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【2023年共通テスト】「英語」で悩むすべての高校生へ贈る必勝法

私はスタディーハッカーという会社を経営しています。2010年に予備校を立ち上げて以来、10年以上、英語学習のノウハウをためてきました。

今回は、センター試験の代わりとして2021年から導入された「共通テスト」の英語問題を分析します。さらに対策のための具体的なトレーニング法もお教えします。

このnoteの内容を実践すれば、今回の共通テストには完全に対応できます。しかも根本的な「英語の捉え方」から変わるので、英語の勉強にかかる負荷がすごく少なくなるんです。

受験を控える高校生には、絶対に知っておいてほしい情報です。

では、解説していきます。

問題が変わったなら、戦略も変えないといけない

※この項目では「共通テストの変更点」を解説しています。そんなのはいいから早くトレーニング法が知りたい! という方は、「戦略を考えるために、ゴールを分解する」まで読み飛ばしてくださいね。

2021年からセンター試験が廃止され、新しく「共通テスト」が始まりました。

まず、いちばん大きく変わったのは配点です。

これまでのセンター試験では、リーディングが200点、リスニングが50点でした。それがリーディング100点、リスニング100点になりました。配分が一対一になった。これは、かなり思い切った変化です。

あとは、リーディングの語数が1000語ぐらい増えています。つまり「速読力」が求められる。この二つが大きな変化です。

「ゴール」であるテストの形式が変わったのなら、本当はそこに向かうまでの「プロセス」も変わらないといけません。

しかし、多くの塾や学校では対策が追いついていないのが現状なんです。

ある生徒さんは、学校で「リスニング対策はどうすればいいですか」と聞いたら「CDを聞いておけ」と言われたそうです。「早く読むには、急いで読んだらいいよ」と言われたという子もいました。

そんな付け焼き刃では、変化した試験には対応できません。もっと根本的な戦略を変える必要があるのです。

今回の変化をひとことで言うなら「知識からスキルへ」です。

これまでの「受験英語」で主に求められたのは「知識」でした。単語の暗記や文法などの知識が英語の基礎ですから、それらが重要であることは当然です。

ですが、これまでの試験では「基礎的な知識」を身につけたあとに「より高度で難解な知識」を重ねることが求められていました。

それが今回の変化で、基礎的な知識を得たあとに「その知識を上手に使えるかどうか」が問われるようになりました。具体的には、処理のスピードや正確さなどの「スキル」が求められるようになったのです。

求められるものが変わったのなら、当然、対策もこれまでと同じではいけません。知識には「勉強」が、スキルには「トレーニング」が必要です。

つまり対策法を「勉強」から「トレーニング」に変える必要があるのです。

みんな、英語は「勉強するもの」だと思っています。最初はたしかに勉強が必要です。でも、ある程度勉強して知識を得たら、次は「練習」がめちゃくちゃ大事になってきます。

英語は体育と同じ「実技科目」です。

筋トレで、トレーニング方法を見て「なるほど」と思うだけでは、一ミリも筋肉はつきませんよね。画期的なトレーニング方法や、画期的な筋トレ理論を学んでも、実際にやらないと意味がありません。

それと同じで、英語の豆知識の動画を二時間ぐらい見て「あ~今日も二時間勉強したな」と満足してしまったら、絶対に成績は上がらないわけです。「英語を聞く」「すばやく読む」ということは「実技」です。今回の共通テストでは、その「実技」色がすごく色濃く出てきました。

だから、知識を蓄えるための「勉強」だけではなく、筋肉をつけるための「トレーニング」が必要になっているのです。

【まとめ】共通テストでなにが変わったのか?
①求められるものが「知識」から「スキル」になった。
②それにともなって、対策を「勉強」から「トレーニング」に変えないといけない。

ここまではいいでしょうか? では、いよいよ具体的にどのような戦略を立てて、トレーニングをしていけばいいのか説明します。

戦略的に勉強するために、ゴールを分解しよう

成果をあげるには、戦略的に勉強しないといけません。

ただ漠然と「英語ができるようになりたい」「点数が取れるようになりたい」というだけでは、具体的にどこが課題なのかわかりません。課題がわからなければ、解決策もわからないので、できるようになりません。

