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「真崎の大雪」-差し色で一気におしゃれに!A/W19c-『銀世界東十二景』

普通に日付変わる直前まで眠りこけてました…。
三日坊主なんて夢のまた夢になるところでした…。

さ、つべこべ言ってないで調べます!

そんな窮地に立った今日も広重。今回は『銀世界東十二景』の「真崎の大雪」です。

国立国会図書館蔵

真崎といえば、以前に『名所江戸百景』でやたらと画面に花がセットで描かれていた場所ですね。
今回は雪で、しかも大雪なので花が咲いている様子は流石に描かれないですよね…。

国立国会図書館

広重の『名所江戸百景』「真崎辺より水神の森内川関屋の里を見る図」です。
小ぶりな梅ではありますが季節感がしっかりと描写されています。
こうして花とセットなのはもう一枚。


国立国会図書館蔵

広重の『名所江戸百景』「隅田川水神の森真崎」です。

こうして春を予感させる桃色の花が画面上部に配置され、その下に水神の森や筑波山、隅田川が描きこまれています。


春や冬の終わりにこうした景色を見せる真崎ですが、今回は雪景色、しかも大雪。笑

描きこまれているのは水神の森、そして隅田川。

ここ近辺なので、川を越えて見ているとなると「東武博物館」とある文字の"東武"のあたりから見ているということでしょう。


背景の鳥居二つが木々に紛れて存在感が微妙になっていますが、れっきとした歴史的建造物。


https://www.ishihamajinja.jp/境内紹介-

単体として現存はしていないみたいです。
内在しているらしい。

ご祭神は、豊受姫神(とようけひめのかみ)、天文年間に石浜城城主となった千葉之介守胤が、ここに一族一党の隆昌を祈って宮柱を築き、先祖伝来の武運守護の、尊い宝珠を奉納安置申して以来、真先かける武功という意味にちなみ、真先稲荷として世に知られました。
大正15年(1926)、石浜神社に併合されました。

武功を祈って建てられた稲荷。

石浜神社の一部になったのは意外と100年前くらい。
古いのか最近なのかなんとも言えない歴史ですね笑。でも真崎神社自体は天文年間ということで室町時代の話。
真崎神社自体は500年前から歴史があるというわけです。

今回の絵はそういった歴史的な建物を背景に、川の上で仕事をする人々を描いています。

大雪ということで、川面もしゃりしゃりしているのではないかと想像できますね。
手がかじかむどころではなく、感覚がなくなりただ腕の先についてるナニかでしかなくなりそう笑。

彼らの衣服の青が非常に鮮烈で、同系色でまとめられた雪景色に色を差していますね。
ここにその青もなかったら"殺風景"といえてしまいますね。

雪が降る中の水の青よりも鮮明で、衣服は無機物でありながらも生命力を感じる青です。

それと対比して、神社の境内にある赤い建物はこれもまた鮮烈な色をしています。

寒々とした雪景色の中に鮮烈な赤と青の対比が存在することでその中で生きる人間の生命力を見出すことができます。


今日はここまで!
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