スポーツの未練が残って名誉毀損。スポーツ界にも組織論の指導を 傍聴小景 #103(名誉毀損)
最近、地味に名誉毀損の裁判が増えている気がします。ネットでの誹謗中傷への問題意識が高まっている昨今ですから、できるだけ追いかけたいと思っています。
同罪名はいくつか傍聴していますが、ネット掲示板、自身のHPなどやはりWeb上での犯行も目立つのですが、そうでなくリアルで紙をばら撒くという行為も根強いです。
Web上だと一度拡散すると消しきれないという被害の深刻さはありますが、リアルなばら撒きだと知られたくない箇所にダイレクトにリーチするということもあるっぽいです。
はじめに ~名誉毀損の被告人の特徴~
被告人は短髪でしっかりした体型で、なにかしらスポーツをしていたことを伺わせる方。ただ、身体は立派なのですが、表情は少しうつろという印象も残りました。
勝手なイメージですが、名誉棄損の被告人って、何か喪失感を抱えている人が多いように感じています。
事件の概要(起訴状の要約)
職場の従業員ポストやら、駐輪場の自転車など、確実にどうにかしたいという思いが感じられます。SNSだけだったら、誰も気付かないかもしれないしね。
それにしても後ろ姿をしっかり写しながらというのは、強い執着心が感じられますね。
こういう名誉毀損って、男女間で思いを断ち切れずといった、半分ストーカー的な場合も多いんですが、今回は果たしてどうなのか。
採用された証拠類 ~犯行後に携帯を壊す隠蔽工作~
スポーツ選手のセカンドキャリアというのは定期的に話題に挙がりますが、選手としても優れていたとしても、指導やマネジメントとは別だから、こういう衝突はあるよなと思ってみたり。
それにしても、この方の恨みの持ちようは異様ではあります。
退職後、半年の犯行というのも気になります。ずっと恨んでいたのか、なにかきっかけがあったのか。まぁ、指導方針が合わなくて衝突はまだしも、恨みまで持つというのも、そもそも理解できないのですが。
そして、携帯を壊すという隠ぺい工作もなかなか。インスタなので、アカウントさえ生きてれば、どこで書き込んでも同じなので携帯壊したのも何故かはよくわからないのです…。
裁判ではよく精神病院に通うという話が出ます。ギャンブルや性癖の矯正、違法薬物を絶つためなど目的は様々です。
でも、今回の場合はAへの恨みもですが、退職そのものについての喪失感が大きすぎるという少し特殊に感じるもの。とても大切に思っていたんだろうなと感じることはできますが、なんとかその熱量を新しいものへ向けられるといいのですが。
証人尋問 ~前向きに生きて欲しいと願う父~
証人は被告人の父親。
事件当時は別居していたものの、今は同居していて生活状況などを見守っているとのこと。別居中も実家に帰ってきて食事などはよくしていて、多くは語らないもののAに関しての悪感情などは聞いており、気にはなっていたみたい。
退職後は、それまで選手を育てることが生きがいだったため、覇気がなくなり、塞ぎ込むようになった。
裏アカウントなどでなく、本人のアカウントでやっていたってことなんですかね。これくらい大丈夫と思ったのか、そこまで考える気もなかったのか。
まぁ正義感などに駆られていると、問題行動に気付かなかったりしますもんね。
僕も知り合いが急に宗教観や、スピリチュアルなこと、商品説明などをし始めると「あっ…」って思っちゃいますもん。
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