オバ活　｜エッセイ

パパ活ならぬ、オバ活をしている。

というのも、前職場の同僚のおばさんが
たっかい鰻屋や、何万円もするようなカウンターの寿司屋に連れて行ってくれるのだ。
お手当はちゃんともらっていないので
安心して欲しい。

唯一の事務職、しかも1番古くから働いている人
で、人の悪口や噂話ばかりをしている
いわゆるお局だった。

そんなお局に、なぜか入職当時から気に入られ、
そのおかげか社長にも気に入られ、
社内でかなりの優遇を受けた。

「そんなことで怒りなさんな。」
「その発言はアウト！それ以上言っちゃだめ！」
「本当に気づいてないだけで悪気はないんじゃないですか？そんなに気になるなら直接本人に言えば直すのでは？」

などと気にせず、思ったことをバンバン言っていたので
なぜ気に入られたのかは本当に謎だ。

仕事の昼休みに
よくランチに連れて行ってくれていたのだが
私が退職してからも
1ヶ月に1回ほどの頻度でお誘いがくる。

これほどまでに気に入られているが、
実は一度だけいざこざが発生したことがある。

地方から上京して来た新入社員とおばさんが
日曜日に新大久保に行こうと約束しており、
気付かぬうちに私も行くことになっていた。
前日に
「明日〇〇時に、新宿で」
のようなLINEが届き、戦慄が走ったのだ。

新大久保も、日曜日に会社の人間と出かけることも全然無理なので、もちろんお断りだ。
おまけに、その日は祖父の退院日だった。

当たり前に、
「明日は、祖父が退院する日で、迎えに行くので行けません…」
と返信すると
「はい。」
と帰ってきた。

私は普通に了承されたと思い
すみませんスタンプを送り、やりとりは終了した。
（これがマルハラってやつ！？）

月曜日、新入社員の子に
「新大久保たのしかった？」
と聞くと、
「いや、なしになったんです。ちょっと怒ってるかも、、しれません、、。」
とのこと。

休み時間におばさんのところへ行き、
「昨日はすみません！メンバーに入ってると思わなくて、断るのが直前になっちゃいました」
と普通に話しかけるも、ガン無視された。

ほう。これは確かに怒っている。
怒ってるなんて大袈裟だな〜と思っていたが、
大怒りである。
母と子ほど歳が離れているのに、
無視するなんて大人げがなさすぎるではないか。
文句あるなら直接言えや！
と思いつつも、喧嘩するほど元気でもないので
胸の内に留めた。

私は常識的な大人なので、
翌日からも普段通りに挨拶をし続けた。
すると、ぼちぼち挨拶が返されはじめ、
前のように菓子を与えられるようになった。

しばらくすると、祖父が亡くなり
忌引きで休みを取った。
すると、あの時の祖父の入院が嘘ではなかった
と分かったからなのか
新大久保事件はなかったことになった様子だった。

だが、しかし。私は忘れてはいない。
噂話や悪口をペラペラ話し、
理由も述べずに突然無視するような人間と
仲良くできるわけないだろう！

ではなぜオバ活に赴くのかというと、
理由はシンプル
美味しいご飯が食べられるからである。

母に、
「今週はオバ活です、、、。」
と告げると

「あんた、よく好きでもない人とご飯食べに行こうって思えるね、、パパ活マインド、、」
と呆れた様子だった。

パパ活マインド、、、？

腑に落ちないうちに
「いや、媚び売れないからパパ活は無理か！」
と一刀両断されてこの話は終了した。

パパ活をしようとも、やりたいとも
全く思ってないけど！

てことで、今週はオバ活してきます。
美味しいご飯は誰と食べても美味しいからね。

でもやっぱり、ちゃんと憂鬱ではある、、。

おしみ
1998年3月生まれ、AB型
甘いものは、しょっぱいものを美味しく食べるために食べます。
極楽に生きたい！

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