そのために、まずはゴールを分解します。

ゴールとして「なりたい姿」があるのなら、そこに至るまでのステップを細かく分解して、それぞれのステップごとに解決策をあてはめていく必要があるのです。

まずはリスニングです。

リスニング対策のゴールは「リスニングができるようになること」です。リスニングとはなにかというと、聞くことです。そういうと「リスニングは英語を聞くことだから、とにかくCDを聞けばいけるんじゃないか」と思ってしまう人もいます。

でも、それでは結果は出ません。もっと細かく分解しましょう。

「聞くこと」を分解すると、まず最初に「音をとる」というステップがあります。個々の単語の音が聞きとれていなかったら、なにもはじまりません。「音が聞きとれない」という課題を自覚している人は多いものです。でも、リスニングはそれで終わりではありません。

その次にあるのが「内容を理解する」というステップです。音を聞いて「あっ、こんな単語を言ってる」ということだけがわかっても、文章全体の意味がわからなかったら点数はとれませんよね。

つまりリスニングとは、「音の処理」と「意味の処理」の統合的なスキルなのです。

聞き取れないのは「速いから」ではない

ここまでが大枠です。じゃあ、音を聞きとるにはどうすればいいのかを話します。

リスニングができない人は、よくこのように言います。

「音が速すぎて、なにを言ってるかわからないんです」

でも実は、聞きとれないのは「速い」からではないんです。実際は「ネイティブが話している音やリズム」と、「われわれが思っている英語の音」が違うのです。

英語には、極端に弱く読んだり、極端に短く読んだり、音をくっつけたりする「音声変化」というものがあります。

たとえば「I have to go to school」という音声があるとします。これを一単語ずつ「アイ ハフ トゥ ゴー トゥー スクール」と言われれば、みんな普通に聞きとれるでしょう。

しかし「I have to go to school」のネイティブの発音が、実際にどう聞こえるかというと「アハフタゴルスコゥ」ぐらいの感じです。これには「音声変化」がいろいろ入っているのです。(あくまでカタカナで無理矢理書くと、こんなかんじということです)

「アイ ハフ トゥ ゴー トゥー スクール」をものすごく速く言っているから「アハフタゴルスコゥ」になっているわけではありません。
そもそも「アハフタゴルスコゥ」と言っているんです。

ネイティブは、文字の通りには発音していない。これが超大事な前提です。

ここがわかっていないと、いくらリスニングのCDを聞いて「ネイティブのスピードに慣れよう!」と思っても、一生聞きとれるようにはなりません。

ここまで読んでも、まだ0点です

さらに大事なことがあります。

ここまで読んで「へえ、そもそも文字のとおりには発音していないんだな。おもしろいな」と思っただけでは、まだ1点も取れていないということです。ここ、めちゃくちゃ大事なところです。知識だけでは、なんの意味もない。

「音声変化」というのは、英語の「知識」です。これを知ることはもちろん大事です。でも、これだけではただの「英語ものしり」です。ここから点数に結びつけるためには「トレーニング」が必要です。「自分はどの音声変化が聞きとれないのか」を知って、克服していかないといけないんです。

先ほども言いましたが、英語は「実技科目」です。

「画期的な筋トレの知識」だけでは、筋肉は1ミリもつきません。知識のつぎに「トレーニング」をおこなってはじめて、実践的な英語力が身につくのです。

てきとうにトレーニング法を選んでいないか?

