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Wantedlyの決算内容を3分で解説!

今回はWantedlyの決算内容について見ていきましょう。
4万社近くの企業が利用しているサービスを展開中のこの会社、決算内容はどうでしょうか?

1.PLの状況

まずはPLの状況について見ていきましょう。
営業収益は前年比+25.8%の44億円となりました。営業利益は前年比+202.1%の12億円、当期純利益は+213.2%の7億円となり大幅な増益となりました。

出所:決算説明資料

直近3年間の各Qごとの営業収益の推移を見てみると、2020年の3-4Qに一度減少しましたがそれ以外は右肩上がりで上昇を継続しています。
収益の内訳としては、ビジネスSNS事業の単一セグメントですが、内容としては基本利用料金プランをベースとする「ストック収益」とそれ以外のオプションプラン「フロー収益」の二つから成っています。

出所:決算説明資料

この収益増加のベースとなるユーザー数ももちろん右肩上がりで増加しています。個人ユーザーの登録数は355万人に到達し、登録企業者数は4.3万社となりました。

出所:決算説明資料

またユーザーの属性について見てみると20代だけで41%を占めています。
次いで30代で33%を占めており、20-30代で70%超を占めている状況です。
職種別に見るとエンジニアで28%、デザイナーで19%となっておりWeb領域の人材が多数を占めています。
つまりは年代で見ると「ミレニアム・Z世代」、職種で見ると「Web領域」の人材での利用が多数を占めていることが分かります。

出所:決算説明資料

登録企業の属性について見てみると、先程の年代別の様にどこかの領域が飛び抜けて多数を占めている状況ではありません。それでもやはりWeb領域は一番多く続いてコンサル、マーケティングなどが多数を占めています。
企業の規模感としては従業員数100名以下の企業が多いので、大企業向けではなくスタートアップ〜中小企業向けといった感じかと思います。

出所:決算説明資料

市場の中でのシェアについて見てみると、ユーザー数に関しては9%、登録企業数に関しては8%となっています。この数値から考えると、今後シェアを拡大できる余地はまだまだありそうです。

出所:決算説明資料

ただユーザー数に関して言えば、日本の人口が減少傾向にあり2048年には1億人を下回るとも言われています。そうなると市場全体のパイが小さくなるので、自然とシェアを拡大する競争が激しくなってきます。

出所:内閣府HP

潜在的な市場規模を約1兆円と想定してるので、今後シェアを伸ばすことができれば収益はまだまだ増加する余地はありそうです。

そのシェアの伸ばす施策として「広告宣伝」があります。
今回の4QではTVCMに約2億円を投じています。今後も投資効果を見ながら継続していく考えです。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次にBSの状況について見ていきましょう。
総資産全体としては前年末から+12億円増加しました。

出所:決算説明資料

資産の部では現預金が+12億円増加しました。この点に関してはCFの状況で説明していきます。それ以外の資産の項目ではあまり目立った動きはありませんでした。

負債の項目に関しては、会計方針の変更に伴った表示上の変更があります。
従来は流動負債の「前受金」の科目で表示されていた内容が、今後は「契約負債」の科目で表示されることになりました。

出所:決算短信

あと負債の部での動きとしては、利益増加に伴い未払法人税が+3億円増加した点があります。これは利益が増加すれば当然法人税も増加するので当然の動きと考えられます。

出所:決算短信

純資産の部では+7億円増加しました。増加した要因は当期純利益7億円によるものです。また金額的には大きな動きではありませんが、新株予約権の行使によって資本金と資本準備金が増加しています。

出所:決算短信

あとこれは少し余談ではありますが、株主構成を見てみると筆頭株主は創業者の「仲暁子社長」で第二位は「サイバーエージェント」です。

出所:有価証券報告書

現在は82万株保有しており全体の8.82%を占めています。
細かい経緯はわかりませんが、2017年に二回に渡って取得しました。今後保有率を増加していくのでしょうか?はわかりませんが、何か動きがあれば変更報告書で開示されるので確認できる状況ではあります。

出所:変更報告書

3.CFの状況

最後はCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては+12億円の増加となりました。内訳としては営業CFで+12億円、投資CFで△0.2億円、財務CFで+0.1億円という内容です。

出所:決算説明資料

ビジネスモデル的に大型案件の投資もあまり想定されませんし、借入金もないので財務CFでの動きもあまりありません。
その結果営業CFの増減がCF全体の動きに直結する形と成っています。

ただ今後の可能性としては他業種もしくは同業種のM&Aなどを検討する場合があれば、資金調達が必要に成ってくるので財務CFで大きな動きが出てきます。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?

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