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新緑の並木道 【八甲田 24/5/8】

今日はお久しぶりの八甲田山方面へ。
冬に滑ってた以来かな?

ホテルから車を走らせること5分、徐々に坂道になり始めると周囲の森がブナを中心とした森へと変化していくのですが、さらに15分ほど標高を上げていくと森の様相がガラッと変わり、整然とした印象のブナ林が現れます。

ブナのトンネル
道路に散乱しているのは全てブナの雄花
今年は異常なほど花が多い

とても美しい森なんですが、実は人の手が大きく関わってうまれたブナ林なんです。

ずっと昔は白神山地にも負けないぐらいの素晴らしいブナ林が広がっていたんだと思いますが、戦時中にこの場所で放牧を行う為に大部分を伐採してしまっている歴史があります。

家畜を休ませる為の日陰を残す為にまばらにブナが残されていたので、放牧終了後の広大な空き地で残っていたブナが親となり、ブナの森が徐々に再生してきたというわけです。

山火事や地滑りなどの自然災害、人の手による伐採など原因は様々ありますが、元々あった森が失われたあと、自然に再生してきた森のことを二次林と呼びます。

こういったブナの二次林は八甲田山以外にも存在しており、新潟県の美人林が有名です。


道路沿いから見るだけでも美しいのですが、一歩森の内側に入ると並木道が現れます。

どこまでもブナ、ブナ、ブナ…

こんなにも整然としたブナの並木道はもしかしたらここだけなんじゃないかなぁ。

ちなみにこれは遊歩道というわけではなく、八甲田山の中腹から麓にかけて温泉を引くための導水管を埋設する時にできた道なんだとか…。

背景を知れば知るほどちょっと複雑な気持ちにはなりますが、美しいことには変わりありません。


現在の二次林は明らかに過密状態で、おそらくは少しずつ自然淘汰されて間引きされていくはず。
その変化はすぐには感じ取れませんが、私はこの先も何十年とこの地で生きていくので、寿命を迎える頃にこの森がどんな風に変化しているのか、ちゃんと見届けたいなぁと思うのです。


 


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