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万能薬ならぬ万能アプリ「スーパーアプリ」とは何か?

LINE、PayPay、WeChat、Alipay ―― どれもスーパーアプリと呼ばれるものです。

イーロン・マスク氏も、買収したTwitter(現 X)をスーパーアプリに生まれ変わらせようとしています。

いったいスーパーアプリはどういうものなのでしょうか?


スーパーアプリとは、あらゆるニーズをひとつのアプリで満たせる万能アプリ


「スーパーアプリ」とは、ひとつのアプリ内で共通の支払いシステムを利用し、ユーザーの個別ニーズに合わせて多彩なサービスを提供する統合アプリの総称です。
メッセージング、ソーシャルネットワーキング、オンラインショッピング、決済、予約、配送など、日常生活やビジネスに必要な多彩なサービスを提供します。

どういった点が、スーパーアプリの魅力なのでしょうか。

ひとつは、複数のアプリを別々にダウンロードしたり切り替えたりする手間を省き、一つのプラットフォームで全てのニーズを満たすことができる点にあります。

次いで、スーパーアプリに実装される決済機能のおかげで、複数のサービスを同じ決済手段で利用できるのも大きな魅力のひとつでしょう。

さらに、スーパーアプリはビッグデータを活用して、ユーザーごとにカスタマイズされたサービスを提供し、ユーザー体験を向上させることが可能です。

このように、スーパーアプリは他のアプリと比べて、ユーザーの利便性が高いのが魅力と言えるでしょう。


LINE、PayPay、WeChat、Alipay ―― どれも最初はスーパーアプリではなかった?


ところで、スーパーアプリというジャンルはもともと意図して開発されたものではありません。既存の特定機能を提供するサービスが改良され続けた結果、スーパーアプリに進化したのです。

たとえば、LINEはもともとメッセージアプリでしたが、ニュース配信、決済機能、タクシー配車など徐々に機能拡充された結果、今のような多種多様なサービスを提供できるアプリになっていきました。つまり、スーパーアプリは進化の過程で自然とそうなったものだと言えそうです。


もうひとつ、スーパーアプリで押さえておきたいのは、アジアで誕生したジャンルであるという点です。米国発ではない、というのは少し意外に感じられるでしょう。

これは、デジタルデバイスの普及プロセスが、米国とアジアとで違っていることが要因と言われます。

アジアは米国と違い、ブラウザベースのインターネット時代が短く、スマホ・アプリ時代からスタートしています。そのため、ユーザーはネイティブアプリに何も抵抗感なく利用しています。さらに、中国の場合では、一部アプリの利用規制があったため、仕方なく既存アプリに他機能を追加実装していったという経緯もあります。こうした土壌があって、スーパーアプリというのが誕生したのです。

一方で、米国はブラウザベースのインターネット時代が長く、徐々にスマホ・アプリ時代に移り変わっていくプロセスをたどってきました。そのため、今もなお、検索やソーシャルメディアなどのブラウザベースの利用が中心です。

また、ブラウザが利用の中心であるため、アプリには限定的な機能しか実装されていないこともありました。こうした環境があったため、未だに米国ではスーパーアプリという形態は馴染まないのです。

米国にスーパーアプリが普及しない要因は他にもありますが、今後はどうなるのでしょうか。何が起こるか分からないのがデジタル時代です。過去の経緯はあれど、何かのきっかけで、米国にもスーパーアプリが流行する可能性はあるでしょう。

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