ビッチの洗礼。

「ビッチ」という言葉は、奥が深い。

本来の意味は、「メス犬」ですが。
「イヤな女」という意味でもあるし。
使い方によっては、逆に「イケてる女」の意味にもなってしまう。

辞書によると、こう。

悪意のある、不快な、自己中心的な人、特に女性。
a malicious, unpleasant, selfish person, especially a woman.

日本では「ふしだらな女」という印象があるようですが、英語ではそこまで下ネタのニュアンスはないように思います。

この記事では、アメリカでビッチの洗礼を受けた私の体験と、ビッチに出会ったときの対処法について書きます。

必然的に、ビッチという単語がたくさん出てきてしまうので、ここにお詫びいたします。不快に感じる方は、そっとこのページを離れていただき、次回以降の穏やかな記事にご期待いただきたく、よろしくお願いします。


初めてのビッチ。

幸か不幸か、これまでビッチを認識するほど、ビッチに困らされたことはありませんでした。

ヒエラルキーがヤバい!と噂のアメリカで学校に通った経験もありますが。小学生だったので、まだビッチはいなかった・・・ように思います。

あるいは、気づかなかったか。

いずれにせよ、ビッチの抗体が全くなかったんですね。

だから、いいオトナになってアメリカで生活を始めた当初、彼女がビッチだとぜんぜん気づかなかったんです。

彼女、というのは、ジェームズのママ。

子供同士が同じ学校に通っているので、送り迎えの際に、自然と顔を合わせるような関係です。

その都度、「ハイ!元気してる?」とか「ハロー、暑いね!カリフォルニアの夏は」なんて、軽く挨拶をしていたのですが・・・。

むむむ。どうにもこうにも、返事がつれない。

COVID以前は、イベントでもよく顔を合わせていたものの、近くの席になっても、ぜんぜん話が弾まないわけです。

「あらー・・・どうしたかしら」

「何か気を悪くさせること、しちゃったか!?」

「もしや、ジェームズがうちの子のことを、何か悪く言ってるとか!?」

向こうの態度がつれないせいで、心配は募っていきます。


が、ある日、ハッと気づいたのです。

そうか!なるほど!

これが世にいうところの「ビッチ」なのか!と。


なぜ彼女がビッチだと、気づけたか。

娘のクラスメートが、公園で誕生日会を開催した日のこと。私は娘を連れて参加し、彼女もジェームズを連れて参加していました。

他のママとジェームズのママの絡みを、客観的に見ていたときに、「おやおや?」と、ある違和感を抱いたのです。

ママたちは皆、ジェームズのママに「ハイ!」程度の話はするけれど、それ以上、近づいていない。むしろ、挨拶が終わったらさっさと彼女の元から、離れていくのです。

彼女は彼女で、いつもと変わらぬ不機嫌顔。

顎を上げて、他のママを見下ろすスタイルが、実に板についています。

でも、どうやら、それでいいんです。
誕生日会のルールさえ守っていれば、どんな態度でも、別に。

さすがアメリカのママたちは、ビッチ慣れしています。

ご本人は、他のママとほとんど交流することなく、笑顔を見せることもなく、お開きの時間になったら、ジェームズの手を引いてサッサと帰っていきました。

すごい。

徹底している。

何をそこまで頑なになっているのか。

もしかしたら、頭の中でミレニアム懸賞問題に挑んでいるのかも。

知らんけど。

ただ、ジェームズのママの態度を客観的に見たことで、「ああなるほど。これがビッチか」と、初めて知ることができたのです。

と同時に、私のモワモワした薄黒い気持ちが、ふっと解放されていくのがわかりました。


ビッチを、自分なりに定義してみる。

ビッチを知らなかったから、ビッチに出会ったときに、彼女がビッチであることに気付かず、心がかき乱されてしまった。

なので、今後自分がきちんとビッチを認識できるように、ビッチを定義してみました。

相手を見下すなどの悪態を用いて、相手を委縮させ、最小限の努力・発言・行動で自分の意を汲んでもらおうとする者。

・・・どうでしょう。

いろんな種類のビッチがいると思いますが、ここでは、自分が嫌な想いをしてしまうタイプのビッチに限って、定義してみました。


ビッチに対する最強の対処法!

先ほどの定義にある「相手を委縮させる」という部分。

たぶんココが、巨悪の根源。人間関係において、自分がイヤな気持ちになってしまう原因だと、思うんですよね。

なので、ビッチへの唯一無二の対処法は、こちら!

委縮しない。

それだけです。

委縮しちゃう方は、委縮していないフリでも充分です。
胸を張って、大きな声でしっかりしゃべる。ただそれだけ。

「ビッチ返し」は、オススメしません。

ビッチ合戦をすると、お互いにどんどん顎の角度が上がっていき、そのうち空を向いて喧嘩をするようになった挙句、ひっくり返ってオシマイ!ですから。ダサいダサい。


ビッチな店員、ビッチな上司、ビッチな隣人。
いろいろいますが、態度が悪いだけで、最小限のやるべきことができているのであれば、「委縮しない・気にしない・関わらない」でOK!

万が一、ビッチにミスがあったら、その時は指摘してもいいと思います。

「私の注文は、アイスコーヒーじゃない。ホットよ」と。

優しさエッセンスは、一切不要。

そろそろビッチも、気づくべきなんです。
自分の悪態が、自分の首を絞めていることに。


え?何ですか?

ビッチビッチ言ってるけど、お前はどうなのかって?

そんなこと、いいじゃん。別に。

私はビッチじゃない、なんて、言ったっけ?

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