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【創業メンバー対談(前編)】3人に共通する「アーティストを応援したい」という強い思いがプロジェクトの発端

本日は「OIKOS MUSIC」創業メンバーによる対談記事の前編をお届けいたします。前編では、 OIKOS MUSIC プロジェクトを立ち上げるに至ったきっかけからプロジェクトに対する想い音楽業界の今を創業者メンバーが語ります。

対談メンバー紹介


宮田‘レフティ’リョウ

宮田‘レフティ’リョウ
音楽プロデューサー、編曲家、作詞家、作曲家、ベーシスト、キーボーディスト、ギタリスト、マニピュレーター。Official髭男dism、eill、MISIA、V6CHEMISTRY、あいみょん、E-girls、 175R、 ASH DE HERO等、多くのアーティストへ楽曲提供やプロデュース、編曲を手掛ける。

コバヤシ ユウジ

コバヤシ ユウジ
2004年自身が結成したバンドでデビュー。2013年作曲家として、HKT48デビューシングル「スキ!スキ!スキップ」でデビュー。女性アーティストデビューシングル売り上げ記録歴代1位を記録『ENEOSアジアプロ野球チャンピオン シップ』演出⾳楽総合監修。資⽣堂×パシフィックリーグ『勝利の⼥神ダンス』プロデュース。

市村ヒロ

市村 ヒロ
慶応義塾メディアデザイン研究科修了。古川亨教授に主従。2012年電子チケット販売サービスを創業。音楽、スポーツ業界にてサービスを展開。2015年DMM.comに全株式を売却しDMMグループに参画。執行役員、経営企画室長(M&A、ベンチャー投資、新規事業を統括)。2020年情報経営イノベーション専門職大学客員教授。学生起業家育成プログラムを立ち上げた。


音楽業界の次なる一手を考えるきっかけとなったコロナの世界的蔓延とサブスク音楽配信

ーーまずは「OIKOS MISIC」のプロジェクト立ち上げ経緯からお聞きしてもよろしいですか?

市村ヒロ(以下 ヒロ):はい、では僕から。僕はずっとIT業界におりまして、元々自分でスタートアップを立ち上げたりだとか、その後若い起業家向けに支援するファンドを組成したり、最近では大学生などの若手に向けて起業家育成のための教育プログラムを提供したりしていることもあり、前提として、サービスをつくる人、モノをつくる人、会社をつくる人など、何か新しいモノを創造する人たち”クリエイター”を凄くリスペクトしています。その流れから、モノをつくる人たち(クリエイター)が集まって、新しいサービスを創れたりしないかという思いがずっと根本にありました。
一方で、コロナが流行したこの2年間、様々な興行が潰れたり抑制されたり、特にエンターテイメント業界の方々が大変な状況にある中で、テクノロジ―とクリエイティブを掛け合わせて何かサポートできないかと模索し始めたんですね。そこで、音楽業界で活躍している友人、宮田と小林に声をかけたんですよ。

宮田‘レフティ’リョウ(以下 リョウ):音楽家の宮田です。普段はですね、サウンドプロデューサーや編曲家、作詞家、作曲家、そのほかギタリスト・ベーシストとして、幅広く音楽活動をしています。僕はこのメンバーの中ではステージにも立っていて、一番アーティスト寄りというか、演者に近いので、そういう視点からOIKOS MUSICに参画している部分は大きいと思います。
立ち上げのきっかけとして、コロナがあったのも転換期として大きかったんですけど、数年前からのサブスクリプションサービスが普及して、音楽のあり方や音楽の受け取り方がフィジカルからデジタルに移行していく流れも、アーティスト活動を続ける中で考えさせられる出来事でしたね。サブスクリプションサービスが主流化していくなか、アーティストが自分たちの活動をマネタイズしていくのが難しくなっているのを僕も肌観として感じていて、活動をマネタイズするポイントを探す必要があるなと常々感じていました。

コバヤシユウジ(以下 ユウジ):音楽プロデューサーをやっております、小林です。宮田は実際にステージに立ったり表に立つことも多いですが、僕はアーティストのレコーディングのディレクションをしたり、企画を考えたり、マネジメントをやったりとアーティスト支援がメインです。いわば裏家業とでも言いますか…(笑)
僕たち3人同年代なんですけど、10代・20代と同じ感覚で何かにチャレンジするっていうことが少なくなってると思うんです。その代わりに、彼らより知識や経験は豊富です。頑張っている若手のアーティストをもっと応援したいし、ファンとアーティストの関係性も年々近くなって、それらを上手く回していけるようなコミュニティを作っていきたいという思いが強くなっていますね。