予備校に行くと「文法強化セミナー」「リスニング特化コース」など、いろんなトレーニングの選択肢があります。本屋に行くと、いろいろな参考書が置いてあります。

その中から、どうやってトレーニング法を選んでいますか? 戦略をきちんと立てていないと、適当に選ぶことになるんです。「なんかよさそう」みたいな感じで。それは、薬局に行って「なんかよさそう」で薬を選んでいるのと一緒です。

「最強のメソッドでなんとか一発逆転したい」なんて気持ちになるのもわかります。そのメソッド自体には効果があると思います。優秀な先生方が考えた超すごいメソッドです。でもメソッドはお薬と一緒です。そもそもその薬が効く病気でなかったら意味がないんです。

だから「課題発見」がすごく大切です。ここをすっ飛ばすと、がんばっても意味がなくなってしまいます。自分のかかえる「課題=病気」がなにかわかれば、「トレーニング方法=お薬」は自動的に決まるんです。

書けないものは聞けない。「聞きとる」ためのトレーニング①

では、リスニング対策のつづきに戻りましょう。

「音が聞きとれない」問題を解決するために必要なトレーニングは「ディクテーション」です。ディクテーションとは、音源を聞いて、その英文を書きとるトレーニングです。

先ほどの「I have to go to school」なら、「アハフタゴルスコゥ」と言っているネイティブの音源を聞きとって、ノートに「I have to go to school」と書くのです。

ただ、「書ければOK」というわけではありません。このトレーニングの肝は「書けないところを見つける」ことです。

要するに「書けなかったところ=聞けなかったところ」なんです。

「自分はどこが聞けないのか」を明確にするのがディクテーションです。聞けなかったところをもう一度聞いて、なぜそんな音になるのかを把握する。そうすると、だんだんネイティブの音が聞きとれるようになります。

言えるものは聞ける。「聞きとる」ためのトレーニング②

それができたら、次にするのが「オーバーラッピング」というトレーニングです。

オーバーラッピングというのは、「英語の音源を再生すると同時に、自分もその英語をしゃべる」トレーニングです。音源に重ねて発音するんです。

先ほどの「I have to go to school」なら、ネイティブの音声を聞きながら「アハフタゴルスコゥ」と発音する。すると、文字通りに「アイ ハフ トゥ ゴー トゥー スクール」と言っていたら、絶対に音声に置いていかれてしまうはずです。

それもそのはず。「アイ ハフ トゥ ゴー トゥー スクール」は、「アハフタゴルスコゥ」よりも尺が長いからです。目標は、音声と同時にしゃべりはじめて、音声と同時にしゃべり終わることです。それができたら、もう音声処理ができるようになっています。

人間の耳は、自分で言える音のほうが聞きやすくできています。

言える音は聞きやすい。だから自分で言えるようになると、それが聞けるようになってきます。言えなくても聞けることもあるのですが、それはけっこうアクロバティックなんです。

発音練習は、かっこよく発音するためにあるわけではありません。発音練習はリスニングのためにやるものです。そこを理解しましょう。

まとめると、リスニングの第一段階である「音を聞きとる」には、ディクテーションとオーバーラッピングがすごく効くということです。

読めないものは聞けない。「意味を理解する」ためのトレーニング

音が聞き取れるようになったら、次は意味の処理です。

ここでやらないといけないのは、リーディングです。

「リスニングなのに、ここでリーディングって何?」と思うかもしれません。でも、よく考えたら、読んでもよく意味がわからないのに、聞くときだけなぜか理解できる……なんてことはありえませんよね。

つまりリスニングには、音を聞けることに加えて、リーディングのスピードが速いことが大事になるんです。

リーディングのスピードを上げるには、2つのステップがあります。

まずは、文法の処理のしかたを覚えることです。おすすめなのは「認知文法」という方法です。認知言語学という理論をベースにし、ネイティブが英語をどのように捉えているのか、どう認知しているのかをふまえた文法の考え方です。

ネイティブの脳内を再現する

では、認知文法について説明していきます。

これまで、日本の英語教育は基本的に「訳読中心主義」といって、日本語に訳しながら英語を読むことを重視してきました。

しかし当然、長文のリスニングで「訳しながら聞く」なんてことは不可能です。リーディングでも1000語も増えた問題を、すべて日本語に訳しながら解いていては、時間がかかりすぎて間に合わなくなってしまいます。

