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あの日の君に恋をした。第二話

「今日から大学生活始まるのか~」
大学四年間の説明が初日である今日行われる。
なんでこんな誰も聞いてないようなものを聞きに行くのだろうか。
そう、大学に到着するまではそう思っていた。
大学についた瞬間入学式で見かけた子に出会った。
一瞬目が合った気がする。
「やっぱり」
これが運命ならきっとずっと一緒に歩んでいけるんだろうな。
そうおもったのも束の間

僕自身大学生までまともに人を好きになったことがないのだから。
人生において恋したことがあるのはたったの三回だけだった。
こんな僕に女の子との関わり方がわかるのだろうか。
わかるはずもない。

そんな事を悩んでいたら1週間が過ぎていた。
大学の初授業が始まった。
「これからグループに分かれて、社会に出た時に行われるようなプロジェクトの疑似演習をこの十行では行う!」
僕は心が弾んでいた。大学生活面白そうな壁が立ち向かってきた。
そう感じた。
よくあるロケットの失敗におわり墜落するパターンの人間であった。
「リーダー誰やる~」
とてもかわいく高校時代陽キャとして謳歌していたんだろうと感じる子
小池海が仕切り始めた。
海はとても愛嬌があり、不思議な人間だ。中二病といった方が近いのだろうか。
ただ愉快で楽しい人間だ。本人は高校時代、あんま目立つ方ではなかったと言っている。
そして、彼氏もいたことがないと言っていた。
「髪明るいの子が一番印象残っていいんじゃない?」
めんどくさい言いがかりのような言葉が聞こえる。
ちょうど僕は色が落ち金髪であった。
「賛成」「賛成」
次々と話が進んでいく。
「やだよ~、まとめれないもん」
なんとか断れないかと思ってひでは反論した。
しかし、大学生だ。みんなそんなめんどくさい仕事をしたいとは思わない。
「たのむ!ひでにまかせたいんだ」
あぁもうめんどくさい。
「べつにいいけど、どんな結果になってもしらないよ?」
みんなの表情が生き返った。
なんて単純なんだ。
言葉に出すのは正直恥ずかしかった。
しかし、やる気に満ち溢れていた僕は「OK」を出してしまったのだ。
実際、僕自身二番手で力を発揮するタイプであると感じている。
それは今まで部活動でも副キャプテンであったり、エースの支え役だったりした経験があるからだ。
一度アニメのキャラクターに憧れ学級委員をやったことがある。
その時は散々であった。
人に役を振るのが何よりも苦手であったのだ。恨まれたりしたらどうしようなどと考えてしまうのだ。

そんな僕が導くチームは壊滅的であった。

ひでは気持ちに正直な一面もあり、心の声が漏れた。
「はぁ~リーダーか~」
ため息をついた瞬間だ。
「ひで?ライン交換しよう」
たまたま高校時代試合をしたことがあった子から声をかけてもらえた。
その時の印象はとても最悪だったはずなのに、実際同じ学校の人間となると親近感
からかとても良さそうな人間に感じてしまった。
そこから近くにいた人間たちが集まってきた。
その中でも四人で仲良く話が進み始めた。大学生活が良いスタートをきれた匂いを感じた。
その4人の中の一人、山城康介はその後もずっと関わっていく人間だ。
とても穏やかで彼女思いのとても良いやつである。

そののちに、なごみと真一が加わる。
なごみは海の友達でおとなしく、少し壁を作るタイプの人間だ。
ただ内心はとてもクレイジーで面白く優しい。
しかし、なにか似ているところがある。なにかを感じる。
真一はなごみの事が大好きな純粋でちょっと遊んで気を引こうとしている根はいい人間だ。
やがていくつもの赤や青い糸が飛び交い始める。

「なごみ~、おまたせ~」
同じグループの陽キャ風女子である小池海が友達に授業が終わるのを待っていてもらっていた。
海の声につられ目線が持っていかれた。
そう、入学式にみかけた女の子であった。
まさか今日友達になった子の友達であった。
「しめた、これをきっかけに仲良くなろう。」
いつも好きになるのは時間が経って好きになる。
こんなのは初めてだ。そして、それがうまくいくのか、また失敗したらその時間はなんなんだろう。そう感じてしまうのだ。
ただ変わろう。今までの失敗を学ぼう。
大学生活を五月雨があけたと感じた。明けない五月雨はないとは感じてはいたがここにきて開け嬉しい気持ちでいっぱいだ。

「「恋をできそうかも。」」

作品一覧
第一章
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第十話 第十一話 第十二話 第十三話 第十四話


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