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第1回『絶対ナキテー 2023』記念講演|悩めるキミへ送るシューカツ論

これは自称「いつマイナビから登壇依頼が来てもダイジョーブな人間」による大層ご立派なシューカツ講演の文字起こし版ある。

初めに

ふんぞり返りたかった先週

みなさん、ごきげよう。わいです。
無駄はしない主義だから早速話題に入るけど、先週シューカツ生たちと話をしたんだ。

「学生時代に頑張ったことは、、ありません。。」

だーよね。ほんとにそう。
シューカツしていた(一年前の)当時から
『てか、人生頑張んないといけないわけ?』という反骨精神をひた隠しにし続けてきた私は、
せっかくの先輩ヅラする機会を逃してしまって、『そーだよねえ。』としか言えなかった。

惜しいことをした。

たいそうご立派な返事ができるぞ

そう。だからこの場を借りて改めてtheyたちに返事をして、いい気になってやるのだ。

「頑張ったことは、、受験勉強くらい。。」
『そうね。』
「でも高校時代のことはあまり印象よくないのかな、、」
『そーうだね。(汗』
前の自分ならきっとこうしか答えられなかったに違いない。

ハッハッ、ハ。
しかし。
今や私は、若者の心理や就活に関する3冊の本から着想し、
思考を重ねに重ねメモ(カンペ)を作成し、
いつマイナビから登壇依頼が来てもダイジョーブな人間になったから安心して返事を聞いてくれ。
あ、リクナビも待ってますよ。

お前はなに?

返事をするまえに、すこし私のシューカツ事情を簡単にお話しておく。

4月-イー=エス書きまくる。全部落ちる。
8月-1社いんたーん
12月-シューカツ再開
1月-第一シボーに落ちる。
3月-新しい第一シボーに受かる。終える。

以上だ。

正直、私の経歴なんぞどうでもいいが、数々の名だたるシューカツコンサルタントと同列であることを付け加えておきたい。
すでに戦いの終わった安全圏から結果論として述べているのである。ゴッホン。

今は、卒論に追われている立派な身であるのだよ。

だから、話半分に聞いておいてほしいのだけど、
「スキ」のタップは、もれなく全集中で頼むぞ。ええ、流行には敏感なんだよ。

本論:悩めるキミへ送るシューカツ論

――ジゴブンセキ
じゃあ、満を持して。

頑張ったことは、ありません?

自己研鑽、努力、汗、継続、根性、困難。
受験勉強や中高の部活を思い起こしたキミは「頑張ったこと」に結びつけた言葉はこのあたりだと思う。
そうなんだよ。たしかに凄かった。キミは立派だ。

私も勤勉に努力して困難を乗り越えていった中高時代の日々を思い出す。
いまや、その面影もない。
大学生なんだから致し方ないとはいえ、”誠実さ”までは忘れたくはなかったよ。(会場の失笑)

でも案外、傍から見たら「すごいよそれ」って思うことってあるのだよ。

例えば、今までちゃんとくつ下をたたんできた人。それはすごいことだ。
いまや私は、くつ下は出窓でホンノリ温めてからじゃないと履けない。
他にもバイトで遅刻しない人サークルでおそろいのデザインパーカーを作った人
私から見たら『そんなの最後までやりきるのはすごいことだ。継続してできているなんて!』と思う。

きっとストイックで完璧主義なキミは「それは頑張ってやったことじゃない!」と言うかもしれない。
でも100人いたら、100人みんなは出来ないことなのだよ。

たしかに困難や汗がない。そうか。

でも、自然にやってきたことが、視点を変えたら人から頑張ってると見えることもあるのではないかな。
だから十分頑張ったと胸を張っていいと思うのだよ。

自然にやれてきたことをこれからも頑張って(いつも通りにやって)生きたほうがストレスがないのではないかな。定年まで受験勉強はつらいでしょう。

純粋でやさしいキミは、バイト先の売り上げを10%上げちゃえる人でない、と私は考えているのだよ。

長所、ありませんね。そんなもの。

ところで、長所についても悩んでるみたいだね。
本当に悲しい話だが、日本の若者の自己肯定感は低いらしい。
私も当時真剣に熟考した結果が「ない」だったから、痛いほど分かるんだ。

ではここであるドラマを紹介しよう。
『僕らは奇跡でできている』だ。これはガールフレンドに勧められた、どちらも遠い過去の話になってしまったが私の転換期として重要な役割を果たしている、作品で印象深いエピソードがある。

きっと何かのきっかけになるから、思い出せる限りでお伝えしたい。

これは主人公の一風変わった大学教授(高橋一生)とそのご近所の子ども(子役)の会話。
公『僕は童(子役)のすごいところ100コ知ってるよ。』
童「僕にいいところなんてないよ!」
公『いただきますするところ、歯磨きするところ、、』
これを聞きつけた歯医者さん(榮倉奈々)。
君「そんな普通にできること、すごいって言わないですよ!」
公『どうしてみんなができることができても、すごくないんですか?

