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Gift Music プロジェクト / 紀尾井ホール re-connetするシルクロード 公演を終えて。

怒涛の12月が終わります。

今年、このコロナの状況の中で、SILKROAD JAPANとして「Gift Musicプロジェクト」、そして12/21の「re-connectするシルクロード」公演のためにひた走ってきた日々でした。


今回、企画、制作、音楽監修、演出、出演、全部やるという笑、初めての経験でしたが、ほんとうに素晴らしい出演者、スタッフ、たくさんの方々のご助力のもと、成し遂げられたことだと思います。ほんとうにみなさん、ありがとうございました。そして、共に走り抜けてくれた共同代表の澤入に、感謝。ありがとう。

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思い返すに、フリーの雅楽・笙奏者の「大塚惇平」として、今のこの社会の中で音を出すことはどういうことかということを切実に探求した結果がこれだったのではないかと思います。



それは贈与論的に言えば、圧倒的な「笙の響き」を「受け取ってしまった」かつての僕が、この素晴らしさをどうパスしていけばよいのだろうと探求した結果なのだろうと。

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かつてピナバウシュがあるダンサーに対して「私はあなたがどのように身体を動かすのかではなく、何があなたにそのような動きをさせるのかに興味がある」と言ったというエピソードを、よくコントラバス奏者の齋藤徹さんが引用されていました。僕自身も同じで、音楽そのもののディテールよりも、「なぜその音がそこで鳴っているのか」という抽象的なところに興味が向かってしまうところがあります。


音や響きというのは、「それだけ」で鳴っているのではありません。楽器、素材、人、環境、社会、歴史、自然・・・それを取り巻くあらゆるすべてが関係して「鳴って」います。そういうあらゆるものがひとつの「音」に集約して現れてしまう、そのことに音楽を聴くこと・することの面白さ、ダイナミズムがあります。

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今回のre-connectするシルクロード公演への個人的な動機のひとつに、「異なる他者とどう関わることができるのか」ということがあったと思います。僕自身は、どちらかと言えば人付き合いは苦手で、一人静かに自然と対話している方が落ち着くタイプで、でも、その傾向が強いからこそ、逆に振れたい、まったく自分と違う人のところに突っ込んでいきたい衝動があります。人と関わるとはどういうことなんだろうと。

音がその人という「カタチ」を表わすものなのだとしたら、それが響き合うというのはどういうことなのだろう。笙の音という「カタチ」を選んだ私が、どう他の楽器や、人と関わっていけるのだろう。そこに僕自身の好奇心がある気がします。

それだけではなくて、その楽器を選ぶということは、その歴史や、それに関わってきた数えきれない多くの人々とつながるということでもあります。その問いが、世界と「すでに」どうつながっているのか、ということに行き着くのであれば、

「re-connect」とは、つながりなおすということだけでなく、すべてはつながっているという事実を新たにする、ということでもあるのかもしれません。

今回の舞台に関わってくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました!この流れは来年にも続いていきます。2021年も、どうぞ宜しくお願いいたします!!!

Photo : 唐享

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