より少ない時間でより多くの仕事を終わらせる方法
より少ない時間でより多くの仕事を終わらせる方法- パーソナルな生産性調査結果から考える。 私たちナレッジワーカーは、いかに一定時間内で仕事を終わらせられるかが常に求められています。最近の調査結果から意外な内情が見えてきました。
日頃の日常に忙殺される身にとって、どうしたら生産性を上げて仕事を期限内に終わらせられるかは、非常に大きな関心事です。
ビジネスマンの生産性については、デイビッド・アレン氏のGetting Things Done(GTD) - 「ストレスフリーの整理術」が有名です。
少し前のデータですが、デイビッド・アレン氏の教え子であり生産性のコンサルタントであるティアゴ・フォーテ氏がこの点を調査したところ、9ヶ月で240%生産性の向上を達成することができました。
より少ない時間でより多くの仕事を終わらせる方法
フォーテ氏は、GTDのタスク管理について全てのタスクにかかる時間を9ヶ月(39週間)にわたって計測しました。
これには、タスク管理ツールと時間計測ツールの2つのアプリを使い、彼自身が関与した全てのタスクに必要とされた時間を計測しました。その結果、12の落とし穴と12の弱点が明らかになったのです。
このうちの2つが、生産性のコンファレンス(Evernoteの本社で開催されたthe Silicon Valley QS Meetup)とデイビッド・アレン氏のインナーサークルで、「4つの生産性向上と2つの生産性低下の実態」として公開されました。
生産性向上の要因
フォーテ氏が分析した「4つの生産性向上の要因」とは、次の通りです。
1. より多くのプロジェクトを同時進行させる
2. 複数のタスクを切り替える
3. より多くの時間を投入する
4. Eメールにより多くの時間を使う
これに対して、「生産性低下を招いた要因」は次の通りです。
1. 1つの仕事に集中し、より多くの時間を使う
2. より多くの時間を会議に使う
これらは、いずれもアメリカの生産性の直感的な常識と考えられているものとは、真逆の結果となりました。
例えば、GTDでは数分以内に終わらせられるタスクは、その場ですぐに完結しろと言います。
しかし、この実験の結果からは、これはToDoタスクとしてあとから一括処理するか、関連するプロジェクトで全体を把握して同時に処理した方が効率的であることが分かったのです。
ここから、次の2つのことが見えてきました。
2つの発見
1. 単純化された生産性の常識は、必ずしも正しくない
2. 適切な制約条件はパフォーマンスを向上させる
つまり、この生産性の向上が可能であることを前提にした意識改革で、9ヶ月で240%という大幅な改善が起こる点が大きな発見でした。
またこれに付け加えれば、GTDの1つの弱点であるすぐに行動を要求しないリソースの範囲に含まれる知識管理(ナレッジマネジメント)を同時進行させる必要があります。
なぜならば、単に生産性を上げて仕事を完了させるのがプロジェクトの本来の目的ではないからです。そこには、いかにより高い価値を生み出すかという視点が必要です。
そのためには、自分の過去の経験、成果物、ナレッジに加え、日常的に収集された知識をジャストインタイムでプロジェクトに投入する必要があるからです。
ますます加速するデジタル社会で、ナレッジワーカーは時間やプロジェクトの制約の中から、より大きな価値を創り出すスキルが求められていると言えます。
関連リンク
参照リンク
Tiago Forte - Getting Things Done, Quantified
My Conversation with David Allen on Quantifying Productivity
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?