世界最古の企業にみる、ひとの想い
老舗だらけの京都府からこんにちは!安藤です(≧∀≦)
なんせ京都は老舗が多い!実際、老舗企業は京都が一番多いという調査結果があるようですが、和暦で「創業〇〇年」と書いてあるのを見かけると、日本史が超苦手だった私は「え、それ何時代?👀」とググってびっくりするほど、老舗企業が多い印象です。
日本全国津々浦々、長い歴史を誇る企業というのは、知らないだけで意外とあるんでしょうね^^
ところで、日本で一番古い会社が、実は世界で一番古い会社であることをご存知でしょうか??
■日本一古い企業は世界一古い企業!
世界で一番古い会社といわれているのは、大阪に本社をおく金剛組(現 株式会社金剛組)。
創業が西暦578年の寺社建築を担ってきた伝統企業で、今日まで1400年以上も続いている超老舗です。
ホームページの沿革に「聖徳太子」という文字を他で見かけることはほとんどないと思いますが、これを読んだだけで長い年月を存続してきた、威厳のようなものを感じます!
四天王寺を護ることを命じられた金剛家は四天王寺に仕え続け、金剛家の当主は代々「正大工職(=四天王寺お抱え大工)」という称号を賜り、天災や火災に見舞われてきた四天王寺を何度も再建してきたそうです。
それなりに歴史のある企業であれば大なり小なり苦難はあるものです。長い歴史の中で数々の困難を乗り越えてきた金剛組も、ついに2005年、会社更生法か民事再生法、どちらかを申請しなければならないという、絶体絶命の状況が訪れました。
1400年の歴史に幕を下ろさなければならないかもしれない、このピンチを救ったのは何だったのでしょうか?
金剛組のメインバンクは、りそな銀行でした。
金剛組と同じく大阪で活躍する髙松建設もまたメインバンクがりそな銀行であり、銀行が金剛組の救済を髙松建設に打診。当時の髙松建設の会長は、「金剛組を潰したら大阪の恥」と金剛組救済に応じました。
そして追記すべきは、髙松建設だけでなく関わる多くの人や会社が、「金剛組の伝統を守らなければならない」と感じ、支援したことです。
1400年という時を越え受け継がれてきた高い技術、代々金剛組に集い共に切磋琢磨してきた優秀な宮大工を抱える、日本屈指の伝統企業を倒産させてはいけない。1400年守り続けてきた技術、人材が失われ、日本の大切な文化が損なわれてしまう。
関わる人々のこうした想いによって、金剛組は髙松建設の出資や協力を受け、新しい金剛組を設立したのでした。
■組織は ”ひと” でできているから
経営の「け」の字もきちんと理解していない私なんかでは想像し得ない、語られてはいないさまざまなことがあったのだと思いますが、金剛組が誇る1400年の歴史を守ったのは、ただ利己的に利潤を追求することを良しとしない、日本を想う現代の経営者だったのです。
私はこのお話から、どんな世界、社会であっても、少なくとも日本の企業はこうであってほしいなと感じました。
義理人情 ”だけ” があれば、実際の経営課題が何もかも解決するとは思いません。それでも、関わる人を真に動かすのは、ひとの想いの大きさや熱量みたいなものだと思うのです。それは、時に「義理人情」と呼び、時に「やさしさ」と呼ぶのかもしれません。
先日の記事にも書きましたが、変化が激しい昨今、これまで通りの方法で事業をし続けることや、何か一つのことだけをやり続けるだけでは、企業の存続そのものが難しい時代になっていると思います。建設業も同じです。
何か新しいことをするにしても、どんなに時代が変わろうとも、当たり前に人を想うことができ、人を大切にできる企業……そんな企業で働きながら貢献したいなと思うし、そんな企業の一員として ”私が在る” ことが、まず私にできることだなと思いました^^
企業であろうと行政であろうと何であろうと。
組織は ”ひと” で、できているから。
(参考にさせていただいたサイト。ありがとうございました^^)