つまり今回の問題では、「英語のまま、イメージで意味を理解するスキル」があると超有利になるということです。

たとえば助動詞の「will」というものがあります。「Willってどういう意味ですか」ときくと、「〜するつもりだ、〜でしょう」と考えますよね。用語なら「未来」や「意志」と答えるでしょう。

でも「will」というのは、ネイティブにとってはもっと感覚的なものです。「よしっ!」と、決意するような感じです。

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ジェスチャーにするとこんな感じ。

助動詞というのは「気持ち」を表すものです。それが実現しているかどうかは関係ない、自分の気持ちです。

助動詞がわかりにくければ、進行形ならどうでしょうか。進行形というと「be動詞+ing」で、「なになにしているところだ」という意味だと習いますよね。

たとえば「Taro is eating sushi」という例文があるとします。普通に訳すと「太郎くんはお寿司を食べているところです」という意味です。

だけど、ネイティブは「えーっと、太郎君は寿司を食べています、か」と日本語に訳して理解しているのではないわけです。あたりまえですね。「Taro is eating sushi」を、英語のまま処理している。どう処理しているのかというと、「イメージ」なんです。

「Taro」「eating」「sushi」などの単語は、ある程度具体的なものや行動なので、イメージしやすいと思います。「ing」は「動作の途中」という意味です。「今やっているよ」という躍動感のイメージです。だから「食べる」ではなく「食べている」という感覚です。

Taroはイメージできます。Sushiも、食べているのもイメージできる。

でも「is」のイメージと言われると……困りませんか?

「is」がなにかというと、「今からちょっと説明するよ」というサインです。be動詞は「今から説明するから、ちょっと待ってね」という意味なんです。

たとえば「I am……」と言われたら、「I am 誰」とか「I am 何」と言われるのを待ちますよね。名前や職業や特徴を言うんだろうな、と。be動詞は「説明してくれる」というサインなわけです。

だから「Taro is」と言われたら、ネイティブは「isが来たから、なんかTaroの説明が始まるぞ」と思うわけです。そこで、Taro is a boyだったら、少年がパっと脳内に浮かびます。「少年」のイメージが、Taroのイメージに付加されるんです。

図2

「Taro is tall」と言えば、「背が高いんだな」と思う。

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「Taro is a student」と言ったら、学ランを着るかもしれない。

図1

Taro isの後に「eating sushi」が来れば、Taroに「寿司を食べている様子」が付加されるわけです。

図3

学校では「Taro is a boy」や「Taro is a student」と、「Taro is eating sushi」は、そもそも全然違うものだというふうに教えられます。でも、実はネイティブにとっては一緒なんです。Taro is a boyも、Taro is tallも、Taro is eating sushiも同じことだと処理しましょう。すると、理解の速度はめちゃくちゃ速くなります。

これはぜひ、実際にやってみてほしいです。

たとえば、次のような長めの進行形の英文があります。

My brother is playing baseball 
with his friends in the park
and my sister is shopping
at Shibuya with her mother.

これを、学校で習ったように逐一日本語に訳すのではなく、いま説明したように「イメージ」して、それをつなげていってみてください。be動詞が来たら、「なんか説明が来るな」と思って、そのイメージをどんどんつないでいってください。

できましたか?

今度は、学校で習ったように意地でも全部日本語に訳しながら読んでください。

My brother is playing baseball with his friends in the park and my sister is shopping at Shibuya with her mother.

どうでしょうか。

これを律儀に日本語に訳すと「私の兄は公園で友達と野球をしていて、私の姉は母と渋谷で買い物をしています」です。文章が単純なので、たぶん訳してもなんとかなると思います。だけど、脳の負荷が全然違うと思うんです。

まとめると「認知文法」のいちばんのキモは、英文を「イメージで理解する」ところです。認知文法の考え方は進行形だけでなく、仮定法、未来完了、過去完了、分詞構文、不定詞すべてに当てはめることができます。

ただ忘れてはいけないのは、認知文法を理解しただけでは、まだ0点だということ。何度も言ってすみません。でもこれ、めちゃくちゃ大事です。理解しただけでは、まだ0点です。

