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仕事は「ファンベース」で永く続く

読み進めていくうちに、「私がやりたいことってこれだ」という今まで霧でモヤモヤしていた部分が明るみになっていった。会社を大きくするだとか、売上が伸びれば伸びるほどいい、みたいなこともビジネスにおいては大事だけど、一番大事にしたいのは「感情をもつ人と人」のことなんだ。

冒頭からも出てくる「機能価値」が土台にあって、そこから「情緒価値」と「未来価値」を見つけていく。今まで読んだ(冊数は少ないけど)ビジネス書とはだいぶ違う視点・感覚がたくさんあってすごく面白かった。利用者からは見えづらい部分にこそ情緒価値や未来価値があって、見えないからこそそれらが伝わるようにコツコツ施作を積み上げていくとお客さんはずっとサービスを利用したいと思ってくれる「ファン」になる。

機能価値だけでは競合によっていずれ陳腐化される運命が待ち受けています。だから購買などの「行動」と、好きな気持ちである「感情」が一致している人、つまり今後もサービスを愛して買い続けてくれる人を把握することが重要なんです。

p.69「コラム/津田匡保さん」

重要だなと思ったポイントを箇条書きにしてみるとこんな感じに。
・類は友を呼ぶ
・中長期で考える
・売上よりも「ファン化」
・「中の人」も楽しむとお客さんに伝わる
・ファンベースに正解はなくてやり方は千差万別
・誰をどう笑顔にしたいのか?社会にどう役立つのか?をまず考える
・上位20%の人に対して「自分たちらしさ」を訴求していくと売り上げに結びつく
昭和の高度経済成長期のような「自己犠牲的な働き方」だともうあまり意味が無いというか、いろんな物が便利に開発されつくしてしまって機能価値の部分ではもう差がつきにくいのでは?と思う。だからこそ情緒価値がより重要になってくるし、中の人がその仕事を「どれだけ楽しんで取り組めるか」が「情緒価値」に繋がりファンに繋がり売上げに繋がる。これからの働き方ってこういうことか!と腑に落ちた。

企業は結果を出すことがすべてなのは確かです。でも、自社の結果に関わることだけが会社の使命ではありません。私たちがより環境負荷の低い社会にしたいと考えたときに、ユーグレナのファンがユーグレナの商品を買うだけではなく、どんな家に住むか、どんな洋服を着るのかと環境について考える社会に変容していくのが理想です。今後はこうした同じ理念や目標に向かっていく"関係人口"を増やしていきたい。

p.196「ユーグレナ編/永田暁彦さん」

自社のサービスを利用してもらうことだけじゃなく「お客さんの考え方・生活の送り方」にまで想像を膨らませてサービスを考えるとたしかに長期的に良い関係が築けそう。

意思がないと振り回されてしまうかもしれませんね。私たちは、お客さまは神様ではなく、一緒に楽しむ「共感者」だと思っています。できないときにはできないという理由、例えば材料がないから作れないなど、ちゃんと説明すれば伝わると信じています。

p.270「スープストックトーキョー編/花摘百江さん」

会社とお客さん、お互いを上にも下にも見ず「フラットに正直に伝え合う関係性」も大切だよね。これって彼氏と彼女・親と子にも当てはまる、、、ビジネスでも結局は「人と人」の関係性を考えることに行き着くと再認識した。

これからどんどんマーケットが縮み、経済的にはなかなか厳しい状況になっていく日本において、世の中に「好き!」を増やしていくファンベースという考え方は、確実に日本を温かい場所にすると信じています。あなたの会社やブランドを愛してくれるファンを大切にすることほど、楽しい仕事はないはずです。

p.302「あとがき/佐藤尚之さん」

やっぱり私がやりたかった仕事はこれだ。売上げを追い求めるだけじゃない、お客さんをより多く獲得することじゃない、お客さんと「共感」し合える仕事。それは仕事の「種類」ではなくて仕事の「やり方」なので、今の私にもきっとできることはある。とりあえずすぐにスープストックトーキョーに行こう。(←ファン)

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