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鍼灸院に行った話①


【鍼灸院へ行けた】

鍼灸院へ行ってきた。

靴下を履くだけで、ブラジャーを着けるだけで、家のチャイムが鳴るだけで、パニック発作が出ていた、あの私が。
小雨降る朝に電車に乗り、邪念しかない東京のきたない道を歩いた。
知らない街の鍼灸院へ向かい、初めての場所で初めての先生に会った。
施術着に着替え、ベッドに寝転び、鍼を打たれ。
待ち、そして鍼を抜き、再び着替え、鍼灸院を出た。
その間パニックを出すこともなくただただ朗らかに施術を受けた。


【そもそもなんで鍼灸院に行きたかったのか】

そもそもなんで鍼灸院に行ったか、という話になるのだが時間を巻き戻すこと数ヶ月前。
コロナ罹患後から少しも収まらない腰痛をどうにか治す方法はないかと毎日調べていた私はある鍼灸院の名が頻繁に出てくることに気付く。

その鍼灸院はなんかよく分からないけどめっちゃ太い鍼を刺すらしい。しかも太いだけじゃなくてすんごく長いらしい。そんですごい痛いらしい。
でも、その効果は抜群だ、という噂。ふ〜ん…

その頃の私は今よりももっと衰弱しており病院に行っても待ち時間に何度も何度もパニックを出していた。
というより、一番安全なはずの家の中でもパニックを出しまくっていて、もうとてもじゃないけど腰の痛み如きで外に出られるような状況ではなかった。
パニック出したくない>>>>>>>>>>>>痛み、の状態。
でもそんな中でもこの状況をいつかはどうにかしたいという思いだけはきちんと持っていた。
そして出会ったのがその鍼灸院だった。

どうやら現役の鍼灸師さんたちの間でも人生で一度は絶対に行ってみたい鍼灸院らしい。
普段は西洋医学一辺倒のお医者さんたちもここの鍼を受けて東洋医学の凄さに衝撃を受けるらしい。
ここの鍼を一度受けるともう生涯、他院の鍼治療じゃ物足りない身体にされちゃうらしい。ふ〜〜ん…なにそれ…

めちゃ行きたいじゃん!!!!!

そんな訳で、ままならぬ身体を抱えたまま、私の中でまだ見ぬその鍼灸院への憧れがグングンと膨らんでいくことになる。

〈続く〉









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