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メ◯ィアコントロールについて 2015年の秀逸なTEDトークから

Astroturf and manipulation of media messages | Sharyl Attkisson | TEDxUniversity of Nevada
Feb 7, 2015

実際の生活で起こり得る、架空の例で考えてみましょう。

仮にあなたがコレステロール値を下げる「コレクストラ」という新薬についてのニュースを見たとします。研究では、医師たちがこの「コレクストラ」はコレステロール値に問題がない大人や子供にすら処方すべき、とても画期的な薬だ、などと絶賛しているとのことでした。

本当にそんな都合のいい話があるのでしょうか?賢明なあなたは自分で少し調べてみることにしました。Googleで検索し、SNS、Facebook、Twitter、ウィキペディア、WebMD(米国最大売上の健康情報ポータルサイト)や非営利団体のウェブサイト、それに加えてこの大元の研究論文を査読掲載している医学誌にも目を通しました。結果的に全てが「コレクストラ」の効果を認めていると分かりました。中には発がん性リスクを懸念するような批判コメントもありましたが、医学専門家たちはそんな話はでっち上げであり、「インチキ」で「 悪意がある」「常識はずれ」のものだと言っていたので無視することにしました。また、あなたのかかりつけ医が出席した医学セミナーでもコレクストラの効果の高さが認められたようで、あなたに無料サンプルと処方箋をくれました。あなたなりに十分なリサーチはしたわけです。

でも、もし真実が見えていたものと違っているとしたらどうでしょうか?もしあなたがリサーチした内容が偽りだったとしたら?あなたの見えていないところである利益が追求されていて、その目的に沿って注意深く造られたナラティブ(語り口)やストーリーであなたの意見を操作していたとしたら?あなたがもし映画「トゥルーマン・ショー」のような偽の「真実」に囲まれているとしたら?

自己満足の情報を垂れ流すメディアと強大なプロパガンダの喧伝が結びついた時、私たちが真実を手にすることはほとんどありません。彼らは利益追求のために陰で莫大な時間と金を使い、私たちを混乱させる方法を編み出し続けます。今では秘密裏に展開されるアストロターフィングメソッドの方が、従来主流であった議会へのロビー活動よりも有効であるとされています。これを目的とした業界が(政治の中心である)ワシントンD.C.に築かれています。

「アストロターフィング」とは何でしょうか?「アストロターフ」は人工芝の商品名です。本来の「草の根運動」との対比から、政治、企業、またはその他の様々な団体が利益を得るために自らの姿を偽装し、様々な方法であなたの考えに影響を与えようとしていることを言います。
一般人を装ってブログを開設したり facebookやTwitterで好意的な意見グループを形成したり、広告を打ち、メディア編集者に手紙を書き、または単にそれらSNS上でコメントをし、ありとあらゆる方法であなたの考えを操ろうとします

アストロターフィングは、ある意見が世界では広く支持されている、もしくは逆に支持されていないといった、事実とは違った、彼らにとって都合の良い印象を人々に植え付けることを目的としています。現実にはそうではないのに、あなたの意見は世間の大半の人とは違うのだと信じ込ませ、あなた(と他の大半の人たち)の意見を操作しようとしているのです。

例として挙げるとすれば、ワシントン・レッドスキンズという(フットボールチーム)名です。あなたが特にこれといった意見もないままにマスコミのニュース記事やSNSでこの論争の原因や経緯に接していれば、おそらくあなたは「大半の」アメリカ人同様、この名前が差別的であり名前は変更すべきだと結論づけることになるでしょう。しかしもし私が、71%のアメリカ人はチーム名を変えるべきではないと考えているとあなたに伝えたらどうでしょう。3分の2以上の人たちです。

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アストロターフィングを推し進める人々「アストロターファー」は意見の違う人々を潰そうとします。彼らは自身に不都合なストーリーを知らしめようとする報道機関、内部告発者、手強い質問を投げかける政治家、真実を暴露しようとする勇敢なジャーナリストを攻撃します。時にアストロターファーは真実と嘘を混ぜこぜにした情報を意図的に流し、混乱したあなたが興味を失って真実も一緒に諦めて投げ出すように仕向けます。例えばワクチンと自閉症の関係のように、薬と大変な副作用についての繋がりと、矛盾した多くの情報を一緒くたに投げ込みます。医薬業界から費用が支払われている多くの研究を含む研究結果、論争中で結論の出ていない調査、専門家の意見などを、人々が情報に溺れて真実が何かと判断できなくなるまで行うのです。

