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「交響曲 ニ短調」 フランク ~ 心が折れそうになったときのプレイリスト 第401曲

<タイトル>

交響曲 ニ短調

<作曲者>

セザール・フランク

<おすすめ音源>

オットー・クレンペラー(指揮)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

アラン・アルティノグリュ(指揮)
フランクフルト放送交響楽団

<解説>

 ベルギーの作曲家・オルガニストであるフランクによる交響曲で、最晩年に書かれました。

 彼の弟子たちからすすめられる形で作曲された経緯があります。

 フランク自身が考案した、「循環形式」という作曲技法によっているところが特徴です。

 いくつかのテーマを複雑に絡み合わせるというもので、先輩であるフランスの作曲家ベルリオーズが生み出した「固定楽想イデー・フィクス」というやり方に、古典的なポリフォニー音楽からの着想を付加したものになります。

 ここにはフランクがすぐれたオルガン奏者であったことも効いているのではないでしょうか。

 全3楽章で構成されますが、あたかもひとつなぎであるように工夫されており、めまぐるしい転調がクセになります。

 個人的には聴けば聴くほど味の出る、いわゆる「スルメ曲」の部類ですね。

 断片的に奏でられる美しい旋律がトリップ感を誘います。

 初演の結果は芳しくなく、当時の交響曲には珍しいイングリッシュ・ホルンを使用していたこともあり、シャルル・グノーなどから痛烈な批判を浴びました。

 しかしフランク自身は意に介しておらず、「思ったとおりの音が出たよ」と家族に話していたんだとか。

 この辺に彼の人となりが現れていて、なんだかほっこりとしてしまいます。

 かくありたいものですね。

 音源のおすすめは比較的よく取り出すクレンペラーものを挙げてみます。

 いかにも御大らしい重厚な音楽空間がたまらない名盤です。

 映像で見たい方にはアルティノグリュさんのライブをどうぞ。

 精緻な音楽作りにスカッとする名演になっております。

 一般にはそれほど有名な曲ではありませんが、クラシックになじんでいる層にとってはファンの多い名曲という立ち位置のマスターピースです。

 こういう名曲も今後たくさん紹介したいですね。

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