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映画感想文│『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』上の子人生2度目の映画館

降りしきる雨の中、上の子の手を引いて新宿バルト9まで足を運んだ。目当ては「機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー」である。

初鑑賞のスーパー戦隊映画

私はゼンカイジャーを殆どマトモに観たことがない(フルで視聴したのは数える程度)し、そもそも戦隊モノは幼少期に観ていたジュウレンジャーやカクレンジャーくらいしか記憶に残っていない。そして幼少期にも劇場版は鑑賞したことがない。

それでもロボットだけは気になったので、我が家にはゼンカイジャーのロボットが一通り揃っている。

この後ジュランとガオーンも買った

そんなニワカと言うのもおこがましい私が何故苦労して本作を鑑賞しに劇場まで足を運んだのか…我が子がそう望んだからである。

そんな私なので映画自体を充分に楽しめたかと問われれば少しだけ返答を躊躇ってしまう。しかし観るからには真面目に鑑賞するのが映画に対する礼儀がモットーなので、少々退屈な場面があっても最後まで真面目に鑑賞してきた。


粗々あらすじ

ストーリーはスーパー戦隊ジャーズが焼肉を食べながらインフィニティ―ストーンを集めようとするロキみたいな奴を倒すような感じだった。単純で明快なストーリーは3歳の子供にもギリギリ伝わるようになっていて、こういった映画に馴染みのない私からすると「ほぉ、なるほど…」と思えた。

以前観に行った仮面ライダーより子供にとって理解しやすいだろうし、ゼンカイジャーらしい能天気な雰囲気に、我が子が声を上げて笑う場面も幾つか見られた。キミが楽しそうでお父さんは何よりだ。

ただ残念なことにキラメイジャーもセンパイジャーも私にとってはほぼ初めましての方々であり、大大大センパイジャーくらいでないとオジサンはついて行けそうになかった。

とは言えオジサンにしか伝わらなさそうな小ネタやパロディは随所に散りばめられており、私のようなお父さんたちへの配慮(?)も感じられた。主張が強めの黄色い2代目や大食いアイドル(?)もきっとそういう存在だったのだろう。

オジサンの心を掴んだ悪役たち

そんな中で特にオジサンが感心したのは悪役たちのネーミングセンスと火薬の量、そして登場シーンのカッコ良さだった。

悪役の名前は、言ってしまえば単なるダジャレなのだが、それ故どんなキャラクターなのかが出てきただけで理解できて、子供に説明してやるのに苦労しない。特に今回の親玉として登場した彼については子供への教訓に繋がるナイスな設定だったのではないだろうか。ラストも良かった。

だからこそメインの怪人については焼肉を食べ続けるという場面ありきで作られたのではないかと思えてしまい、少々強引な印象が残ってしまった。こんなことを真面目に考えること自体がナンセンスだと言われれば返す言葉もない。事実焼肉を食べるシーンは我が子もケタケタ笑っており、鑑賞後も面白かった場面として挙げていた。ありきで作ったとしてもそれが子供にウケるのならば正解なのだ。

火薬と名乗り

戦隊ヒーローと火薬は切っても切れない関係で、ヒーローが登場して名乗るだけで意味も無く爆発したり、そうはならんやろ…という場面でもドカンドカンと爆発し、それをバックにヒーローがポーズを取る…そこに残心があり日本人のワビサビがあるのだ(…そうか?)。

今回それらは充分に用意されていたと感じたし、歴代レッド達の登場シーンは恐らく当時のものを現代風にアレンジしたものだと思われるが、いずれも派手で外連味の効いたカッコ良いものに仕上がっていた。オジサンはコレでジュウレンジャーを観たかった!

我が子もこのあたりには大いに興奮していたように見えた。

印象的な殺陣

私の中で印象的だったのはゴーカイジャーの殺陣で、観る者を圧倒するアクターの動き、そして派手過ぎず地味過ぎない特殊効果が意外なほどマッチしていた。適度に歳を重ねた役者のキャラクターも良かった。

勿論クライマックスの共闘シーンも殺陣の構成やカメラワークが凝っていて、特にブルー同士の共闘はCGが上手く使われていて子供にもウケていた。

一方で妙に存在感のあったルパンレンジャーについては、何故怪盗が正義の味方を…?と疑問が拭えなかったが、これはきっと原作を観ていればわかる問題なのだろう。

エンディング

子供たちが毎晩YouTubeを観ながら踊っているので、エンドロールで流れる曲は聴き馴染みのあるものだった。しかしジェットコースターのように変化するBPMが少しだけ気持ち悪く、いつもノリノリの我が子も戸惑いを隠せない様子だった。MIX自体は面白いと思ったのだけれど、もう少しそれぞれのパートが長めに取られていた方がより楽しめたのではないかとモヤモヤしつつも最後まで楽しく鑑賞した。

映画の後で

帰りは我が子のリクエストで寿司をつまんだ。雨さえ降っていなければ連れて行ってやりたい寿司屋もあったのだが、今回は泣く泣く同じビルのレストランフロアで済ませることにした。

「おとうさんビールのんだら?」という我が子の有難い提案を泣く泣く却下し、私は一滴もアルコールを接種せずに寿司と向き合った。吞んでしまったら帰りの電車で起きていられる自信が無い

その後はガチャガチャを回したりゴジラストアを睥睨したりしつつ、適度に腹ごなしをしながら家路に就く。テンションゼンカイの3歳児と疲労限界のオジサンは雨の夜道をダラダラと歩いて帰った。

両脚ジャンプを連発する3歳児

帰宅後の我が子はパンフレットを広げ、妻に向けて熱心に映画の感想を言って聞かせつつ残ったポップコーンを貪っていた。

戦利品たち

我が子は昨晩、寝言で「キラメイジャーもでてくるの…?」などと呟いていたほど楽しみにしていたし、本作はその期待に応えてくれたのだろう。妻と楽しそうに眠りに就いた。

おわりに

小さな我が子との身長差によって、傘を差しながら手を繋いで歩くだけで私の腰には大ダメージである。

ところで劇場には意外にも小さなお子様の姿が少なく、そしてもっと意外なのは若い女性の多さだった。グッズの売れ行きから推察するとステイシー役の彼が目当ての客なのかも知れない。

何はともあれ性別問わず幅広い年齢層にウケるようになったのだなと改めてスーパー戦隊ヒーローの実力を見直した。

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