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看護学生からの解放 「さようなら、優等生の私」

黒のスーツ、
後れ毛のないワックスで整えられた髪、
緊張した顔、愛想笑い、
膝を閉じて座る感じ
みんな良い子ちゃんを装っている。

違和感しかないこの空間。
私の直観は、この人たちとは違う人間だと言っている。私たちは面接というイベントによって集められた、交わることのない人間たち。

めいめい、用意した文を呪文のように唱えてる。私は息苦しくなる。

ただただ、その場に違和感を感じていた。

ーー

私は看護師になると目指してから
ずっと良い子ちゃんのふりをして生きてきた。

内申点を上げるため、
テストの点数を上げるため、
楽しいことから距離を取った。

看護師になるために生きていた。必死だった。

なのに、面接では自分を繕うことはしなかった。

最後の最後で、自我が出た。
私を見て欲しくなった。

ーー

7月1日
私の番号はそこには無かった。

誰よりもインターンシップに行った。
誰よりも準備周到だと思っていた。
なのに、私は落ちた。完全なる敗北だった。

ーー

私は改めて看護師になりたいのか、
なるべきなのかを考える時間が与えられた。

看護師になるか、助産師や保健師になるために進学するか、全く違う分野に進むか

沢山泣いて、沢山喚いて、考えて考え尽くした。

ーー

そして決めた。
新卒で看護師にならないこと。
全く違う分野に進むこと。

その決断に反対する人が大半だった。
それでも、時間をかけて沢山の人を説得した。
私がわたしらしく生きるために。

自分の人生を生きるために
考えも行動も惜しまなかった。

ーー

看護師になるために、この学校に入った。
そして卒業した。

私が過ごした5年間は無駄なんかじゃない。
自分が目標のために努力できることも、
メンタルは弱いながら意思は強いことも知った。

看護科に入るためにいい子ぶった私に、
看護師になるために愚直に努力した私に、
とても感謝してる。

「優等生の私、さようなら。よく頑張った。
これからの私を楽しみにしていて」

#看護学生 #卒業 #発達障害 #asd
#挑戦している君へ

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