校の教員に、中学校では中学校の教員になりたいと思っていました。そんな学校生活を送る中で高校では初めてものづくりに触れました。
元々理科の実験や技術の時間など手を動かしたり、何か作る事が好きでしたので、特に実習がある曜日は楽しみで仕方がなかったのを覚えています。
そして大学へ進学し、念願の教員になりました。運良く、電気は採用試験1回目で合格し、一生この仕事で人生謳歌していくぞと思った事を今でも覚えています。

教員になって

念願の教員になり、初めての勤務先が母校でもあった為、様々な先生方からアドバイスをいただきました。今でも覚えている言葉がいくつかありますので少しご紹介させてください。

・生徒から見たら今日から俺もお前も教員なんだ。それだけは覚えておきなよ。
・教育に正解はないが少なくても自分の子どもにも受験させたいと思えるクラス運営や学校つくりをする事が大事。
・2年や3年働いて毎日"すみません"って言いながら働きたくなかったら、1年目でしこたま頭下げて学んだ方がいいぞ。
・教えるってなんか烏滸がましいよね。俺は好きになってくれたらうれしいなーと思って指導に当たってるよ。

色々角度によっては厳しく見えたり、何言ってんの?と感じるかもしれませんが、少なくとも当時の自分に叱咤激励のつもりでいただいた言葉で、自分には非常にありがたいなと感じました。

特に"どうしてもこれを教えたいんだ"とか"教育とはこうべきだ"みたいなものが自分にはなく、ただ自分が好きなものづくりと、部活動を通して一緒に楽しい時間を過ごす中で少しでも本当に興味をもってくれる人が一人でも増えたらうれしいなぐらいだったので、"教えるってなんか烏滸がましいよね。"と言われてこんな教員もいるのか!!と驚きました。

教員人生では部活動では全国大会(IH)での団体優勝、教育研究では評価観点に関する研究をし、教育指定事業で発表させていただき、ものづくりでは様々な製造業さまと連携した開発やものづくりを生徒と共にさせていただき本当に充実した教員人生を歩ませていただきました!

学んだこと

上記をみると順風満帆に見えるかもしれませんがわりとそうでもない時期もありました。部活動で実績を残したり、教育研究に選ばれたりするととても妬まれ、時に心無い言葉をいただくこともありました。
しかし学びもありました。実は心無い言葉をいう人はごく少数でした。
声が大きい人を見るのではなく、人数を見ることも大事だと学びました。

反対に、学校長や教育委員会からはよく労いの言葉をいただいたり、生徒や保護者からは信頼を得られていく様子をヒシヒシと感じました。
教員の世界も実績次第でどんどん仕事がしやすくなるのだなーということも同時に学びました。

またビックリする生徒とにもたくさん出会いました。
半分ぐらい学校にはいないけどサッカーのプロ契約している生徒
教員受けは悪いが、スケートボードに乗ったら高校生一の生徒
部活に入ってはいないがスクワット260kgする生徒
頭髪で毎回注意されるがタイピングのクソ早い生徒
コミュニケーションが上手くできないと言われているが、GASで市町村の小中学校向けに教材作る生徒
ライブ配信でアルバイトしている生徒
SNSのフォロワーが6万人んぐらいいる生徒
そんな生徒たちを見るたびに、本当にすごいなーっと。リスペクトに年齢関係なくたくさんいること、ひたむきになにかに頑張っている人を見ると自分も頑張らないとなと刺激を受けることはもちろん、特に取り柄もなく悩んでいる生徒の話を聞くと大人も高校生も同じ悩みがあるんだなと共感することなど本当に非常に多くの事を生徒からも学べるなと感じました。
(特に自分が要領が良くない分、同じタイプの生徒をみるとわかるわーというのと同時に、この部分は他人からこうみられているのかーなど学びになった)

その他にも書ききれないぐらいたくさんの事を生徒から学びました。

教育以外への興味

仕事だけでなく、教員や生徒などからも沢山の事を学ばせていただきました。また様々なやりたかったことも達成でき、いよいよ次は何をしようかと考えた時、やはりもっとものを作れる人になりたいなと思いました。
教員は本当になりたい職業で、本当に楽しかったです。しかし、もっと自分が成長できるような環境や、もっとものづくりを通して人に何かインパクトを与えられる仕事がしたいと思った時に、教員にこだわる必要がないなとも感じてしまいました。
単に教員よりもっとやりたい仕事ができたので転職しようと思いました!
ですので本当にネガティブな内容はなく、非常に前向きな退職です!

最後に

声が大きいだけでなく冷静に見る事が必要な事。
実績は信用につながる事。
年齢関係なく誰からも学べるという事。
高校生も教員も同じ悩みを
角度によって常に学べる事。
学びとは非常に柔軟的で自由なものだという事。
本当に色んな事を学びました。
また対人の仕事なので非常に毎日が新鮮で刺激のある仕事だと思います!

これから教員になる方達へ。
色んな思いがあり、目指している事だろうと思います!本当に応援しています!自分も10年間携わらせていただきましたが本当に楽しかったです!
しかし、どうか対人である仕事であり、教育に正解はない事を念頭に、柔軟的な対応を心がけていただければと思います!

また転職を考えている方へ。
転職は悪いものではないです。むしろ色んな事を体験する事で人間の幅は広がると思います。しかし次の仕事が本当にしたい事なのかは少し整理する必要はあるかもしれません。それでもやりたいと思えるなら迷わず転職した方がいいと思います!その後また、教員になりたければ教員になればいいと思いますし^^
しかし、年齢にもよりますが、教員のスキルが民間で活かせる事はあまり多くないかもしれません。ですが準備をして、何度もチャレンジすることで転職する事は必ずできると思っています!教員採用試験を乗り越えた先生方ならコツコツ積み上げて何度もチャレンジできると思っていますので!!新しい門出を応援しています!

最後に、本当に10年間ありがとうございました。
何度も言いますが、本当にいい職場にめぐまれ、いい人生を送らせていただきました。またこんな自分に何度も色んなチャンスを与えていただき、全力で打ち込める環境を作っていただいた仲間のみなさん本当にありがとうございました!

次はエンジニア人生となりますが、引き続きチャレンジ精神を持って仕事を楽しんでいきたいと思います!

PS.もし教員の方やこれから目指す方でなにか相談したいことがある時はTwitterでDMでもしていただければと思います。

訂正と抱負

教員のスキルが民間で活かせる事はあまり多くないかもしれません。

と書きましたが、よくよく思い返すと面接で以下のような評価を何度かいただきました。

・40人を束ねるクラス運営はゆくゆくチームでのプロジェクトを牽引してくれる期待ができる。
・教材研究を日頃からしているので、常に学ぶ姿勢という観点では成長を期待できる。
・コミュニケーションがしっかり取れている。
・技術だけでなく、対人や、新人教育などでも活躍してくれそう。
・スポーツの分野だけでなく教育研究も発表されたとの事で会社でも幅広く活躍してくれそう。

面接をすることで自分でも気づかなかった部分を引き出していただきました。教員って常に対生徒なので他者への変化などは敏感に気付く事には長けていると思いますが、自分のことになるとさっぱりという人は多いと思います。(自分も常に気をつけたいです)面接を通して気付きを得られることも沢山あると思いますのでまずは一歩踏み出してみる事をおすすめします!
わりと企業でも活躍できる場があるのか?と少し自信にもなりました!
どの業界でも正しい方向へ努力する事ができればある程度の結果はついてくることは変わりなさそうなのでまずは"正しい努力の方向"を探ってみたいと思います!

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