「be動詞は説明する合図なんだな。Taro is tall とTaro is eating sushiは、同じ構造で考えればいいんだな。へえ〜おもしろいな……」ここで終わると、ただの「英語ものしり」です。受験で勝つことはできません。

大事なのはそのあとの「トレーニング」です。

認知文法的な理解のしかたは「パターンプラクティス」というトレーニングで身につきます。パターンプラクティスとは、身に付けたい文法表現が入った例文を少しずつ変化させながら、繰り返しトレーニングすることです。

認知文法を理解して、パターンプラクティスで練習する。

ここまでが第1段階です。

「イメージする速度を上げる」ためのトレーニング

次は第2段階です。理解するスピードを、さらに上げていきます。

そのためには、英文を単語ごとではなく「意味の塊」ごとに理解していく必要があります。

たとえば、さっきの英文なら「My brother is playing baseball」がひとつの塊です。そのあとは「With his friends in the park」 が塊。「And my sister is shopping」「 with her mother in Shibuya」が塊です。

塊をどこで分けるかは自由ですが、基本的にはイメージで処理できるところで区切ります。「My brother is playing baseball」で、野球をしているお兄ちゃんをイメージする。

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「With his friends in the park」で、友達と公園でやっているイメージ。最初、慣れるまでは「With his friends」と「 in the park」を分けてもいいです。

図友

「My brother is playing baseball with his friends in the park」だと、「僕の兄は友達と公園で……」と、ものすごく離れたところから単語を持ってこないといけません。だからごちゃごちゃになってしまうわけです。

図訳

でも塊ごとにイメージしていけば、理解のスピードはすごく速くなります。

図野球

訳ではなく、イメージが浮かぶ。「なんとなくこんなこと言ってるな」というのがわかるようにしていくのが大事です。

これができるようになるための練習が「サイトトランスレーション」というものです。通訳の人も使っているトレーニングで、英文をパッと見て、パッと理解するのをくりかえし練習することです。

それができると、文を英語の語順どおりに、頭から処理していくことができるようになるんです。

ここで登場。やっぱり王道の「音読」トレーニング

文を英語の語順どおりに処理できるようになったら、次は「音読」です。音読は、あるルールに従っておこなうと「リーディングのスピードをあげる」効果があるんです。

そのルールとは「意味がわかる英文を音読する」ということです。

わたしたちが英語を読むとき、実際に声を出す出さないにかかわらず、一度頭の中で「音声化」をしているといわれています。一度音声にしてから、頭の中にある知識を検索して、意味と結びつける。わたしたちはこのプロセスで、ことばの意味を理解しているんです。

図音読

ここで考えてみてください。そもそも頭の中にデータ(知識)がなかったらどうなるでしょうか。

図読書3

そうです。「空振り」してしまいます。

「読むのが速い」ということは、「意味を処理するスピードが速い」ということです。だから、意味がわからないまま音読しても、読むスピードをあげる練習にはなりません。

意味のわかっている素材を使って音読をすれば、空振りせずに「文字を読む→音声化する→データ照合する」の流れを練習できます。速く読むためのトレーニングを、効率的におこなえるのです。

「耐久力をつける」ためのトレーニング

そこまでいけば、もう文を読むのは速くなっています。音はとれる。文の意味もとれる。スピードもある。ここからはもう、耐久力勝負です。

耐久力をつけるためには「シャドーイング」をやります。シャドーイングとは、音声を聞いたあと、そのあとを追うようにかぶせて復唱するトレーニングです。「My brother is playing baseball with his friends in the park」なら、「My......」と聞こえた直後に自分も「My......」と復唱していきます。

シャドーイングをすると「音声知覚の自動化」ができます。音を聞くという行為を、自動化できるんです。自動化というのは「自分は音を聞いてるんだぞ」「理解してるんだぞ」と思わなくても、なんとなく自動的に音を処理できる状態です。

ここまでが全体の流れです。

この一連の知識とトレーニングをすべて習得すれば、あなたはもう聞いただけで英語の意味を処理できるようになっているでしょう。リスニングの対策をすることで、聞くのも速くなりますし、リーディングのスピードも上がるのです。

