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映像翻訳について思うこと②よかったこと

 社会人の傍ら映像翻訳を1年半学び、映像翻訳者として活動した2年間を振り返り、思ったことをまとめています。翻訳者デビューまでの過程は前回の記事「映像翻訳について思うこと①翻訳者になるまで」をご覧ください。


学ぶ喜びを思い出せた

 翻訳者になって楽しかったことはいくつかありますが、まず、なるまでの過程が楽しかったです。社会人になってから何かを学ぶことから離れていたので、翻訳学校に通い始めて学ぶ楽しさを思い出しました。字幕はこうやって作られているのか、こういうポイントを意識する必要があるのか、こんな苦労や楽しさがあるのか~、など、映像翻訳の舞台裏を知れたことはとても楽しかったです。


自分の経験や性格が活かせた

 翻訳という作業の特徴と自分の性格が合っていました。作業に没頭することができ、それまで仕事で感じていた違和感を克服し、人生の軌道修正ができそうだと感じました。

翻訳の特徴というのは、例えば以下のような点です。

・1人で作業できる
・じっくり考えることが必要
・英語と日本語を使う

翻訳は基本的にずっと1人で作業するものなので、じっくり考えながら進めていけるところはストレスが少なかったです。

また、日本語の本を読むのが好きで、学生時代には小説をよく読んでいたので、英語だけではなく日本語も活かせるところは魅力的でした。英語を使う仕事である以上、帰国子女やハーフの方など幼少期から英語に日常的に触れていた人には勝ち目がないと思っていましたが、翻訳では英語がどれだけできても、最終的な成果物は日本語なので、日本語力が十分にできることが強みになることを知りました。そのため、日本で生まれ育ち、英語を第二言語として習得したという自分のバックグラウンドが活かせたことは嬉しかったです。それに、本や歌で素敵な文章や言葉に触れてきたことが、字幕に活かせるという点からも、翻訳を楽しいと思えました。


やりがいを感じられた

 翻訳は普段の会社員としての仕事とは違い、自分の担当作業が明確なので、「これは自分の仕事だ!」というのが分かりやすく、やりがいを感じやすかったです。

クライアントにもよりますが、通常は作品に翻訳者のクレジット(エンドロールに翻訳者として名前が出る)が付きますし、そうでなくても、対外的にも「○○という作品の字幕を作ったんだよ」というと分かりやすいですよね。

それに、小さいけれど、映画館で自分の名前がエンドロールに出てきたときは、ちょっと感動しました。(と同時に、実際自分の訳を映画館でみたときは、終始ソワソワしてしまいました。納品時には、もう出し切ったと思っているのですが、後で見ると「もっとこうしたらよかったかな」とか、「別案の方がよかったかな」などいろいろ考えてしまいます。どれだけ考え抜いてもこういう思いが出てくるのです・・。翻訳は奥が深くて本当に面白い仕事なのですが、良くも悪くも本当に終わりがない仕事です。)

他にも、悩んだ末にピッタリ(だと自分が思う)の訳語を思いついたときや、好きな分野の作品の字幕を作れた時はすごく嬉しかったです。


自信がついた

 翻訳と直接関係はありませんが…自分はかなりフットワークが重い方で、何ごとも考えすぎてなかなか行動できない性格なので、今回の経験を通じて、一見無理そうなことでもやればできるかも、という自信になりました。


夢を実現できた

翻訳という仕事には昔から何となく憧れていました。英語を学び始めてからは、“英語力を活かしてやってみたい仕事No. 1”だったので、翻訳者になれたことは本当に嬉しかったですし、挑戦してよかったと思っています。もし挑戦していなかったら、この先ずっと「翻訳家ってなんかカッコいいし楽しそう、いつかやってみたいな~」と思い続けていたと思います。

それに、実際にやってたことで現実も見えて、自分の理想の生活や仕事についてより深く考えるきっかけにもなりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次の記事では、翻訳者になってどんな力がついたか、について書いています。


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