#005 GDPって何だろう?
今回は改めてGDPの内容をまとめていきます。
生産面、支出面、分配面に含まれる項目と、それぞれの数値を把握し、全体像を掴んでみましょう。
1. GDPとは
仕事とは顧客への価値提供の代行業です。
その仕事の金額的価値が付加価値です。
国内で生産された付加価値の総額が国内総生産(GDP: Gross domestic product)と言われています。
更に、GDPには生産面だけでなく、支出面と分配面があり、それぞれの合計は一致します。(三面等価の原則)
詳しくは内閣府の国民経済計算という統計データで公表されています。
今回は、改めて国民経済計算の資料を紐解きながら、日本のGDPの全体像を把握していきましょう。
参考資料: 2008SNA に対応した我が国 国民経済計算について
まず、国内総生産の全体像を表したのが下の図です。
国民経済計算はSNA(System of National Accounts)という国際的な経済構造の枠組みに沿って、集計、整理されています。
後ほどそれぞれの意味について詳しくご紹介しますので、ここではまず全体像を眺めてみましょう。
国内総生産(GDP) = 産出額 - 中間投入
生産面の国内総生産は、経済活動別に集計され、その合計値として表現されます。
製造業や卸売・小売業などよく耳にする産業もありますし、あまり馴染みの無い産業や、具体的にどのような職業が含まれるのかイメージしにくい産業名などもあります。
GDP支出面を見ると、私たち家計や政府の消費と投資(総資本形成)が主な項目であることがわかりますね。
私たちが支出している金額を足し合わせたものになるようです。
生産面が作る側とすれば、支出面は購入する側で、作った金額と購入した金額が同じという意味になります。
売れ残りは在庫変動という部分で吸収されます。
後ほどデータで確認しますが、在庫変動は微小です。
GDP分配面は、私たち労働者に支払われる賃金や、企業側に残る営業余剰、政府への分配となる税金などが計上されています。
稼いだ付加価値が、誰にどのような形で分配されて所得となるのかを表します。
生産と支出と分配の具体的な項目と、それらの合計値が一致することをまずは把握しておきましょう。
2. 生産面
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