一石二鳥の勉強法ですので、ぜひ実践していただきたいトレーニング方法です。

「受験」のその先にも活きる英語力

私がいまの会社で最初に立ち上げた「烏丸学び舎」という予備校で、この勉強法を体系化しました。当時はまだセンター試験でしたが、リスニングも導入され、だんだん長文化も進んできていました。

10年後には、この傾向がもっと進むだろう。そう予測して、この勉強法を教えてきたんです。

当時の教え子で印象に残っている子がいます。

彼はもともと、英語の成績が学年200人中190番でした。そこから、なんと京大に合格しました。もともと数学は得意だけれど、英語が苦手。そこでうちに相談にきたんです。最終的にすごく英語ができるようになって、京大入試レベルの問題でも「シャドーイング」ができるようになっていました。

ところが試験本番では、得意だった数学で失敗してしまったんです。試験は二日間あるのですが、一日目の終わりに泣きながら塾に来て「やばい、今年ダメかもしれない」と。でも次の日、苦手だった英語で挽回して合格したんです。

神戸大の医学部に行って、いま医者をやっている生徒もいます。その子はいまだに当時使っていた教材を持っていて、ときどき見ているんだそうです。

ほかにも、英語がすごく苦手だった子が、いまはレアメタルの専門商社に入って働いています。同じ方法で中国語もできるようになったと言っていました。とある財閥系商社で、韓国のハイテク企業と毎日英語でやりとりしている卒業生もいます。

つまり、このnoteでご紹介した方法を実践すれば、受験を超えて、その後のキャリアの中でも英語を使って活躍できるようになるのです。

これまでの「文法」や「語彙」の理解に囚われていると、なかなか実践レベルまでは行けません。でも英語の捉え方を変え、しっかりトレーニングをすれば、見える景色が変わるはずです。

もしいま「英語がつらい」と感じているなら、ぜひやってみてください。

高校生向けの「特別対策プログラム」をつくりました

※ここからはちょっと宣伝なので、ご興味のある人だけ読んでくださいね。

ここまでのnoteで、ちょっとノウハウを公開しすぎてしまった気がしますが……。実は私の会社で、6月から高校生向けの新しい英語サービスをはじめます。

英語学習には順番があります。「ゴールの分解→課題の発見→それに合う知識の習得→適切なトレーニングの実践」です。このnoteを最後まで読んでくださった方なら、もうおわかりかと思います。

私たちがこのプロセスを体系化できたのには理由があります。

英語学習には科学があるんです。「第二言語習得研究」といって、人間がどういうふうに外国語を身につけていくのか、という学問です。私の会社には、それを大学院で勉強してきた人がたくさん在籍しています。創業の1日目からいました。だからこそ、科学に基づいたパッケージができたんです。

「第二言語習得研究」に基づく学習法は、いまではちょっとしたブームになっていますが、私たちはそれを10年以上前からやっています。

それから、忙しい社会人向けに英語のパーソナルトレーニングも行ってきました。講師が1対1で、「その人のどこに課題があるのか?」「どのトレーニングを、どのぐらいの負荷でやるといちばん伸びるのか?」を分析して、ご提案します。

これらのノウハウを、満を持して今回のサービスにつぎこみました。

第二言語習得研究に基づく、高校生向けの短期集中ノウハウ。そこにパーソナルコーチングに基づく、挫折しない日々の学習法を加えました。さらにサービスを作るにあたって、大学受験対策の経験があり、かつ海外や大学院で第二言語習得を勉強してきた社内の人材を、いっぺんに集中させました。

つまり、めちゃくちゃ自信があります。

「いま、日本で一番すごい高校生向けの英語学習サービスだ」と言いたいのですが、まだスタート前なので、証明できないのがもどかしいです。でも、確実に成果が出る自信があります。

コースは3ヶ月と6ヶ月。短期集中で結果が出るので、これを機に英語を得意科目にしていただきたいです。

気になった方は、こちらを覗いてみてくださいね。


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