【小売視点から考える】実績と感覚で何が判断できて、何が判断できないか
お疲れ様です。
小売業で働き10年が経ちました。今は管理職をやっています。
現場から離れ、パソコンを見つめる時間が長い時もあれば現場に付きっ切りでデータと向き合わない時もあります。
それぞれで見えるもの、見えないものがあります。
どちらが良い悪いではなくて、それぞれの特徴を知る事でより現状把握できるよねって話です。
この2つの違いを本日は頑張って説明していきたいと思います!
※小売寄りの内容ですが、マーケティングにおいて誰にでも必要な内容になってます!
●実績
パソコンを見る時間が増えるのは、担当する役割が広がると必然とそうなってきます。
何故ならば、個人が直接見て感じ取れる情報には限りがあるからです。
だからパソコンを開き、実績から動向を読み取る。
私は出社してすぐに最新の実績を見ます。
毎日続けていくと少しの変化に気付きます。
・今日はこれが売れている
・いつも売れている商品が売れていない
・売れ筋商品が実績に上がっていない
などなど、一目ですぐわかります。
戦略的な判断もフラットに出来ます。
明らかに売り足りない商品は発注を増やし、売れていない商品は減らすもしくはカットする。
実績を見れば一目でその判断は出来ます。
しかし、実績だけでは見えない範囲があるんです。
●実績の落とし穴
まずはヒューマンエラーによるロスです。
実績はあくまで結果にすぎません。
発注→販売にかけての流れが完璧に連動し、安定しているのであればそういったロスはありませんが、どこかで人が絡んでいる場合が多いです。
だからこそ、そこのブレが実績からは読み取りにくい。
例えば、
・今日はこれが売れている→商品を仕入れすぎて安く売った
・いつも売れている商品が売れていない→欠員による生産不足
・売れ筋商品が実績に上がっていない→仕入れミスによる欠品
こういった事は数字の変化は気付けても原因まではわからないです。
なので実績を見て判断するためには、ある程度商品の供給が安定した環境でなければなりません。
こういったヒューマンエラーが日常的に起こる環境の実績は当てにならないという事ですね。
次に現場環境の把握不足です。
実績を見て判断するのは簡単ですが、現場がそれを体現可能なのか?という点です。
ぶちゃけ、人件費率で判断できるし、判断しなければいけない場面もあります。
しかし、生産性は人の数だけではありません。
作業同線がどうなっているのか、備品や設備の破損、劣化による作業性の悪化が無いかなどといった要因もあります。
これらを判断する為には、実績だけではなく現場の声に耳を傾ける必要があります。
●感覚
私の場合は新店立上げ時とかがそうですかね。
土台を作らないといけないので、現場時間が増えます。
現場時間が長くなると、
実績を見なくても、目で見えているので実績を見なくなっていくんですね。
そしてここが落とし穴です。
確かに、現場で働いていると直接見えているので実績を見なくてもある程度の結果は予想できます。
そしてその予想はほぼ当たります。
だから『見なくてもいーじゃん!』ってなるんですね。
この落とし穴は後で説明します。
そして現場に長くいる事で実績だけでは見えなかった背景が見えてきます。
先ほど述べた、ヒューマンエラーの部分ですね。
その他にも人員体制や職場環境面などなど、距離が近い分さまざまな事が見えてきます。
その瞬間瞬間に見えるので、問題の発見から改善までをスピーディーに行う事が出来ます。
●感覚の落とし穴
この感覚には落とし穴があります。
まず1つは、その感覚を維持するためには現場に居続けなければいけないどいう事。
それがあなたの役割なら良いですが、他の役割や仕事が出来た時に苦労します。
そして次に、その感覚は本当に全てを把握できているのか?という点です。
扱っている規模にもよりますが、そのすべての商品を本当に感覚で把握しきれるのか?
正直、厳しいと思うし、出来てもそこに使う体力は結構な物。
そしてその感覚を努力とリンクさせてしまっている時がある。
そうするとどうなるのか?
頑張ったのに売上が思ったより伸びていないといった事が起こります。
これ結構あるあるなんです。
原因は簡単で、実績や数字を把握していないからです。
量を売っても単価が低いから売上がいかない。
例えば、
通常1個100円で1日10個売れる商品を50円で売るとします。
通常は1000円売れているんだから、最低20個は売らないと通常より売上を落としてしまうんですね。
もっと言うとその商品で儲けさせるのであればもっと売らないといけない。
こういった計算が抜けてしまっているんです。
だから頑張ったけどそんな結果にならないといった現象が起こります。
この辺りはしっかり日々の実績を捉えたうえで判断をしないといけません。
次に、見え過ぎてしまうという点です。
現場にいるとさまざまな事が見えて良い事もあるんですが、見え過ぎてしまって判断が鈍る事もあります。
管理職や経営者は時にはフラットな判断が必要になります。
でも現場を知りすぎているが故に出来なくなる。
他にも、『自分がやった方が早い』とか、『申し訳ないから』といって任せたり、自分の役割出ない事までやってしまい、本来の役割に時間をさけなくなる。
これも結構あるあるですね。
情も湧いてしまうので、こういった判断が適切に出来なくなるケースがあります。
●実績と感覚
いかがでしょうか。
実績と感覚。どちらも言い悪い側面があります。
自分の役割や状況によってその比重を使い分け、適切な判断をしていかなければならないですね。
この辺はもっと深掘りできますが、本日はこの2つ違いを説明する記事なのでまた別記事で深掘りしていきます。
本日は以上でーす。
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