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決着がついた後が勝負?ーー「テンション・リダクション効果」とは

皆さんはついで買いをついついしてしまったという経験はありますか?

たとえば、レジ横の商品にふと手を伸ばし、買い物かごに入れてしまったなどです。

我々は安堵を感じたときに気が緩むことがありますが、これを「テンション・リダクション効果」と言います。


気が緩んだときこそ危ない!?


テンション・リダクション効果とは、緊張状態から解かれた後の気が緩んだ状態を指します。テンション(tension)は緊張を、リダクション(reduction)は減少・喪失を意味します。たとえば、高価な商品を購入した後、財布のひもが緩みやすく、安価な商品の提案が受け入れられやすい傾向にあるのが特徴と言われています。

テンション・リダクション効果は、主に買い物の場面で実証されている研究ですが、買い物の場面以外でも、大きな決断をした後や大きな目標を達成した後なども同じ現象が見られます。もし過去の自分の行動に思い当たることがあれば、このテンション・リダクション効果を理解し、意識的に自分の行動をコントロールすると良いでしょう。


テンション・リダクション効果をマーケティングに利用すると・・・


ビジネスにおいても、このテンション・リダクション効果は重要な役割を果たします。いくつかの事例を見てみましょう。

① 製品の購入後のフォローアップ: 顧客が製品を購入した後、企業はフォローアップのメールを送ることがあります。これは、顧客が製品を購入した後の緊張を和らげ、満足感を高めるためです。例えば、製品の使い方のヒントや、製品を最大限に活用するためのアドバイスを提供することがあります。

② サービスの提供後のフィードバックの収集: サービスを提供した後、企業は顧客からフィードバックを収集することがあります。これは、顧客がサービスを利用した後の緊張を和らげ、次回のサービス利用に向けての期待を高めるためです。例えば、顧客満足度調査を行ったり、改善点や要望を聞いたりすることがあります。

③ プロジェクトの完了後の評価: プロジェクトが完了した後、企業はプロジェクトの評価を行うことがあります。これは、プロジェクトの完了による緊張の解消と、次のプロジェクトに向けての準備を促進するためです。例えば、プロジェクトの成功点や改善点を共有し、次回のプロジェクトでの学びにつなげることがあります。

これらの例からわかるように、「テンション・リダクション効果」はビジネスの様々な場面で活用されています。これにより、顧客の満足度を高め、長期的な関係を築くことが可能になります。また、組織内部でも、プロジェクトの完了後の評価などに活用することで、組織の学習と成長を促進することができます。

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