ウィキぺディアに至っては、アストロターファーにとって夢のプラットフォームだと言っていいでしょう。「誰もが自由に編集できる無料の」百科事典ですが、実際は匿名のウィキペディア編集者が内容をコントロールし、特定の団体の利益に適った内容のページを選出しています。彼らは自分たちの目的やアジェンダに沿わない情報への書き換えを不可能にしています。彼らは「ウィキペディアのポリシーに反した」「不確実な情報だ」などとしてそれらの不都合な情報を歪曲したり削除したりします。そこで初めて「ウィキペディアは誰でも自由に編集できる」と信じていた純粋な人たちは、事実に対して間違っている些細な記載を直すことさえ許されていないと気づくのです。もしあなたがウィキペディアが監視するページ内で事実を訂正したり補足したりしようものなら、時には秒速で、あなたの編集が反映されずに元の記述に戻るのが見られるでしょう。

2012年 著名な小説家であるフィリップ・ロスは、ウィキペディアで彼の本の登場人物に関するある大きな間違いを見つけ、それを訂正しようとしました。しかし何度試みても、元の誤った内容に戻ってしまうのでした。ロスがウィキペディアの担当者にやっとのことでコンタクトしなぜ訂正できないのか尋ねたところ、著者である本人が作り出した登場人物に関する記述についてであるのに、「信頼できるソースだと認められないからだ」との回答だったのです。

その数週間後、ウィキペディアが、顧客の要望を受け事実に反した内容を編集して掲載する有料PRサービスを行なっているとスクープされ大きなスキャンダルとなりました。ウィキペディアに於ける健康や病状に関する記述が、信憑性のある医学論文と比較して90%の確率で矛盾しているのはいい例でしょう。ウィキペディアの情報は信頼すべきではないのです。

ではここで最初にお話しした「コレクストラ」の例に戻りましょう。あなたが読んだFacebookやTwitterの製品に対する好意的な投稿は、製薬会社から依頼されたプロのライターが書いたものでした。ウィキペディアのページは製薬会社から報酬を得ている編集者によって常に監視されています。また、製薬会社はGoogleの検索エンジンに表示される結果も最適化するようにしているので、あなたが非営利団体の肯定的な記事にばかり出くわすのは偶然ではありません。これらの団体は言うまでもなく水面下で製薬会社からの資金提供を受けています。製薬会社は商品が効果的であると結論づけるような研究に資金提供し、編集権を行使して発がん性リスクの副作用に関するいかなる言及をも削除させます。
「コレクストラ」を懸命に宣伝したり、発がん性リスクを示唆する批判者を気狂いじみたヤブ医者だと嘲笑したり、政府の諮問委員会でこの商品を承認した全ての医者は製薬会社のコンサルタントとして報酬を受け取っています。
冒頭であなたのかかりつけ医が出席したという医療セミナーでは「コレクストラ」に肯定的な評価ばかりでしたが、それらのセミナーも実際のところ、他の多くの医学教育と同様に製薬会社がスポンサーなのです。このような素晴らしい研究結果ばかりが報道される際に、そう言った背後関係が言及されることはありません

上記の仮想例に限らず、私は山ほどの実例を挙げることができます。例えば数年前、私はCBSニュースから非営利団体である全国睡眠財団法人の研究内容に目を通してほしいと依頼されました。そのプレスリリースによると、私たちの間では自分でも気付かないうちに不眠症が蔓延していて、みんな医者に行って診察してもらうべきだと言うのです。
私はいくつかのことに疑問を持ちました。まず最初に「かかりつけ医に聞いてみましょう(”Ask your doctor”)」というキャッチフレーズが製薬業界によって推し進められていました。人々が自発的にクリニックに出向いて医者に不眠症状を伝えれば、ほぼ確実に最近市場に出回り始めた睡眠導入剤を処方されることでしょう。次に気になったのは、私たちの自覚なしに蔓延している不眠症というのはどのくらい深刻なんだろうと言うことです。わずかなリサーチですぐに分かりました。非営利団体である全国睡眠財団法人が行った研究という名の調査費用の一部を捻出したのは、もうすぐ市場に出回る予定の「ルネスタ」という睡眠導入剤を作った会社でした。

私は視聴者が公平な情報にアクセスできるよう、この財団法人と調査費用を出した会社のスポンサー契約についての情報をCBSニュースに提供しました。この不眠症についての調査を他社マスコミもニュースとして取り上げましたが、それは(当該の財団法人が発行した)プレスリリースの内容をそのまま報道しただけのものでした。後日、コロンビアジャーナリズムレビュー(CJR /1961年からコロンビア大学ジャーナリズム大学院によって発行されているプロジャーナリスト向けの年2回発行の雑誌。その内容には、ニュースとメディア業界のトレンド、分析、職業倫理、ニュースの裏話が含まれる)は、この新薬に関してCBSニュースだけがひと手間かけて調査内容の矛盾を掘り下げた、という事実を記事にしたのでした。

