見出し画像

藩主の末裔が営む屋敷のお正月【準備編】

柳川は青空が広がり、冬の柔らかな日差しが差し込む天気の良いお正月を迎えることができました。

柔らかな冬の日差しの大広間

御花では12月初めごろからコツコツとお正月の準備が始まります。

お正月は「年神様(としがみさま)」と言われる豊作や健康をもたらす神様をお迎えする大切な節目。そのため行事や様々な習わしが生まれました。

旧大名家である立花家が営む御花では、どのような準備を行うのか紹介したいと思います!


しめ縄づくり

縁起物がたくさん詰め込まれたしめ縄


しめ縄は、神様が降りた神聖な場所を示すもの。不浄な者や悪霊は入れないとされていて、年神様を迎える家であるという目印でもあります。

それぞれの意味(諸説ございます)
木炭:炭の黒色は邪気を払う
竹:まっすぐ伸びることから子孫繁栄
シダ:たくさんはびこる=子孫繁栄、生命力
橙:代々(だいだい)末永く繁栄
スルメ:日持ちがするため「幸せが続く」
昆布:不老不死の力を与えてくれる

縁起物の橙は御花の敷地内にも植えられており、そちらを使用しています。

御花には小さな神社の祠が2つあり、その分も合わせると合計7つのしめ縄を毎年作っています。そのうちの1つは平安時代後期から現存する樹齢800年の楠のしめ縄も・・・!長さは7メートルにも及びます。

2人がかりで編んでいきます
28日に楠にしめ縄が巻かれました。
大神宮と出雲大社の2つの御霊をお祀りする祠
御花の出会い橋玄関
完成するとこのように彩り豊かに。
松の根っこを飾って「幸せが根付く」ように願掛けします

ほんげんぎょう

てっぺんには立花家の家紋 祇園守紋が。


「ほんげんぎょう」とは昔から筑後地方で行われている伝統行事で、全国では「どんど焼き」などと呼ばれているものです。 青竹や藁で櫓を組み、その中に門松、しめ縄、書初め、古いお守りなどを入れて燃やし、新しい年の無病息災を願います。

櫓を組む志岐さん。

御花では年末に櫓を組んで準備を行い、毎年第二土曜日10時ごろから「ほんげんぎょう」を行っています。

ご宿泊のお客様の書初めコーナー。ほんげんぎょうで祈願します。

鏡餅づくり


もち米を炊き、近年ではだいぶ珍しい存在となった重量感のある「石臼」を今でも使用しています。

見た以上に重い石臼


御花メンバーが部署関係なく変わりばんこでついていきます。つく餅の総重量なんと40キロ・・・!それを22個の鏡餅に振り分けていきます。

22個鏡餅をつくります。

立花家の17代/18代も総出で餅つき・餅まるめです。

17代、御花の立花寛茂会長。

御花ではあらゆる神社や玄関の飾りつけを毎年30日に行っています。

見学入口等の鏡餅はこんなに大きなものも・・・!

特大サイズ

国旗掲揚と門松

毎年変わらぬ風景としてある国家掲揚。
青空にはためく姿と門松の風景を見ると、お正月だなぁと感じます。

立花家の行事を長年担う志岐さんによりアクロバティックに飾り付けされていきます。

志岐さんが飾りつけをすると青空が広がりました
古写真より(所蔵:立花家史料館)
現在の風景

ちょっとずつ、違うところはあるけれど、毎年変わらないこの風景。

これからも御花の景色や風物詩を大切に守りながら、未来の歴史を紡いで参りたいと思います。

本年がより良い年となりますように。

立花家16代の和雄/文子が結婚して最初の年のお正月の写真

次は御花で過ごす年越し、【楽しみ方編】です!!
立花家の行事や御花滞在の見どころを紹介します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?