じん@地域ではたらく感染管理認定看護師

超レアな「地域ではたらく感染管理認定看護師 | 大学病院の感染管理部門主任→地域医療福…

じん@地域ではたらく感染管理認定看護師

超レアな「地域ではたらく感染管理認定看護師 | 大学病院の感染管理部門主任→地域医療福祉を扱う企業の看護管理者 | 患者・利用者・自分自身を感染から守る方法や感染にまつわる豆知識を発信中 | 趣味は腸内細菌を育てること |

最近の記事

看護師のための抗菌薬①【とりあえずこれだけ!感染講座】

抗菌薬って、難しくない? 「あ、もしもし、○○さんに抗生剤の点滴出しといたから入れといて。」 と、いつものようにコールが。そしてあなたはいつものように… 「指示は…ああ、メロペネムね。あの人熱出てたからね。量は…1本か…いつもこんなもんだからOKっと…。どこから入れようか…本体が繋がってるCVがあるからそこからでいいよね。」 と指示を受け、いつものように患者に投与しました。 本当にそれでいいの?! 実際にこんなに適当に考えている方は少ないとは思いますが、実際指示を

    • 猿でもわかる、サル痘のお話。

      少し前にニュースで頻回に見た「サル痘」。 最近またどんどん患者数が増えてきています。 今回はそんなサル痘について正しく知って正しく恐れよう!なお話です。 サル痘ってなに? サル痘はポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に属するサル痘ウイルスによる感染症です。 モンキーのポックスなのでモンキーポックスとかエムポックスとも呼ばれています。 サル痘がなぜ話題になったかというとかつて世界で大流行し推定5000万人以上を死に追いやった「天然痘」という病気の原因となるウイ

      • 鳥インフルエンザについてわかりやすく解説!

        最近世間を騒がせている鳥インフルエンザ みなさんは、鳥インフルエンザをご存知でしょうか。 最近ニュースでよく取り上げられている「ニワトリ何万匹殺処分!」「卵が高騰でマジヤバ!」のあれです。 1匹鳥インフルエンザに罹ったことがわかると、その養鶏場の鳥さんは全て殺処分! なぜそんなことをしなければならないのか?ご存知でしょうか。 人のインフルエンザと何が違うの? そもそもインフルエンザと名前がついていますが、我々が罹るインフルエンザとの違いは何でしょうか。 インフル

        • 看護師が交通事故に遭ってみた!③~とりあえず痛いの何とかしてくれませんか~

          こちらの記事の続きです。 とりあえず痛いの何とかしてくれませんか 生まれて初めての自分の骨とのご対面。 できれば一生出会わないままの二人でいたかった。 まさかの出会いにドン引きしている僕を他所に、搬送先の病院が決まり、救急車は動き出す。 (アドレナリンガンギマリ状態で頭冴えまくってたおかげで搬送中激痛に耐えながら救急隊の質問に答えつつ家族、会社、保険会社に連絡した自分を褒めてあげたい。) 病院に到着しお医者さんや看護師さんが集まってくる。 僕の足を見たお医者さん

        看護師のための抗菌薬①【とりあえずこれだけ!感染講座】

          看護師が交通事故に遭ってみた!②~慣れないことはするもんじゃない~

          こちらの記事からの続きです。 慣れないことはするもんじゃない ぶらーんしている足。 こりゃあかんわーと思いつつも一応専門職。 血管とか神経損傷すると被害が広がることがわかっていたので自力で用手固定。 ぶらーんな足を自力で固定する経験をした人間がこの世にどれくらいいるだろうか。 そうこうしている間にもどんどん増していく足と全身の痛み。 周りを見ると近くにいたこれまた専門職っぽいお兄さんが通報してくれたらしい。 あー…どうしよっかなー明日の仕事… なんて考えてい

          看護師が交通事故に遭ってみた!②~慣れないことはするもんじゃない~

          看護師が交通事故に遭ってみた!①~それは走馬灯のような~

          ある日、僕は患者になった。 これは僕がある日突然交通事故に遭い、全てを失いかけたときのお話です。 感染とはなんの関係もないのですが、割とレアな体験をしたといことで健忘録も兼ねて書いていきます。 看護師が患者になるとこんな感じ…ということでぜひ読んでみてください。 それは走馬灯のような ある日の仕事終わり。 お気に入りのバイクに跨りいつも通りの道を走る。 前方には青信号。 右折レーンに入りスピードを落としている対向車。 ……なーんか挙動がおかしいような。 そんな

          看護師が交通事故に遭ってみた!①~それは走馬灯のような~

          コロナが5類に!そしてどうなる!?

          コロナが5類感染症に移行することが発表されてしばらく経ちます。 長かったコロナ禍。自粛生活。ようやくこれで… いや、みんな何をそんなに期待してるの? というお話をしていこうと思います。 そもそも「5類」というのは感染症法上、感染症は1~5類と指定・新型インフルエンザ等・新感染症の3つの計8項目に分類されます。 数字は少ないほどヤバい感染症なイメージ(一部例外あり)で、そこに含まれない感染症はとりあえず他の3つに仕分けしてあとで考えようぜ…というようなイメージです。

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          感染管理認定看護師になるには?

