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四つ葉ちゃんの物理学講座 量子入門:粒子と波の四つ葉ちゃん

粒子と波の四つ葉ちゃん

登場人物

主人公:ジュン

教授:山田教授

四つ葉ちゃん:四つ葉子さん

電子:電子さん


ハッシュタグ

#四つ葉ちゃん

#物理学

#量子

#電子

#粒子

#波動


本文

ーー場面:大学の教室

ジュン「……zzZ……zzZ」

山田教授「……で、あるからして。電子は粒子と波の性質をあわせもつのであります」

ーー(コーン カーン)

山田教授「ええ、チャイムが鳴ったので今日はここまでとします。次回はテストです」

ジュン「えー! テスト?! そんなぁ!」


ーー場面:大学の敷地内の芝生

ジュン「はあ。量子論ってなんなんだよー。わけわからんよー」

ーー花のかげから四つ葉ちゃん登場

四つ葉ちゃん「ジュンさん! わたしが教えてあげるよ♪」

ジュン「な、なに? 虫がしゃべった!?」

四つ葉ちゃん「虫じゃないよ。四つ葉ちゃんだよ」

ジュン「ふ、ふえ〜。四つ葉ちゃん?」

四つ葉ちゃん「よろしくね!」

ジュン「よろしくお願いいたします、四つ葉ちゃん先生!」


四つ葉ちゃん「それでは、出発ー♪ ひふみよ小さくなあれ!」

ジュン「え? わあーーー!」


ーージュン、小さくなる。


ジュン「こ、ここは?」

四つ葉ちゃん「1cmの世界よ。ほら、この四つ葉、大きいでしょう?」

ジュン「わあー! 大っきいなぁ! まるで木みたいだぁ!」

四つ葉ちゃん「1cmは、1mの100分の1ね。10のマイナス2乗の世界よ」

ジュン「わあー! すごいなあ!」

(ガサゴソ)

