「お買い忘れは?」店員さんのその親切心、実は…ーー「テンションリダクション効果」とは
スーパーやコンビニで耳にする「お買い忘れはありませんか?」という一言。
お店側の親切心と思われがちですが、実は心理学的な効果が隠されています。
それが「テンションリダクション効果」です。
大きな買い物をした直後、財布の紐が緩むのはなぜ?
「テンションリダクション効果」は、心理的な緊張がなくなって注意力が散漫になることで、警戒心が弱くなるという効果のことを言います*1。
この効果の提唱者は明らかではありませんが、ビジネスの世界ではその有効性がしばしば認識され、活用されています。
例えば、家や車などの大きな買い物を考えてみてください。一生に一度の大きな買い物です。失敗は許されません。そのため、多くの場合、長い時間をかけて情報を集め、対象を絞り込み、念入りに比較します。ローンを組んで返済計画も立てるでしょう。この期間、ある種の緊張状態が続くことになります。
そして、ついに意思決定の時が来ます。契約を交わした瞬間、これまでの緊張が解け、ひと息つくことができます。この瞬間こそがチャンスです。
「ところで、せっかくなので、その買い物をさらに素晴らしいものにしませんか?」
このようにオプションなどを提案されると、思わずそのまま購入してしまうことがあります。皆さんも、大きな買い物でなくても、似たような経験をしたことがあるのではないでしょうか?
「お買い忘れはありませんか?」というフレーズは、この心理的効果を巧みに利用したテクニックなのです。
テンションリダクション効果を活用したフレーズ5選!
では、どんなフレーズを用いると、テンションリダクション効果を活用できるのでしょうか?
「お買い忘れは?」というフレーズを冒頭で使いましたが、実際のところ、このフレーズだけで追加購買を促せるとは限りません。効果を最大化するためには、様々なフレーズを知っておけると良いでしょう。
以下に、その代表的なフレーズを挙げてみましょう。
「この商品を購入したお客様には、こちらの商品もおすすめです!」
「あと〇〇円で送料無料になりますよ!」
「セット購入すると、〇〇%オフになります!」
「お買い上げ金額に応じてポイントが貯まります。あと1000ポイントで〇〇円引きになりますよ!」
「会員登録をすると、送料無料のクーポンをプレゼントします!」
これらのフレーズは皆さんも一度は目にしたことがあるものばかりだと思います。そして見ていただくと分かる通り、大きな買い物だけでなく、テンションリダクション効果は様々な場面で活用できそうなイメージを持てたと思います。
これをきっかけに、皆さんもご自身のビジネスで、この効果を活用してみてはいかがでしょうか?
(参考情報)
*1 マイナビニュース「テンション・リダクション効果とは? マーケティングで活用する方法」https://news.mynavi.jp/article/20210322-1748453(2024年6月2日アクセス)
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