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#1 直腸がんステージ4闘病記

今回から昔のことを思い出しながら詳細に闘病を書いていこうと思います。
出来るだけ詳しく、真実のみを書いていこうと思います。
長いシリーズになると思いますし、生活が苦しいこともあり一部有料記事になると思います。最後まで見ていただけると嬉しいです。


僕は2019年5月に直腸がんが発見され、ステージ4と診断されました。

一般的に癌が発見されるのは「健康診断」や「人間ドック」「がん検診」などが多いと思います。僕の親類もがんが発見された時は上記のいずれかでの発見でした。

僕の直腸がんが発見されたのも上記の中にある…ということはなく、別の手術のための検査中でした。悪いところを治そうとしたら、命に関わる病気が発見されたのです。
よくわからないと思いますので、当時の状況を説明します。

当時の僕は34才で、自分の夢を叶えるための最終段階でした。
夢というのは「自分のお店を出す」というものです。
炭を使った料理とそれに合わせたお酒を出したいと考えていました。
そのため最後の修行のつもりで2018年の8月に上京し、食べ歩いた中で最もお酒が理想に近く、お料理も美味しかった飲食店で働き始めました。

非常に順調でしたが9月の終わりにケチがつきます。

その日はお客様の入りが珍しく悪くて、少し早めに店が終わりました。
帰りに一杯飲んで行こうと思い、自転車で近所のお店に向かいました。
そして店に到着して自転車から降りた瞬間でした。
右膝の関節が外れて脱臼してしまいます。

その日は雨が降っていて、完全に外れている右膝のせいで立つことも出来ず呆然としているしかありませんでした。骨折や盲腸、重度の捻挫、ヘルニアなど色々と怪我や病気を経験していますが、この時の膝の脱臼よりも激痛だったものはありません。盲腸は我慢しすぎて破れて緊急手術を行いましたが、それでも脱臼の方が痛いと感じました。

徐々に濡れながら「終わった」「せっかく上京したのに店やめないといけないのか」「人生設計全て白紙」「膝痛い」「さっきからわやしゃっけー」など色々なことを考えていたら唐突に…右膝がハマリました。

ただ寝ていただけなのにどうして膝がハマったのかは今でもわかりません。僕はチャンスだと思い立ち上がり、お店で休ませて貰ってから帰りました。お店に居合わせたお客さんがロキソニンを持っており、ご厚意で頂いたことは非常に嬉しかったですし、忘れられません。
その節は本当にありがとうございました。
お店がもうなくなってしまったので直接お礼を言うことは出来ていません。
後悔していることの一つです。

ついでに言うと痛すぎて泣きそうだったので、少しでも和らげようと僕にとっての薬である酒を結構飲みました。お陰で帰る頃には痛みは少なくなっており、苦しむことなく眠ることが出来たのだと思います。
次の日起きた時は地獄でした。
決して真似をしないで下さい。

様々な病院を廻りましたが、結論を言うと「運が悪かった
ただそれだけです。

膝の関節の形状などを見ても外れやすい形ではなく、極々低い確率で外れてしまったのだろうという診断でした。今でもあの時まっすぐ帰っていたら、お店が混んでいていつも通りの時間に閉店していたらと考えます。

そんなことを考えても時間の無駄だと言うことは理解しています。
ですが今でも割り切れていません。愚痴として他人に言うことは決してありませんが、眠れない時などに考えてしまいます。
きっとこれからもずっと考えてしまうのでしょう。

医師からは「無理に動くと悪化するから、2週間程度は休んで」と言われて診断書も書いてもらいました。しかしその5000円もした診断書が役に立つことはありませんでした。一日も休みを貰うことは出来ず、仕事量も減ることはありませんでした。そのせいで膝は悪化し、痛みは増すばかりでした。

今の僕なら即座に辞めていたでしょう。
健康に勝るものなし。
他にも色々なやり方や道があるとわかっているからです。

しかし当時の僕は了見が狭く、とにかく働いてお金を稼がなければと考えてしまっていました。どんなに痛くても僕が我慢すればいいだけ。我慢は得意ですしどうとでもなると考えてしまったんですね。
その結果膝は悪くなるばかりで痛みは増し、2018年11月から始まっていた直腸がんの兆候を無視することになります。

「血便」
「便器が全て赤くなるほどの出血」
「体力の低下」
「疲労感」
「便が細くなる」
「便が黒くなる」
「食欲の低下」
「残便感とそれに伴うトイレ回数の増加」


僕が体験した直腸がんの症状はこれがほぼ全てです。
これだけあったら普通は病院に行くんでしょうね。
でも僕は行きませんでした。
膝が痛すぎて病院に行くことすら嫌だったからです。

「便が細くなる」という症状について補足説明をします。
これは直腸に出来たがん細胞が大きくなり、直腸が非常に狭くなっていたために起こります。この頃はまだ多少細いくらいで済んでいましたが、手術直前には細めのうどんくらいでした。発見が遅れてしまうと直腸を完全に塞いでしまう事もあると医者から言われて、ゾッとしたことを覚えています。

また「食欲の低下」についてですが、これは個人差が大きそうだと思っています。僕も食欲がなくなったのですが、僕の場合は便をするのがあまりにも辛すぎて食べたくなくなったんですよね。細い便を出すのは非常に体力が入ります。しかも毎回ありえないくらいの出血を伴います。便器が最初から赤いのかと思うくらい真っ赤に染まります。

そのうえ全てが出たという感覚がなく、トイレの頻度が非常に多くなりました。出たという感覚があって便器を見ると出血のみ。これが日常になっていきました。今考えると慢性的な貧血になっていたのかもしれません。そんな状態で体力が回復するわけがないですよね。

飲食での長時間の立ち仕事は非常に体力を使う仕事です。
食欲がなくても食べなくては体が動かないんですよね。
僕がこの当時やっていたのは「空腹で食べたくなくても酒を飲んで無理やり食欲をわかせて食べる」というどう考えても体に良くないことをしていました。そこまでしても普段の1/3程度に食事量は減っていましたし、体力も体重もどんどん減っていました。でも元がデブだったので太ってましたね。

2018年12月頃はただ立っているだけでも辛い状態でした。階段は一歩ずつならまだなんとかなりました。しかししゃがむ事は全くと言っていいほど出来ませんでした。便器に座るために膝を曲げるだけで、冷や汗をかくほどの激痛が走っていました。便器が真っ赤に染まり、凄惨な事件が起きたような明らかに異常だとわかるものを見ても「膝痛い」としか思いませんでした。
僕がきちんとしゃがめるようになるのは2022年の7月頃になります。

もしも膝を脱臼していなかったら。
仕事を辞めて膝の治療に専念していたら。
少しだけでも気力を振り絞って病院に行っていたら。
自分の症状を誰かに一言でも相談していたら。

今でも後悔しています。
何気なく選んだ選択肢が、ここまで悪い結果に繋がることもあるのだと。
この経験から友人や知人には「異変があったら病院へ」と伝えています。

まだ医者にがん宣告すらされていませんが、ここで区切らせていただきます。もうすこし詳細に書くと長くなりすぎるので、全てを書ききってから校正しつつ書き足していこうと思います。

少しでもあなたのお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。
僕を反面教師にして、あなたとあなたの大切な人の健康に役立てて下さい。


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