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水深800メートルのシューベルト|第999話

「アシェル君、カールトン大佐の経歴は見たかね?」
「いいえ」
「いけないよ、自分の命を預けている人間がどういう人かも調べないというのは」


 きっとこの人は、暇に任せて調べたに違いない。しかし、相手の人格を知ったところで、僕に何かができるわけではないじゃないか。心の中でそっと呟いてみた。
「彼は駆逐艦や掃海艦勤務がこれまでの主な経歴で、潜水艦は初めてです。そして、その前にはリクルートキャンプの教官という地上勤務に長く就いています」


 それを聞いて、僕が三年前にいたキャンプの苦い思い出が甦ってきた

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