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あの日の君に恋をした。第8話

「僕はカメレオンだ」
この時に気が付いた。
今はカメレオンじゃないただ人にあわせてるだけなんだと。
変色はするけど濁っていてすぐにわかってしまう。
何物でもない僕が何者かになるために、留学を決意し、その日がやってきたのだ。

飛行機で遅延により8時間の足止めを食らってしまった。
どうやって振り替え輸送頼もう。
英語わからない。
たまたま迷子になっていた人に声を掛けたら日本人であった。
そう話してるうちに前から後ろから日本人がやってきた。
1人はペラペラに英語を喋れる子でその子に助けられ、無事国を渡ることができた。

「Hi! My name is Hidetoshi Kobayashi.
Please call me hide.」

片言な英語と学校生活が始まった。

愛だの恋だのするよりも今を楽しもう。
そして、終わった時に人を愛そう。そう考えていた。
僕はただ「大きな人間になりたかった。」
結果的に同じような道ではあるが物が変わってしまっている。
やっぱまだ自分の中にもう一人の自分が存在している。
それはそうだ。
芸術家の僕は「何物でもない僕が何者かになりたい」
破壊神の僕は「大きな人間になりたい」
そう思っていた。
そんなこんなで始まった留学生活。

生真面目そうで嫌味いってきそうな日本人の2個上の幸太(こうた)と筋肉ゴリラの同い年のThe体育会系の光(こう)がいた。
実際に話してみると幸太の方は気が合い大人だと感じた。
「お前はなんで留学来たん」
そう聞かれひでは答えることがない。
それもそう好きだった子が留学行くから来た。だなんて
しかもその子は直前になって留学がなくなり、ただひでが一人なだけなんて、笑えない。

それに乗っかるかのように光は答えた。
「俺は何も夢がなくてそれを見つけるために来た。」
僕もあながちそれは間違えていない。大きな人間になりたい。
まだそんな夢しかみていないからだ。

加えて詰めてくる光の目線はなにか腹が立つ。
自分は学歴もあると言ってきているように感じた。
実際英語は喋れてたし、行動もしてたから何も言えなかった。
ソンナ時に光から厳しい一言が光の如く僕にやってきた。
「お前、金払ってきているのにやる気ないのむだすぎる。」
実際にその通りだと思った。
しかし、僕は人に何かを言われる筋合いはないと感じていた。
だから別に良いだろう。「きにするな。自分」
このマインドで生きていた。

初日の登校。
ドキドキする。なんでだろう。
周りは全員英語だ。
「意識たけぇ~」
それでも僕は気にせず、日本語を喋っていた。
とても痛い目を感じた。しかし、それすら気にしない精神力をつけようと思っていたのだ。
結果3日もしないうちについてしまったのだ。
「もともと図太いところあるからな~」
そうひで自身も思っていた。

仲良くなった日本人はそこそこいた。
自分から声をかけて、連絡先を交換した。
普段連絡先なんて気を許さない限り渡していないのに背伸びしていた。
そのせいかなにか大切なことを忘れていた。

ひでは前日飛行機の遅延により、ホストファミリーとは別の家で学生寮みたいな感じの家であった。そのため話せていなく、次の日に話そうと言われていたことを忘れていたのだ。
急いで帰宅した。
ただ前日に家が変わったため、住所を知らない。
「どうしよう」と思ったひでは写真フォルダを見返したのだ。

推しのアクリルスタンドと一緒に家を撮っていたのだ。
その写真の住所からタクシーを捕まえ家に帰るとホストファミリーはパーティーがあるから今日は無理と言われたのだった。
「さすが海外、約束なんて気にしないのか」

その日は疲れて寝てしまった。
「夢に出てきたあの子誰だったんだろう。ただ今日見た子だよね多分。」

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