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苦しんで泣いて笑って「母誕生」

少し前から川上未映子さんの本を読んでみようと思っていたのだけど、どれから読もうか迷っていた。そんなときに幼馴染が出産して、生まれたてほやほやの赤ちゃんを抱っこさせてもらったこともあって、自然と本屋で手に取った一冊。

このエッセイがとても面白く、そしてとても参考になった。面白いと同時に「赤ちゃんを産むこと」の「リアル」が詳細に記されていて、妊娠&出産を経験していないわたしは結構な衝撃を受けた。衝撃というか、やはり壮絶な大変さだ、、、!という確信がもてた。いろいろ話は聞くし、赤ちゃんを産むってことはそんなに甘くはない、だろう。という疑念が確信になった。

SNSに写っているママ&ベイビーを見ているとついつい夢100%!幸せ120%!みたいな感情になるので、私も早く赤ちゃん産んで可愛いお洋服買ったり、いろんなテーマパーク行ったりしたいな〜♡とルンルンしてしまうのだが、いやいや大半のお母さんはみんな頑張ってるんですよと、見せていないだけで苦しんでるんですよと、そんなことが、しっかり認識できた。

わたしも将来、子供が欲しいと思っているので川上さんのエッセイを通じて「私もお母さんになったら、急に寂しい気持ちになるのかな」「私もここで腹を立てるかもな」という気持ちの変化の疑似体験ができたようだった。
マタニティブルーや産後クライシス、こういう名前がしっかり付いているのだから多くの人に待ち受けているのだろう。

そして「赤ちゃんが生命を宿らせるってことは、お母さんが誕生するってことだよな。」とあたり前のことも認識させられた。赤ちゃんと向き合うということは、守っていくということは、喜怒哀楽すべての感情をぐるぐるまわって、そうしてお母さんも少しずつ誕生するんだ。

この本を機会に母にも出産のことを聞いてみたら「産むときは激痛だったけど、ママの場合はすっぽん!すっぽん!安産だったよー」とあっけらかんと言われた。(このすっぽんの1回目は兄、2回目は私。)しかも母の場合、兄を産んだ時はなんと20歳、、、すごすぎるな???

世界にはいろんなお母さんがいて、いろんな赤ちゃんがいる。「赤ちゃんを産む」という一つの行動に何パターンという方法や違いがある。どの選択が正解なのかをお母さんたちは不安の中でも、選び取っていかなければならない。そもそも正解なんてないのかもしれない。そして、不安に立ち向かった先に「たのしいこと、いっぱいあるよ!」「あしたはもっと、たのしいよ!」とあとがきに書かれていたセリフを実感するんだろうな。

排卵検査薬、出生前検査、安心マタニティブック、出産費用、気になるワードがたくさんあったので、少しずつ情報収集していこう。そして何より、健康でいよう。

母の偉大さを実感できる、そしてやっぱり私は母になりたい、
そんなふうに思える一冊だった。


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