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小川志津子の文。

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20年来取り組んだライター職を離れたアラフィフが、日ごろ見聞きし感じたことを記す随筆マガジン。
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2020年6月の記事一覧

「自分は鈍ってしまったんじゃないか疑惑」とうまく付き合ってく方法について

「自分は鈍ってしまったんじゃないか疑惑」とうまく付き合ってく方法について

ちょっとやばいな、って実は思っている。頭のすみっこにはいつも、「チョットヤバイナ」の8文字はある。最初にそれが芽生えたのは、いつごろだろうな、演劇ライターとしての仕事が来なくなったあたりだろうか。

それまでは、週に2〜3本、何らかのユーメージンの皆さんにインタビューをしていた。そこにはいつでもある程度の緊張感があり、たとえば「失礼をこいてはいけない」とか「他誌では言ってないコメントを引っぱり出さ

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アラフィフがゼロから就職活動

アラフィフがゼロから就職活動

 しばし無職状態を満喫し、いよいよ、就職活動に手をつけ始めている。ここに書いたとおり、「就職」自体にものすごく苦手意識があるものだから、ネットやアプリで求人情報を物色している時点で、心臓がばくばく言い始める。

 とはいえ、この歳になると、「なんでもかんでも受ける!」みたいながむしゃら感は発動しない。そうやって無理くり得た職は、長続きしないし、ただただ消耗するばかりだということを私は知っている。接

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なわとびでつなわたりをする方法について〜ディスり笑いの限界とその先

なわとびでつなわたりをする方法について〜ディスり笑いの限界とその先

今も記憶に残っている、幼い頃の写真がある。

私は、子ども用の縄跳びの一端を持っている。プラスチック製の、蛍光色の、小学生ならみんなが持ってたアレである。もう一端は、父方の叔父の手にある。ふたりの間に、小さな池。たしかお墓参りの日の一幕だ。私も叔父も、体をのけぞらせて笑っている。

この前に起きたことを、私ははっきり覚えている。縄の片端を持った私を池のふちに立たせて、自分は反対側にまわり、叔父は私

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飯尾さんが教えてくれること

飯尾さんが教えてくれること

これまで出会った人たちや、昔なじみの人たちと、今もなお、何のわだかまりもなく、ずっとずっと仲良しで懐かしくて、会いたいなと思えばいつでも「会おうよ!」って言える、そんな人間関係に全方位から囲まれてる大人って、いったいどれくらいいるんだろうか。

私は、そうじゃない人だ。かつて蜜月を共にしたけれど、今は声をかけるのもはばかられる、そんな相手が何人もいる。そうなった理由は、例えば何らかの決裂だったり、

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