ヒロ:最初はお酒を飲みながらですけど、「音楽業界における新しい仕掛け」や「アーティストとファンの新しい関係性」というのを3人で模索しはじめて、それがどんどんカタチになっていきました。どのようなサービスを提供すれば、才能溢れる若いアーティストがもっとデビューするきっかけを得られるのかを考えたり、最近耳にする機会の多い”推し活”という言葉のように、応援する文化をもっと盛り上げていくため、ファンがよりアーティストを応援しやすく、(応援の場に)参加しやすい環境をつくるにはどうすればよいか、はたまたアーティストがファンの前で活動しやすい環境をつくるにはどうすればよいかなど、何度も議論しています。

リョウ:IT業界で長年仕事をしてきたヒロさんのお話を伺っていると、OIKOS MISICのプロジェクトなら、アーティストたちを後押ししていくだけでなく、その後の生活まで担保していけるようなサービスをつくることができるんじゃないかなと感じています。

ユウジ:今いろいろ試行錯誤中です。試行錯誤しながら物事を進めていくのは凄く楽しいことで、それをファンの人たちも巻き込みながら、どんどん成長していく過程をみていきたいなと思っています。

日本の素晴らしい音楽産業をもっと世界へ

ーー今の日本の音楽業界についてはどのように思われていますか?

リョウ:音楽業界の現場にいて強く感じるのは、日本の音楽サブスクリプションのマーケットが世界の音楽ファンまでターゲットとしてみれていないことかなと個人的には思います。ヒットをだせば、日本マーケットだけでも音楽ビジネスは成立すると思うんですけど、パイの大きさが重要となるサブスクリプションでマネタイズしていくには、世界を意識しないと心もとないように感じています。

ユウジ:これまでは自国マーケット中心だったからね、、、

リョウ:実は今訪れているスウェーデンは、人口も少なく自国の音楽マーケットが小さい分、他国に楽曲提供して大成しているアーティストが多く、”音楽輸出大国”なんですよね。少し前のデータかもしれませんが、日本は音楽市場規模が世界で2位と自国マーケットが大きい分、世界で勝負するとなると、それがある種足かせになっているのかなと思っています。
ちなみに、お隣の韓国は相当前から国策として、音楽産業を輸出していく方向に転換していたので、悔しいですが、クリエイティブも含めてグローバルに精通するサウンドをつくるという点において何歩も先に行っている状況にあると思います。違う方向でも良いので何とか追いつきたいみたいな気持ちがあります。

ユウジ:とりあえず今は点で戦うより、音楽人口を増やしたり、若い人が音楽に没頭しやすい環境や世界の音楽マーケットに出やすい環境をつくっていかないといけないと思います。
韓国は、音楽や映画などのエンターテイメントな職種が世界にでていきやすい環境・土台がしっかり構築されていて、夢のある職業になっています。そして、優秀な人が集まるから日本以上に厳しい世界になっている。
コロナ渦でライブが開催しづらくなり、サブスクリプションで収益化も難しいいま、日本が自国でやりきろうとすると、どんどん音楽事業が縮小していくのではないかと心配になりますね。

ヒロ:テクノロジー視点で話すと、海外にどうやってコンテンツを届けてファンを作っていくのかが問題かなと思います。システムやインターネット自体は繋がっているから、本当は輸出できてもおかしくないので、輸出を試みるっていうのが今のフェーズなのではと思っています。
僕が海外はやっぱりすごいなと感じるのは、興行の世界を見ると非常によくわかるんですけれども、音楽などの文化コンテンツにしっかり投資がされていることです。投資マネーが興行や音楽に入ってきていて、コンテンツに投資している人たちが1円でも多くリターンを出すことを考えているんです。なので、世界の大きいマーケットに積極的に進出していくのは普通のアプローチかなと思っています。ファンがアーティストと一緒に楽曲だったりアーティストの活動だったりを支援していくとなったときに、実際に一番嬉しいのは、多くの人にそのコンテンツが届くということでもあると思っています。今サブスクリプションサービスだったりYouTube だったりという土壌ができているからこそ、まず世界の人に参加してもらえるような、日本の文化に興味を持ってもらって投資をして、参加してもらうことも結構大事な部分かなと思っています。


後編では、OIKOS MUSICのサービス内容についてや、アーティストとファンの関係性について前編をさらに深堀りしていきます。こちらもぜひお読みいただけましたら幸いです。




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