今、あなた方は「じゃあどうすればいいの?自分にできるリサーチはしたつもり」と思うでしょう。「プロのジャーナリストでさえ騙されるっていうのに、どうすれば事実と偽情報を見分けることができる?」と。今からあなたがたにプロパガンダやアストロターフィングに気付くためのいくつかの対策をお伝えしたいと思います。これらに注意を払えば、あちこちでそのヒントが感知されるようになるでしょう。

アストロターフィングは実によく煽り言葉を使います。例えば「偏執的」「インチキ」「気狂いじみた」「デマ」「妄想的な」「偽の」「陰謀論的な」といった言葉です。アストロターファーはよく「デマを暴いている」と自称しますが、それらの情報は実際のところデマではありません。
あることについてSnopes(ファクトチェックサイト)で「フェイクニュース」と断じられているのを見て、「やっぱりデマなんだ」とあっさり決めつけてしまう人たちがいます。しかし、彼らアストロターファーの「誤った情報」の定義自体が恣意的で、あなたやSnopesがすっかりそれに騙されている可能性もあるのです。

ある事柄に対して、その周辺の個人や組織を論破しようとしたり攻撃したりはするのに、その事柄の内容そのものを議論しようとしない場合、アストロターフィングである可能性が高いでしょう。

そして何よりもアストロターファーは、不正を行う者には焦点を当てずに、その悪事を暴こうとする人に対して懐疑的な世論を作ろうとします。言い換えれば、権威や事象に疑問を呈するのではなく、そこに疑問を持つ者に皆が攻撃的になるよう仕向けるのです。

少しはっきりと見えてきたのではないでしょうか。これはメガネを外してレンズを拭きそれをまたかけ直した時、初めていかにレンズが曇っていたかに気付くのに似ています。これらの不正がなくなることはないでしょう。しかし、金銭によって背後で糸が引かれているニセの「真実」が横行する世の中にあって、あなたがメガネを外して拭いてみる気になったり、常に賢く情報を精査する側になるヒントを示すことができたなら嬉しく思います。

ありがとうございました。   【訳終】

スピーカー: シェリル アトキッソンについて ウィキ英語版より抜粋
sharylattkisson.com
https://twitter.com/sharylattkisson
シェリル・アトキッソン(1961年生)は、アメリカのジャーナリストであり、テレビ特派員です。彼女はシンクレア放送グループのテレビ番組「Full Measure with Sharyl Attkisson」を主催しています。
アトキッソンは5度のエミー賞受賞者であり、ラジオテレビデジタルニュース協会(RTNDA) エドワードR.マロー賞の受賞者です。過去にはCBSニュースのワシントン支局の調査特派員、CBSイブニングニュースの代替アンカーであり、その後、保守的な政治ニュースのウェブサイトであるデイリーシグナルに移籍しました。
アトキッソンは、メディアネットワークで21年を過ごした後、2014年にCBSニュースを退職。彼女は後にStonewalledという著作で、CBSニュースが2012年のベンガジ攻撃などのバラク・オバマを巡る論争を十分に報道しなかったと主張しました。アトキッソンは、ワクチンと自閉症の関連性を示唆する記事を公開したことで科学/研究者クラスタから批判を受けています。

大声のステマとでも言いましょうか。ステマだと気付けていればいいのですが、このスピーチにあるように実に巧妙にメディアシステムが出来上がっていて、まさにそれぞれが洗脳装置として働いているわけです。「ネットの意見」なんていうのも気を付けなければいけないですね。
また、ファクトチェックをしていると自称する様々な記事や団体の背後に「彼ら」がいることもここ数年でより明らかになってきましたよね。賢明な皆様であれば、既にご存知のことも多く、比較的気付かれていると思うのですが、自分への戒めとしてももう一度言わせていただきました。

スピーチ内のアストロターフィングの例として出されたフットボールチーム名はワシントン・コマンダースと改名されています。ご丁寧にもウィキには「「ワシントン・レッドスキンズ」という名称で長年活動したが、1990年代頃から先住民族の蔑称の使用は不適切であるとして公に広く批判されるようになったと既成事実化されてます。奴らが勝っちゃったほんの一例ですよ。

✌️”Safe&Effective”✌️な猛毒の新薬とか、ダイバーシティ & インクルーシブな権利拡大とか、現在も派手に進行中ですよね。インボーロンとするレッテル貼りや基地外扱いは経験されたことがある方もかなりいるのではないでしょうか。
スポーツチーム名だけならまだ傷は浅いと言えるかもしれませんが(それでも十分意図的な文化の破壊です)、致命傷になりかねない事象も数多く行われているわけです。

ある程度英語ができて、ちょっとばかし頭がいいと自負してるような毒チン済みの方なんかに、このTEDはなかなか効くのではないかと思われます。どんどん拡散してください❤️🤗

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