          感染管理認定看護師になりたい!  診療報酬改定により感染管理に関する報酬が見直され、条件が厳しくなると同時に診療報酬の大幅な引き上げがされました。これにより感染管理認定看護師の需要がどんどん増加しています。感染管理認定看護師はもはやどの規模の病院でも必要とされる時代が来ているといっても良いでしょう。  そこで今回は感染管理認定看護師になるにはどうしたらいいの?何を勉強したらいいの?学校ってどんな感じ?認定試験は?などの疑問にここでしか言えない裏話を交えつつお答えしていこう

          有料
          500

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          介護福祉施設での感染対策【とりあえずこれだけ!感染講座】

          今回のポイント 施設において感染対策は3つの観点から重要である 入所型施設では、感染が一気に広がってしまう 通所型施設では、感染症が持ち込まれるリスクが非常に高い 小児の施設はより厳重な対策が必要 マニュアルを作り、広め、更新することが大切 感染対策の基本  この記事を読む前にぜひこちらも読んでみてください。 施設  「施設」と言ってもいろいろな施設があります。デイサービスなどの通所型、その中でも放課後等デイサービスなどの小児対応施設、特別用養護老人ホームな

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          自己紹介

          はじめまして。Ginと申します。 おそらく日本でも数人しかいないであろう 「地域医療の現場で働く感染管理認定看護師」です。 私のnoteではみなさんが感染から身を守れるような、そして医療・福祉業界で働く人が乾癬に関する知識を得られるような、そんな記事を書いています。 今回は、なぜ私がこんなにもレアな道を歩んでいるのかなどを含め、自己紹介をしていこうと思います。 Ginについて 看護師歴10数年の男性看護師です。 平々凡々なんとなーく看護師生活を送っていたある日、所

          感染のプロが考える!マスクって必要?

          マスクなんてしたくない! と、思っている人とそうでない人がいると思います。 巷で話題のマスク外す外さない議論。 政府としてはマスクを外していく方向みたいですが、本当にそれでいいのか?! 結局自分はどうしたらいいの?! よく聞く考えとは少し違う切り口で僕なりに考えてみました。 考えるべきこと①「自分のリスク許容度」 まずは自分がどれくらいコロナにかかりたくないかです。 弱毒化してきているとはいえかかるとそれなりにしんどいです。 高齢者や基礎疾患のある方は重症化

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          感染のプロが教える!手指消毒のタイミング!

          消毒、してますか? コロナが流行り始めてからよく見る消毒薬。 街のいたるところにありますよね。 そこら中にありすぎて全部で消毒してたらキリがないし、最近コロナちょっと落ち着いてきてるし、正直いつやればいいのかもよくわからんし…もうよくない?と思ってしまう今日この頃ではないでしょうか。 そこで「めんどくさいのはわかる!でも少なくともここではやって欲しい!」と僕が思うポイントについて解説していこうと思います。 僕も全然真面目に感染対策をする方ではないのですが、このポイン

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          病院での感染対策【とりあえずこれだけ!感染講座】

          今回のポイント 感染対策は人の命を守り、コストも抑える効果がある 感染経路を遮断することで感染は防げる 手指衛生・個人防護具の着用・清掃が重要である 施設の感染マニュアルの内容を知っておくとよい 感染対策の基本  本記事を読む前に、ぜひこちらの記事を読んでおかれることをおすすめします。 病院での感染対策の必要性  病院で感染対策をするなんて当然じゃないか!と思われるかもしれませんが、何故感染対策が必要かについて考えたことはありますか?一度整理してみましょう。

          病院での感染対策【とりあえずこれだけ!感染講座】

          感染対策の基本【とりあえずこれだけ!感染講座】

          今回のポイント 感染は3つの要因が重なることで起こる 3つの要因のうち1つでも取り除けば感染は防げる そのための方法として標準予防策と経路別予防策がある 感染を持ち込まない、持ち出さない、そして自分を守ることがポイント そもそも感染とは  感染とは「人体に悪影響がある細菌やウイルス(病原性微生物、といいます)が体に取り込まれ、増殖した状態」のことをいいます。そして症状が出ると感染症を発症した状態となります。感染しているけど症状がない状態を不顕性感染といいます。  

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          MRSA【とりあえずこれだけ!感染講座】

          今回のポイント MRSAを健康な人にもいる菌 ある程度健康な人には問題とならないが、抵抗力の弱い人に移ると薬が効かず重症化することがある ベッド周りの環境や、人の手を介して広がる危険性がある だから感染対策をする必要がある よくみる厄介者「黄色ブドウ球菌」  世の中にはたくさんの菌がいます。その中の一つに「黄色ブドウ球菌」というそれはそれは有名な菌がいます。(英語ではS.aureusといいます)  こいつは人の皮膚や鼻の穴などによくくっついている(=保菌していると

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