小さなSFっぽい2

小さなSFっぽいものを書きたい

という、こちらで不定期に書いております。


前回の記事で褒められて嬉しかったので、


またずんずん書いております。

また載せます。



第6話 不思議とは

不思議とは、何ですか?

不思議とは、宇宙ですか。
不思議とは、心ですか。
不思議とは、自分自身ですか。
不思議とは、こうして君のとなりにいられることですか。

わかりません。わかるような気がするのですけれども、わからないのです。
わからないから、不思議なのでしょうか?
嗚呼、不思議についてまた考えてしまいました。

不思議なままでも良いならば、君のとなりにいても良いでしょうか。


第7話 小雨

夜、小雨が降っていました。

私が泣いているので、小雨は優しく私の頭をなでました。
雨雲が泣いているので、星屑は優しく雨雲の頭をなでました。
星屑が泣いているので、宇宙は優しく星屑の頭をなでました。
宇宙が泣いているので、私は優しく宇宙の頭をなでました。

夜、小雨は優しくなりました。



第8話 無数と一点

未来は無数にあるだろう? 宇宙も無数にあるかもしれない。並行世界だってあるかもしれない。
だけどね、今ここは、一つしかない。ただ一点なんだ。もし何々だったら、という世界は、並行に無数に存在するとしても。今ここは、一点なんだ。そして、懐かしい思い出と美しい未来は、この一点で交わる。
未来は無数にあるだろう? 宇宙も無数にあるかもしれない。そんなことに思いを馳せる、ただ一点の私。


第9話 1+1=

1+1=2
だけど今日はションボリ。だから、
1+1=0.2
とする。そうすれば、5つションボリがあってもダメージは小さいゾ。

研究室では、また皆が頭を抱えていた。
「また計算し直しだ!」
「どうなってるんだ、この宇宙?!」
「この前と全然違うじゃあないか!!」
「この数が決まらないと研究が進まないのに……!」

すると、窓辺で珈琲をすすりながら、彼は言った。
「なあに。きっと宇宙がションボリなのさ」



第10話 宇宙は何なのか

「宇宙は何なのか。

宇宙は星なのか。
宇宙は時空なのか。
宇宙はエネルギーなのか。
宇宙は心なのか。
宇宙は愛なのか。」

宇宙は言った。
「宇宙は宇宙なのさ。」
それで私は言った。
「それは答えになってない。」

すると、宇宙は言い返した。

「君は何なのかい。

君は細胞なのかい。
君は思い出なのかい。
君は意志なのかい。
君は心なのかい。
君は愛なのかい。」

私は言った。
「私は……私です。」
そして宇宙は言った。
「それが答えさ。ワタシの可愛い宇宙の子よ」

すると、私は何も言い返せなくなっていた。



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どうも、ありがとうございました。

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