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050 四月二十五日、今回も一日だけの災害ボランティア②

 聞き取り調査のボランティア要員は私を入れて16人。それを二手に分け、二台のハイエースに分乗したのです。それぞれ運転手とナビゲーターを付けて。しかし行先は車で40分ほど。何度か七尾に来たけど渋滞がない道路で40分とは、七尾市、結構広いと察しました。
 元より何処を通ったか土地勘ない私がわかるわけないです。それでも二人一組に渡された地図から、調査者の凡その割り振りはわかりました。四組八人で調査しますが、まず調査位地域の一番奥まで車を進めて第一陣を降ろし、引き返しながら第二陣以降を降ろすというやり方です。私の組は三番目に降ろされました。
 そこは正に集落。舗装されてるので山道でも林道でもないけど、郊外や住宅地と云われる土地では全くない、自然と背中合わせになってる地域と思いました。私たちはすぐ田園を歩く女性を見つけ、話しを聞くことが出来ました。
 と言っても聞きだしたのは専ら私とペアを組んだ相方の方で、私は付き添い、殆ど相槌を打つだけでした。といっても一対一だと話し上手な人でも緊張するはずなので、私は何も訊かなくても役に立ってると思ってました。
 かなり話し込んだ後で道路に戻り、改めて一件ずつ訪問することにしました。ちょうど縁側みたいな廊下に人影があったので、相方が声をかけてくれました。今回も女性で、最初にインタビューした女性とともにご高齢と見受けられるのに、肌がきれいで声もしゃんとしてる。私はお二人に関して、話しの内容よりもその元気なお姿に感銘を受けたのです。
 内容に関してはプライバシーの問題もあって書けないのですが、驚くのはその集落の各々の家族の状況を知っていらしたこと。それらを聞き取れたおかげでその集落に関しては一軒ずつ訪問する手間を省くことが出来ました。集落はこんな濃密な関係なんだと驚いたところです。二件目が長引いたところにボランティア要員に同乗してたナビゲーターの人が来てくれ、少しさらに話した後で午前の活動は終了となりました。
 しかし七尾市文化ホールに戻ることはなく、昼食を摂ったのは七尾市中島文化センターの会議室のような部屋でした。しかし会議室に入る前、ハイエースから出る前に駐車場から見たその外観、それは正に二回目の七尾での災害ボランティア、仮仮置き場と間違って入った建物でした。反対方向からだったのでどう来たか皆目わからなかったですが、玄関は確かに見覚えがありました。
 そこでナビゲーターの人に私の携帯、iPhoneの電話番号を教え、私はナビゲーターの人の番号を教えていただきました。教えたのは長引いた時のナビゲーターからの連絡用、教えてくれたのは早く終わった場合のこちらからの連絡用です。
 そして午後の部です。今度は集落というより住宅街で、すでにボランティアが来て片づけてくれたという家屋もありました。集落の家と共通ですが、総じて一軒が広い家が多かったです。また自分の境遇を大変と語る被災者はいたけど、インタビューに応じてくれた人は総じてみんな元気。特に午前の部のご高齢の二人の女性は、元気をもらうというのはこのことかと実感しました。
 結局話が長引いた四件目でナビゲーターの人から連絡が入り、私が車道の目立つ場所に待機して、ハイエースに乗り込んで帰途に着いたのです。乗る前にナビゲータの人を四件目に案内してしばらく後に車に戻ったのですが、運転手を含めた他のボランティアの人が心配してくれたか、全員迎えに来てくれて嬉しかったです。
 ボランティアに関しての今回の報告は以上です。正直私自身の失敗で残念な思いをしたことは(今回の日にち間違いを含めて)何回もあったけど、ボランティアの作業では私に気を使ってくれたこともあっていい思い出しかないです。だから半ば病みつきになってると実感。正直、能登(の人)に惚れかけてます。(大塩高志)

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