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ヴァイオリン・ソナタ 第9番 「クロイツェル」 ベートーヴェン ~ 心が折れそうになったときのプレイリスト 第267曲

<タイトル>

ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47 「クロイツェル」

<作曲者>

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

<おすすめ盤>

ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)

マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)

<解説>

10曲あるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの中で、第5番「春」と並んで知られているナンバーです。

タイトルの由来はヴェルサイユ生まれのヴァイオリニスト、クロイツェルに献呈されたところからつけられています。

しかし、当のクロイツェルは、この曲を「不可解千万」として、ついに一度も演奏をすることはありませんでした。

そもそもこの曲は、はじめイギリスから演奏旅行に来ていたヴァイオリニスト、ブリッジタワーのために書かれたのですが、彼の気取った態度が気に食わないとして、結局クロイツェルのほうに捧げられたという、なかなかめんどうくさい経緯を持っています。

初演はブリッジタワーとベートーヴェン自身であり、それ自体は大成功を収めたのですが。

ベートーヴェン自身が「ほとんど協奏曲のように書いた」と述べているように、とにかくヴァイオリンとピアノの丁々発止になっており、熱気ムンムン、体臭ムラムラな名曲です(コラ)

ロシアの文豪トルストイが、同名小説の中で、夫が妻を殺害する動機として使用し、さらに有名になったと言います。

さらには、その小説からの影響で、チェコの作曲家ヤナーチェクが弦楽四重奏曲を書いたり、こちらもややこしいです。

なんにしても、個人的に、夏になると聴きたくなる一曲です。

うだる暑さの中、この曲をかけたら、どうなるでしょうね(汗)

おすすめはスタンダード盤とも言えるクレーメルとアルゲリッチの共演です。

このサラッと弾いてしまっている感じ、いかにも天才どうしと言いますか。

暑苦しい曲にもかかわらず、クールな印象を受けます。

夏場はこれで渇きを癒やすのも悪くありません。


第1楽章


第2楽章


第3楽章


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