見出し画像

自分の手作りは価値がある?ーー「イケア効果」とは

皆さんは、DIYはお好きですか?

材料を揃え、自分で何かを作ったり、修理したり、装飾したりすることで、その物に特別な価値を見出すことはあるでしょう。

この心理的な効果を、家具販売の大手「IKEA(イケア)」にちなんで「イケア効果」と呼びます。



「イケア効果」は、学術的にも証明された心理効果


「イケア効果」とは、自分が作ったものに本来以上の価値を見出すという人間の心理的傾向を指す言葉です。この効果は、自分の直感や経験によって物事を非合理的に判断してしまう認知バイアスの一種とされています。

この効果は、家具販売の大手「IKEA(イケア)」の家具が組み立てを必要とすることから、そのビジネスモデルにちなんで「イケア効果(IKEA effect)」と呼ばれています。イケアの家具は、購入者が自分で組み立てることが必要で、その組み立て作業を通じて、自分が作った家具に対する愛着や価値を感じるという現象が起こります。

この「イケア効果」は、ハーバードビジネススクールのマイケル・ノートン氏、イェール大学のダニエル・モション氏、デューク大学のダン・アリエリー氏の3名によって、2011年に発表されました。彼らは、「単に『労働した』というだけで、労働の成果物に対する愛着を増加させるのに十分である可能性がある」と述べています。

彼らの研究では、被験者にイケアの家具を組み立てさせ、それをプロが組み立てたものと一緒に並べ、それぞれいくらまでなら買ってもいいかと尋ねました。その結果、被験者は自分が作ったものにより高値をつけたという。

この「イケア効果」は、自分で何かを作ることの価値を示しています。自分で作ったものには、そのものが本来持つ以上の価値を見出すことができるのです。これは、自分の労力と時間を投資した結果、その成果物に対する愛着や評価が高まるという心理的なメカニズムを示しています。

この効果は、自分で何かを作ることの喜びや達成感、そしてその成果物に対する愛着を通じて、自己効力感を高め、自己肯定感を強化することができます。また、自分で作ったものは、自分自身の能力や才能を示す証ともなります。

イケア効果をどう活用するか?


「自分の手作りは価値があるかどうか?」ーー あると言えるでしょうそれは、自分自身の労力と時間、そして愛着が評価され、価値を生み出すからです。

「イケア効果」は、自分自身の能力を信じ、自分で何かを作ることの喜びを再認識するための素晴らしい概念です。それは、自分自身の価値を認識し、自己肯定感を高めるための一助となるでしょう。

さらに、「イケア効果」は、ビジネスの様々な領域で応用されています。商品開発やサービス開発、社員のモチベーション向上、サステナビリティなど、様々な領域で「イケア効果」は活用されています。これらの例から、「イケア効果」は、自分で何かを作ることの価値を認識し、それをビジネスの様々な領域に応用することで、商品やサービスの価値を高め、消費者や社員の満足度を向上させることができると言えます。.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?