3月27日㈬ リスクを回避することのリスク

・朝6時半にホテルバイトのチーフから「今日出勤できませんか?」とLINEが来る。
 チーフってそんな朝早くから働いてるのか!とびっくり。

・というわけで、急遽ホテルの部屋に人間がいた痕跡を消す仕事。
 4月から業務形態が変わる件で、ゴミを回収する係を作るかスリッパを回収する係を作るかでチーフとサブチーフが揉めて険悪な仲になっていることが判明。
 ゴミ係、スリッパ係、正直、どっちでもいい。


 2日間でお辞めになった元ボクサーの人、36歳だったらしい。結構年上。
 おじいちゃん修理担当のKさんが怖くて辞めたという説も浮上している。
 元ボクサーなのに、打たれ弱い。


・大学の時の同級生の子持ち人妻Aさんと明日電話する予定だったのだが、Aさんから連絡があり、急遽明日実家で介護をしなくてはならなくなり来週に延期したいとのこと。
 同い年で子供を産んで育ててるだけでもすごいし、さらに家族の介護もなさっていて、僕が未だに子供に毛が生えたみたいな生活をしているのに人間として生命体としていろんな経験して動いているAさんには本当にリスペクトしかない。サークルの先輩も親御さんの介護をなさっているし、未だに実家で母親に家事をしてもらってる自分と比べて周りの方々の立派さが眩しい。
 自分の子供を育てるという経験は僕は今後もしないだろうけど、介護は全然可能性あるから、いろいろお話聞いたりして学んでおきたい。



・人妻の家に行ってその家に住んでいる子供に知恵を授ける仕事。
 かれこれ6年近く担当している生徒さん。元々は小学生のときに指導を始めたものの、今や進学校の高校生だから、文系もギリギリだけど理系科目に関してはもうさっぱりこっちがわからないから、4月から理系の先生が入って僕は月3回に指導がちょっと減ることに。
 月0回になっても全然おかしくないくらい僕の学力がもう生徒さんの学校のレベルに追いついていないのだが、このご家庭は僕が適応障害が酷くなって一時期家庭教師を辞めたとき「うちの主人もパニック障害があって気持ちがわかるから、もしよければ少しずつでも通ってください」と言ってくださり、僕が将来に悩み過ぎて家庭教師を辞めて一旦塾講師になったときも「なんとかうちだけでも続けてほしいのが本音です」と言ってくださり、そして塾で適応障害になって3ヶ月くらいで辞めてまた家庭教師をのこのこ再開したときも「是非また来てください」とまた雇ってくださり、と、何から何まで御贔屓にしてくださっている超絶優しいご家庭。
 知識のデリヘルみたいな仕事なので、いくらなんでも一生続けられるものではないと思っていて、来年再来年には正社員の仕事始めていよいよこの仕事から足を洗おうとは思っているけど、このご家庭の指導だけはちゃんとしっかり最後までやり遂げてから足を洗いたい。


 で、その生徒さん。
 全く乗り物酔いをしない体質らしい。
 乗り物酔いというものを経験してみたい、と思って船の中で本を読んでみたけど全然平気だったらしい。
 僕は今でこそだいぶマシになってきたけど、小学生の頃は電車でも酔ってしまうくらい乗り物酔いが酷かったから、羨ましい。

 生徒さん、以前図書室登校をしていたのだが、図書室登校仲間が2人いて、その2人ともが転校してしまったらしい。
 1人はコスプレイヤーで、体型を維持するために朝2時間ウォーキングしたり重りをつけてダンスしたりしているらしい。コスプレイヤーとしての活動に専念するために転校したとのこと。
 もう1人はヨットの大会で日本一とかになり、ヨットの強い学校へ転校したらしい。その子本人はヨットをそんなにやりたいわけではないけど、才能があるからと親に続けさせられているらしい。
 僕の半分くらいの年齢の方々が、僕の倍以上の人生経験と努力をなさっている。



・スマホ断ちをして、紙にペンでメモったりしてなるべくアナログに生きていこうと思いたつ。
 いつも歩いてるときは音楽やラジオやPodcastを聴いていたけど、人工のものって少なからず僕に向けて発信されていて、世の中の全てが自分を見ているという錯覚、自分を中心にこの世界は動いているような錯覚をしてしまい、そのはずなのにどうしてあの人は自分を見てくれないの?どうして僕に構ってくれないの?って危険な思考に陥りそうになる。

 でも、イヤホンを外して自然音の中を歩いていると、自然音はどう考えても自分に向けて発信されてはおらず、自分は世界の中の一つの要素に過ぎないことを肌感覚で感じられる。
 それと同時に、自分が聴きたい声を自分が聴きたいタイミングで耳を澄ましたり、自分の脳で考えたいタイミングで考えたいことを考えられたりとか、そういう意味ではむしろ本当の意味で自分を中心に自分主体で生きることができている気がする。
 人工物に触れてばかりいると「外側→自分」という矢印にばかり意識がいってしまうけれど、自然に触れることで「自分→外側」という、自分が自分の主導権を握れている感覚がある。



・リスクを回避しすぎることが一番リスキーな生き方なんだなと、自分のこれまでの人生を思い返してみて強く実感する。
 僕みたいな人間は、どうせ無意識にセーフティーガードみたいなのをすぐに発動させてしまうのだから、意識的にリスクをどんどんとっていって、リスクを「リスク」ではなく「スリル」であると楽しんで受け入れていきたい。
 って自己啓発しがちな人が好む言葉遊び的なものを書いてしまった。恥。


もしお金が余っていましたら、ください。