ーーカブトムシ登場

ジュン「わわ! 怪獣!!!」

四つ葉ちゃん「あら! カブトムシさん、こんにちは!」

ジュン「ひえー!」

四つ葉ちゃん「じゃあそろそろ、また小さくなるね♪ ひふみよ小さくなあれ!」

ジュン「わあーーーーー!」


ーージュン、小さくなる。


ジュン「こ、ここは?」

四つ葉ちゃん「ここは、細胞の世界。約10マイクロメートルの世界です!」

ジュン「10マイクロメートル???」

四つ葉ちゃん「0.01ミリよ。マイクロは10のマイナス6乗のことで……とっても小さいわ!」

ジュン「うーん、目が回りそう!」

四つ葉ちゃん「ヒトの細胞は平均20マイクロメートルで……」

ジュン「四つ葉ちゃん、生物学も面白いけど、量子論はどうするの?」

四つ葉ちゃん「あら! そうね! ひふみよ小さくなあれ!」

ジュン「わあーーーーー!」


ーージュン、小さくなる。


ジュン「こ、ここは? 真っ暗で何も見えない……」

四つ葉ちゃん「ここは、0.1ナノメートル。1オングストロームの世界よ。」

ジュン「ナノ???」

四つ葉ちゃん「1オングストロームは、10のマイナス10乗メートル。100億分の1メートル。水素原子はこのくらいよ。」

ジュン「ひえぇ……。で、原子はどこ?」

四つ葉ちゃん「そうね、見えないよね。それでは、四つ葉ちゃんの魔法で見えるようにします。えい!」

ーーモクモクした丸い雲が現れる

ジュン「この雲はなあに?」

四つ葉ちゃん「電子雲よ。といっても、これは電子の波動関数を2乗したモデルなので、実際には見えないわ」

ジュン「どうして丸いの?」

四つ葉ちゃん「真ん中に原子核があるから……」

ジュン「原子核?」

四つ葉ちゃん「原子核は10のマイナス14乗メートルくらい。原子核は陽子や中性子でできてるのよ。水素原子だと、陽子1つね。原子核は電気力で電子を引きつけているの」

ジュン「電子は?」

四つ葉ちゃん「10のマイナス16乗メートルくらいかな」

ジュン「四つ葉ちゃん、もうよくわからなくなってきたよ! それに、電子の波動関数ってなあに??」

四つ葉ちゃん「電子は粒子と波の性質をあわせもつものであります」

ジュン「……!! どこかで聞いたような……?」

四つ葉ちゃん「はい、ここからが本題です」

ジュン「えーーー! い、今までの話は何??」

四つ葉ちゃん「序章よ」

ジュン「ガク!」


四つ葉ちゃん「それでは、電子さんにご登場いただきましょう。電子さん?」

電子さん「はーーーーーーい」

ジュン「??? 今、何か声が……」

四つ葉ちゃん「波の性質があるので、電子さんのいる場所の確率が波のように広がっていますねー」

ジュン「え! 電子さんは波なんだね?」

電子さん「粒子の性質っ!!!!!!!」

ジュン「あ! 一瞬、電子さんが粒子に見えた!」

四つ葉ちゃん「あ、電子さん、ありがとうございます。粒子として、存在確率を一か所に集中してくださいました」

ジュン「あれ? もういない?」

四つ葉ちゃん「はい、一か所に位置がわかった粒子は運動量が決まりません。なのですぐに存在確率が波のように広がってしまいます。これを不確定性原理といいます」

ジュン「不確定性原理……どうすればいいの?」

電子さん「あいまいがいいな」

四つ葉ちゃん「位置をあいまいにとってあげると、速度もある程度の範囲におさまります。という、まあ、あいまいな……」

ジュン「あいまい……。私みたいだなぁ」

四つ葉ちゃん「四つ葉ちゃんもあいまいが好きよ」

ジュン「私たちは気が合うね!」

四つ葉ちゃん「そうね♪」

電子さん「わーーーい♪」


ジュン「そろそろ帰りたいな」

四つ葉ちゃん「帰り道、わからないな」

ジュン「えーーー! 四つ葉ちゃん! どどどどうするの?!」

四つ葉ちゃん「てへへ♪」

ジュン「四つ葉ちゃーーん!!!」

電子さん「ああ、お二人さん。この先に、2つのスリットの穴があいているから、そこから帰れるよ」

四つ葉ちゃん「電子さん、ありがとう!」

ジュン「ありがとうございます!」

電子さん「どういたしまして」


2つのスリットの穴に到着。

ジュン「ここだね? 右へ行く? 左へ行く?」

四つ葉ちゃん「大丈夫よ。左右どちらかに決めなくても、通れるわ」

ジュン「あいまい、だね?」

四つ葉ちゃん「電子さんに、波動の通り方を学んだわ。可能性は、右も左もあるの!」

ジュン「あいまい、最高!」


ーーミクロの世界では、電子は、2つのスリットをまるで波が通るように通ります。うしろにスクリーンを置けば、波の干渉がスクリーンにあらわれます。たとえ、電子が一粒ずつ通ったとしても、です。


ジュン「今、2つのスリット、どっちを通ったかな?」

四つ葉ちゃん「どちらもよ」

ジュン「ふふ、四つ葉ちゃん、波ってあいまいでいいね! あれ? 四つ葉ちゃん? 四つ葉ちゃん??」


ーー大学の芝生の上。ジュン、目覚める。

ジュン「ん……?? 夢……?」

(コーン カーン)

ジュン「あ! 授業、はじまっちゃう!!」


ーージュン走る。


ーー出入り口が2つある。


ーージュンいつの間にか通り抜ける。


ジュン「あれ?! 今どっちを……ま、あいまいでいいか」


ーー四つ葉ちゃん、木の上からほほ笑む。

四つ葉ちゃん「あいまいがいいの♪」


ーー今日も世界はあいまいで、平和であります。


おわり


(なるべく、正しくしたつもりですが、間違えている可能性や、わかりやすくした部分もありますので、正式なものは、どうぞお調べくださいませ)



四つ葉ちゃんのイラストはじゅんこ3様。言葉はおはようよねちゃん。


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