猿でもわかる、サル痘のお話。
少し前にニュースで頻回に見た「サル痘」。
最近またどんどん患者数が増えてきています。
今回はそんなサル痘について正しく知って正しく恐れよう!なお話です。
サル痘ってなに?
サル痘はポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に属するサル痘ウイルスによる感染症です。
モンキーのポックスなのでモンキーポックスとかエムポックスとも呼ばれています。
サル痘がなぜ話題になったかというとかつて世界で大流行し推定5000万人以上を死に追いやった「天然痘」という病気の原因となるウイルスの仲間だからです。(ちなみにコロナは執筆時点では600万人ちょい。)
症状は発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などが1~5日続き、その後発疹が出現します。
そして人々を死に…
追いやりません。
サル痘には2つの型があり、コンゴ盆地型と西アフリカ型に分類されます。
現在流行しているのは西アフリカ型。
その致死率は1%程度であると考えられています。
いやいや100人中1人死んでますやん!と思われるかもしれませんが、これは世界的な統計の数字であり、医療水準の高い日本ではさらに低い数字になると予測されます。
国内で認証された治療薬はないものの、対症療法で殆どが2週間程度で治癒していきます。
じゃあなぜ恐れられているのか?
推測ですが、原因として考えられるのは「天然痘の仲間というレッテル」、「ネットに出回るすごいことになっている画像」、「コロナ大流行のトラウマ」です。
どれも噂や、ごく一部の症例を取り上げただけのものでしかありません。
そしてメディアの変な煽りと、SNSの不確実な情報の産物でしかありません。
しかし、かといって恐れなくても良いというわけではありません。
理由の1つとして挙げられるのは、我々日本人はサル痘に対する免疫を持っていません。
もしこのまま患者数が増えていくと大規模なアウトブレイクとなる危険性があります。
そしてもう1点、非常に大切なこと。むしろ個人的にはこっちが不安なのですが、今回の感染拡大については、従来のサル痘では考えられないほどの広がりを見せています。
つまり、なにか我々が知り得ない要素があるのかもしれない、という点です。
この点についてはまだ解明されていない要素が多くあり、今後の調査に注目が集まっています。
で、結局我々はなにをしたらいいのか?
サル痘の感染経路は接触感染、飛沫感染です。
最近めっきり聞く機会も少なくなってきた言葉かもしれませんが、要するにはコロナと同じ、手洗いとマスクによる対策でOKです。
そしてもう1つ、性的接触(とくに男性同士の性交渉)での感染例が多く報告されています。
性交渉の際は避妊具を装着し、その後は身体を清潔に保ちましょう。
そして自身の体調管理です。
熱や水ぶくれなどの症状が出たら、速やかに受診しましょう。
感染症は正しい情報を持ち、正しく恐れることが大切です。
今後もわかりやすく、正しい情報をお届けしていきますので、是非フォローをよろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?