どうだろうか。多少、先の話に近しいものがある。
シューカツに疲れたらぜひこのドラマを見るといい。ほんとうだ。

いい話になってきたかもしれないが、かといってメンセツで話せる長所ではないとも思うのだ。困る。

おそらくキミは”普通”だしな。

でも大丈夫だ。
キミにはくつ下をたためる丁寧さがあるし、バイトに遅れない真面目さもある。
みんなに似合うようなデザインを考えられる想像力もあるんだ。

――ギョーカイ・キギョーブンセキ

湿っぽくなってきてしまったかね。グスン。
いたく感動的な話だったから、私も涙腺があれば泣いてたかもしれない。
まだまだ続くから、さあ涙を拭いて。ようやく舌があったまってきたんだ。
キミは自分に合うギョーカイ・キギョー探しに悩んでいるようにも見えた。

キミにあうギョーカイ探し

突然だが、キミはショッピングモールにきた。大事なデートのための洋服を買い求めに来たのだ。ここで失敗したくないね。

さて、どのお店にしようか?
悩むがここはGUにしよう。若者向けの大手アパレルでオシャレなブランドだ。
お財布事情もしっかり分かってくれてる。安心のブランドなのだ。
ここで選べばデートは大成功に違いない

ところで、キミは人生にとって大事なシン=ソツニューシャするキギョーを選ばなくてはならなかったのだ。
さて、キミにあうギョーカイはどこだろうか。

フドーさんギョーカイを選んでみよう。テキショク診断でもばっちり合ってるって。メンセツも何度かした。順調。これでキミのシューカツも安泰に、、と思った矢先、こんなことを言われる。

「(競合他社の)B社とウチは全然違うキギョーだよ?
『。。。』

これは実際に私が言われたことで、ちゃぶ台(正確にはPC)をひっくり返したくなった出来事の一つなのだけど、大事なことだったと後で分かったんだ。

やっぱり世の中、時間がたって分かることもあるんだ。あの子はもう戻ってこない。(静まり返る会場)
…少し変な空気だから換気をしよう。私の心もシッカリと”君”に換気したつもりが――。(沈まり帰るお客)

さて、GUはブランド力をもち、どの服も一定の特徴を持ってるけど、ギョーカイはそうじゃない
だから、必ずしもギョーカイにこだわってキギョーを選ぶ必要はないと思うんだ。

ほんとうにキミにあうキギョー?

場面は再びショッピングモールだ。気に入った服を見つけたキミは、ばっちり試着してからコレしかないと思い購入した。キミの審美眼に狂いはない。デートに失敗するとしたら、きっと天が落ちてくるとかに違いない。

じゃあ、キミにあうキギョーを見つけるにはどうしたらいいのだろうか。そう、セツメイかいに参加したり、いんたーんに行けばいい。
ちゃんとお試ししてからじゃないと。うん。

でも待って。買ってきた服だって家に帰って着てみたら、思ってたのと違うってこともあるんだ。
ショップの人の魔法なのか、お店の雰囲気なのか、実に不思議な体験なのだが。

そう。セツメイかいに参加してもいんたーんに行っても、キミにあわない可能性だってある。
もっと言うと天が落ちてくる可能性が大いに考えられるのがシューカツなのかもしれない。

では、ここで数々の山を越えてきたご立派な私が、貴重でまたとなーい、ありがたーい”シューカツの真理”を告げよう。大事なことなので、ここだけは聞いてくれ。

キミにあうキギョーかはニューシャしてからしか分からない。

他のシューカツコンサルタントも親も分からない。キミのことだし。
物理的にもたぶんムリ、全部に袖を通さないといけないから。

だからまだシューショクしてない私にもナイテー先が自分に合うキギョーかは分からないのだよ。

だから心配する必要なんてないのだ。

ただし、今回だけ特別にお求めいただける、
『絶対ツボー 2023』を玄関に置くと、絶対キミにあうキギョーが舞い降りてきます。絶対です。
お帰りの際は忘れないよう、財布をお手にお持ちください。あ、ハンカチも大いに結構です。ガッハッハ。

悩めるキミへ

辛かったら泣いてもいいんだ。

話せるエピソードなんてない。」そう悩めるキミはとっても素敵だ。メンセツで言うわけにもいかないけど、とても謙虚だと感じるんだ。

今きっとキミの気力は最大限にそがれてしまったんだ。でもキミはまだ勇気をもって、なお戦おうとしている。
いや戦っている。ボロボロなのにこうしてシューカツに向き合っている。アンパンマンより立派じゃないか

一旦休んでしまってもいいんだ。誰かがいった有名な言葉がある、少なくともアンパンマンではないのだが、「戦いの必勝法は負ける相手とは戦わないこと。」というものだ。
だからもし、もう無理だと思ったら逃げてもいいんだ。そしていつかまた戦えればいい。

自分に合うキギョーがなんなのか。どこのギョーカイがいいのか。
もしかしたら悩まなくてもいいのかもしれない
一生懸命向き合って選んだキギョーが自分に合うのか、ふたを開けてみないと分からないのだ。
でも分かるぞ。なにか重大なことを見逃しているような気がしてくることが。

終わりに

theyたちに返したかった言葉は以上だ。問わず語りも私の特権だ。
旋風とまではいかないが、つむじ風くらいの先輩風は吹かせられたに違いない。

おっと、字数が4000字超えたって?
よおし、体裁整え無駄話を水増しにして卒論にしてしまおう。

ん?何か言ったかな?
まあいいじゃないか。私は気持ち良かったんだから。()

とにもかくにも、この辺で。
最後まで、ご清聴をありがとう。

「スキ」は忘れずに。


参考文献

内田樹『下流思考 学ばない子供たち 働かない若者たち』講談社文庫 2009年
香山リカ『就職がこわい』講談社+α文庫 2008年
パオロ・マッツァリーノ『つっこみ力』ちくま新書 2007年