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バンドワゴン効果とスノッブ効果、相反するように見えて実は共存する?

「みんなやってるなら、私もやろっかな…」「でも、人と同じは嫌だ」

果たして、こんな相反する心理は共存するのでしょうか?


「バンドワゴン効果」と「スノッブ効果」、それぞれどんな心理現象?


多くの人が支持する選択肢は、自然と魅力的に映ります。

たとえば、「年間ランキング1位」「利用者100万人突破」を獲得した美容クリームを見て、思わずその商品を手にしてしまったことはないでしょうか。

このように、人は多数が支持しているものなら良いものに違いないと感じ、ついつい自分も支持したくなる心理現象を「バンドワゴン効果」と呼びます。これは、根底には「同質化願望」が働いているからだと言われています。

しかし、時として「バンドワゴン効果」とは正反対の効果が働くこともあります。それが「スノッブ効果」という心理現象です。

通常、我々は他人の言動や行動に影響を受け、それについつい従ってしまいます。しかし、多くの人が取る行動に対して「人と同じは嫌だ」と思い、逆の選択肢を選ぶこともあるのです。これが「スノッブ効果」と呼ばれるものです。

スノッブ効果は「他と差別化したい」という欲求に基づいています。「本日限定販売50個」「最新機種10台入荷」などの広告は、まさにこの効果を活用したものです。これらのフレーズは、独自性や希少性を強調し、「他とは違う特別なもの」を求める心を刺激しているのです。


「バンドワゴン効果」と「スノッブ効果」は共存するのか?


「バンドワゴン効果」とは、多数の人が支持することを選んでしまう心理現象です。一方、「スノッブ効果」とは、逆に他と差別化したいという欲求から逆の選択肢を選ぶ心理現象のことを言います。

ところで、両者は一見相反するように思えますが、共存することはあるのでしょうか?

実は両社は共存しえる心理現象なのです。たとえば、「今、巷で話題のあの商品を緊急入荷!限定100個!」というような広告を見たことはありませんか? これは両者の効果を組み合わせた例です。意外にも、一般的に人気のある商品に惹かれる「バンドワゴン効果」と、同時に独自性や希少性を強調する「スノッブ効果」は両立するのです。

さて、ここまで2つの心理現象を解説してきましたが、実務に活用する際には注意が必要です。

たとえば、景品表示法の観点です。当然ながら、実績のないことを盛り込み、誇大な表現を使うと、実態と異なる宣伝を行ったと見なされ、処罰の対象となります。また、自社に都合の良いデータばかりを集めて、さもその商品が支持されているように見せるのも、違法としてみなされる可能性があります。

また、バンドワゴン効果もスノッブ効果も心理学的には有力なツールですが、これらの効果を過度に使用し過ぎるのも問題です。たとえば、地域限定商品で売り出したものがヒットしたことで全国販売したところ、思ったよりも売れなかったということがあります。目先の利益にとらわれず、戦略的に利用することが肝要です。

両者の心理現象とも、その限界や反作用を理解し、適切に活用することが重要です。特にマーケティング戦略を考える際には、将来の展望を考慮し、適切なバランスを保つことが不可欠でしょう。

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